ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2022年02月04日(金) 硝子細工

立春。春の兆しが感じられる頃。

晴天となりあふれんばかりの陽射しに恵まれる。

気温は低目だったけれどずいぶんと暖かく感じた。


名ばかりの春と思えど一輪をこころに添えれば蕾ふくらむ


夜明け前にそんな歌を詠む。

我ながらなんとなく気に入ったので高知新聞に投稿してみた。

二週間後に掲載されなかったらまたボツなのだけれど

認められない事にもう慣れてしまった。


津村節子の「流星雨」を読み終えてから「智恵子飛ぶ」を読んでいる。

高村智恵子の女学生時代からのことが書いてあり興味深い。

もう後半まで読み進めたけれど芸術家としての智恵子の苦悩。

「私には才能がない」と嘆き苦しむ場面では胸が詰まる思いだった。

認められたい欲は誰にでもあるものだろうけれど

人一倍プライドの高い彼女はどんどん追い詰められて行く。

肋膜炎を患った後に自殺未遂をはかり一命をとりとめたものの

やがて精神を病むようになってしまうのだった。

脆く壊れてしまいそうな硝子細工のような智恵子に

夫の光太郎は誠心誠意尽くし支えようと努力するのであった。


私のようなものが口にするようなことではないけれど

智恵子の苦悩が身に沁みるように解るのである。

どんなにあがいても「認められない」ことは矢のように胸に刺さる。

どれほどの励ましも慰めも所詮は「孤独」に繋がるのだろうと思う。

独りきりで背負わなければいけない大きな荷のようなものだ。


きれいさっぱりと捨ててしまえるようなプライドなら

しがみついて縋りつくような愚かな真似はしないだろう。


けれども落とせば粉々に壊れてしまうことを知っている。

私も硝子細工のように生きているらしい。


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