曇り日。しんしんと底冷えするような寒さ。
それでも梅の花は咲き誇り春の兆しを感じさせてくれる。
咲けない私の心にはふっくらとした蕾がある。
一輪で良いのだ。人生にもきっと春が訪れるのに違いない。
天皇誕生日で祝日だったけれど義父と相談の上仕事をすることにした。
同僚も快く了承してくれて寒い中を励んでくれてありがたいこと。
とにかく工場は大混雑しており一台でも仕上げなければいけなかった。
ホワイトボードの予約客は3月中旬までぎっしり埋まっている。
幸いと言うべきではないけれど今年は家業の海苔養殖が全く目処が立たない。
例年ならばもう収穫を始めている頃だけれど海苔の生育が著しく悪く
最悪の場合は収穫ゼロになってしまうかもしれない。
じいちゃんはもうすっかり諦めている様子でお手上げ状態だった。
私も希望は薄れるばかりでとにかく現金収入をと焦り気味になる。
毎年襲って来る「二足の草鞋」の苦労も遠ざかってしまった。
家業の収入が皆無となれば益々家計が苦しくなるけれど
これも試練だろうと受け止めて日々の仕事に励むしかないと思う。
人生はまだ冬らしい。けれども終わらない冬などあるだろうか。
「あの時はよく乗り越えたね」と笑い合える日がきっと来るだろう。
金は無くても心は錦とも言うけれど私は木綿で良いと思う。
洗いざらしの擦り切れた一枚の布であれば充分ではないだろうか。
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