| 2021年09月27日(月) |
もっともっと生きなさい |
曇り日。山里では朝からずっと小雨が降っていた。
一気に夏が退く。もう振り向くこともないだろう。
白い彼岸花は茶色くなって枯れていく。
紅い彼岸花よりもなんだか憐れに思えてならない。
いっそ散れるものならどんなにか救われるだろうに。
幼馴染でもある友の命日。もう4年の歳月が流れた。
友の分も生きようと心に誓っていたけれど
友のように死んでしまうのではないかと心細くなる。
何の心構えもなく覚悟さえも出来ずそれは突然の死であった。
ひとは余命を知らされたほうが命を全うできるのではないか。
ふとそんなことを思った。自分では決められないことだとしても。
もし決められたら最期まで精一杯生きられる気がする。
当たり前のように明日が来るとは限らない。
どれほどの希望もどれほどの未来もそれは「約束」ではなかった。
ぎりぎりの崖っぷちに立っていることを忘れてはならない。
もう友とは語り合うことも出来ないけれど
せめて魂に会うことが叶えばと願わずにいられない。
友はきっと私を叱るだろう。「大馬鹿者ね」と叱るだろう。
弱音を吐いている暇があったらもっと生きなさいと言うだろう。
やはり私は友の分も生きなければいけないのだ。
あと10年か、いや20年かもしれない。
もしかしたら100歳までも生きられるかもしれない。
彼岸花は憐れに枯れてもまた来年きっと咲くことだろう。
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