陽射しはたっぷりとあったけれど風はまだ冬の名残り。
北日本は猛吹雪とのこと。南国のなんと恵まれていることだろう。
雪の怖さを知らずにいてのほほんと過ごすのも心苦しいものだ。
仕事から帰宅したら娘の車があり今日は休みだったようだ。
今朝家を出る時に「お先に出るよ」と声をかけたのだけれど
「はいな」と言ったきり休みとは一言も言わなかった。
孫達が帰宅するなり娘があやちゃんを美容院へ連れて行く。
ぼさぼさに伸びていたのをやっと切る気になったようだ。
どんな髪型になっているのかとなんだかわくわくしながら待っていた。
10センチ位切ったようでずいぶんと軽やかでなんと可愛らしいこと。
私も昔は長い髪で二度ほどばっさりと切ったことがある。
一度目は確か19歳の頃。最初の結婚前ではなかっただろうか。
あまりにも色んなことがあったので心機一転のつもりだったのかもしれない。
二度目は38歳頃だったと記憶している。まだ艶やかな黒髪だった。
今思えば愚かな事だけれど切った髪を捨てることが出来ずに
美容師さんに束ねて貰ってその髪を持ち帰ったのだった。
20センチ程あったと思う。それは女盛りの証でもあったのだ。
数年前に断捨離をした時に細長い箱を見つけて「何だろう?」と
蓋を開けてびっくりした。思わず不気味さが込み上げて来る。
それは自分の髪ではあったけれど嫌悪感さえ感じたのだった。
正直言って二度と見たくないと思ったのは言うまでもない。
かと言って不思議と切なさが込み上げて来る。
その時の複雑な気持ちはとても言葉には出来ないものであった。
「さっさと捨ててしまえ」潔くごみ袋に放り込んだ。
太古の昔から髪は女の命と言われているけれど今はどうなのだろう。
白髪だらけの髪をかき上げてもただただ虚しいだけだった。
けれどもそれが年相応の事と誇りを持てないこともない。
老眼鏡をヘアーバンド代わりにしながら今日も仕事に励んだ。
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