最高気温が16℃ほど。陽射しも少なく肌寒い一日。
職場の近くの銀杏の木がずいぶんと色づく。
渓谷などの紅葉もそろそろ見頃なのではないだろうか。
毎年の事だけれどまたぶらりと行ってみたいものだ。
定時で仕事が終えられたので市立図書館へ寄っていた。
4冊返却してまた4冊借りる。
訊けば文庫本のコーナーもちゃんとあった。
大勢の人が読んだのだろうかなり傷んだ本が目立つ。
それでも未読の本を見つけると手に取らずにはいられない。
市立図書館は今は市役所の二階にあるのだけれど
新庁舎になる前は市役所とは別棟にひっそりと建っていた。
昔、かれこれ30年近く前になるだろうか
その図書館にYさんという司書の人がいて懇意にしていた。
詩の同人誌を紹介してくれたのもYさんでとても親身になってくれた。
土佐は「遠流の地」その同人誌は「ONL」と言った。
最初はわずか3人で始めた詩誌だったけれど次第にメンバーが増え
私はなんとなく居づらくなり辞めることを選んだのだった。
その時の辞め方はまるで後ろ足で砂をかけるような有り様。
もう二度と戻れはしないと覚悟の上での事であった。
Yさんはその時も親身になってくれてとにかく諦めてはいけないと
詩を書き続けるようにと言ってくれてどんなに救われた事だろう。
私はその後「潮流詩派」「SPCAE」を経て今に至る。
Yさんが定年退職を迎え実家のある高知市に帰る事になった。
年の離れた兄のようでもあり父親のようにも思っていただけに
その別れのなんと辛かったことだろう。
けれどもその後は手紙のやり取りが出来るようになり
いつも長い手紙が届き私も長い手紙を書いた。
10年位そんな文通が続いただろうか
ある日の手紙に「もう二度と手紙を出してくれるな」と
まるで寝耳に水のような事が書き記されていたのだった。
理由はもう高齢であるはずの奥様が誤解しているらしいとあった。
男だとか女だとか思ったことなど一度もなかったはずなのに。
悋気とはなんと残酷な仕打ちをするのだろうと悲しかった。
それ以来音信不通になる。今は健在なのかも分からなくなった。
「詩を諦めるなよ」その言葉だけが今も私の胸を打ち続けている。
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