ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2021年11月09日(火) 詩を諦めるなよ

最高気温が16℃ほど。陽射しも少なく肌寒い一日。

職場の近くの銀杏の木がずいぶんと色づく。

渓谷などの紅葉もそろそろ見頃なのではないだろうか。

毎年の事だけれどまたぶらりと行ってみたいものだ。



定時で仕事が終えられたので市立図書館へ寄っていた。

4冊返却してまた4冊借りる。

訊けば文庫本のコーナーもちゃんとあった。

大勢の人が読んだのだろうかなり傷んだ本が目立つ。

それでも未読の本を見つけると手に取らずにはいられない。


市立図書館は今は市役所の二階にあるのだけれど

新庁舎になる前は市役所とは別棟にひっそりと建っていた。

昔、かれこれ30年近く前になるだろうか

その図書館にYさんという司書の人がいて懇意にしていた。

詩の同人誌を紹介してくれたのもYさんでとても親身になってくれた。

土佐は「遠流の地」その同人誌は「ONL」と言った。

最初はわずか3人で始めた詩誌だったけれど次第にメンバーが増え

私はなんとなく居づらくなり辞めることを選んだのだった。

その時の辞め方はまるで後ろ足で砂をかけるような有り様。

もう二度と戻れはしないと覚悟の上での事であった。


Yさんはその時も親身になってくれてとにかく諦めてはいけないと

詩を書き続けるようにと言ってくれてどんなに救われた事だろう。

私はその後「潮流詩派」「SPCAE」を経て今に至る。


Yさんが定年退職を迎え実家のある高知市に帰る事になった。

年の離れた兄のようでもあり父親のようにも思っていただけに

その別れのなんと辛かったことだろう。


けれどもその後は手紙のやり取りが出来るようになり

いつも長い手紙が届き私も長い手紙を書いた。

10年位そんな文通が続いただろうか

ある日の手紙に「もう二度と手紙を出してくれるな」と

まるで寝耳に水のような事が書き記されていたのだった。

理由はもう高齢であるはずの奥様が誤解しているらしいとあった。

男だとか女だとか思ったことなど一度もなかったはずなのに。

悋気とはなんと残酷な仕打ちをするのだろうと悲しかった。


それ以来音信不通になる。今は健在なのかも分からなくなった。

「詩を諦めるなよ」その言葉だけが今も私の胸を打ち続けている。





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