今日も真冬の寒さとなり山里では薄っすらと雪が積もる。
午後には雲ひとつない青空となり陽射しのなんとありがたいこと。
職場の庭の紅梅の花が嬉しそうに微笑んでいた。
お昼休みに母から着信あり。出たらすぐに切れたので折り返しかける。
側に先日の介護士さんと思われる男性の声がしていて
母はしきりに「嫌ちや」と叫んでいるのだった。
そうして私には「これはいたずら電話やき」と告げるのである。
どうやら介護士さんから電話をかけるようにと言われたらしく
先日私が涙を見せたりしたものだから気を効かせてくれたのだろう。
仕事も忙しいだろうに有り難い心遣いであった。
けれども母は特に話したいこともない様子でそれは私も同じ。
ただ声を聴くだけでそれはつかの間のことであった。
「いたずら電話か」思わず笑みがこぼれずにいられない。
それは母のお茶目ぶりを垣間見たような気がした出来事であった。
母と私の声はとても似ているらしくよく間違えられる。
不思議なもので自分の声と言うものは自分にはよくわからない。
以前に娘が何かの動画を再生していた時に自分の声を聴いたのだけれど
まさしくそれは母の声とそっくりで自分で驚いたことがある。
声帯が酷似しているのだろう。やはり血を分けた母娘なのだった。
電話だと同じ声で語り合うことになりそれも愉快に思える。
母からまた「いたずら電話」がかかってくれば良いなと思った。
「じゃあまたね」とあっけなく電話は切れてしまったけれど
母の声はいつ聴いても懐かしくそれは私自身の声でもあった。
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