曇りのち晴れ。時雨れたり小雪が舞ったり強風が吹き荒れる。
夕方には風がおさまり穏やかな夕焼け空が見えた。
朝のうちにお大師堂へ。やっと花枝(しきび)を活け替える。
千両はまだ紅い実をつけていたけれどさすがに正月飾りで
思い切って捨ててしまった。ずいぶんと長いこと持ってくれたものだ。
川のせせらぎの音を耳に心地よく拙い般若心経を唱える。
最後は「我らと衆生とみな共に仏道を生ぜんことを」で終る。
花枝を新しくしたせいかとても清々しい気持ちで家路に就いた。
午後はひたすら読書。津村節子の「絹扇」を読了する。
明治、大正と福井の機織業に身を捧げた一人の女性が主人公であった。
7歳の頃から家業の機織業を手伝っており小学校へも通えなかった。
福井では機織りが出来るようになって一人前の女と認められる。
男児は家業の役には立たず女児は一家の貴重な働き手であったらしい。
現在の福井に機織業がどれくらい残っているのか知る由もないけれど
福井は私にとって特別な地でありいつか必ず訪れてみたい町である。
と言うのも福井市には20年来の友人が住んでおり
電話で声を聴くことはあっても一度も会ったことがないのだった。
それも次第に間遠になり昨年からとうとう音信不通になってしまった。
メールをすれば返事が来るだろうけれど敢えてそれをせずにいる。
縁の断捨離ではないけれど私がそれだけ年を取ったからだろう。
繋がっていたい気持ちはあるけれど「もういいかな」と思ったりもする。
おそらく友人も同じ気持ちなのではないだろうか。
潔く別れることも必要に思う。縁を切るのも人生の節目であろう。
あとどれくらいの人生なのか分からないけれど
日本海に沈む夕陽を夢のように心に描き続けている。
雪深い福井にもきっと春が訪れることであろう。
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