晴れのち曇り。大気が不安定だったようで
山里ではお昼に土砂降りの雨が降った。
一時間ほどですぐにやんだけれどまさにゲリラ豪雨だったのか。
ほんとうにびっくりするほどの凄い雨だった。
帰り道にすっかりうなだれたムクゲの花を見る。
どんなにか痛かったことだろうと可哀想でならなかった。
友の命日。歳はずいぶんと離れていたけれど確かに友だった。
生きていればもう80歳が近い。亡くなって22年目の夏となる。
今朝は形見の貝殻を手のひらに載せそっと声をかけていた。
「おおい生きているか?」と声が聴こえる。
「はあい生きているよ」と笑顔で答えたことだった。
世間の人はどうして男だから女だからと区別したがるのだろう。
もうお墓参りにも行けなくなった。私が女だからいけないようだ。
大好きだったブラックコーヒーや煙草を供えるのがそんなに
いけないことなのだろうか。もうそれさえも出来なくなった。
彼の息子さんだけはちゃんと分かってくれて「おやじが喜ぶよ」と
言ってくれたのだけれど彼の奥さんはそうではなかったのだ。
男と女はずっとずっと友達ではいられないらしい。
その悔しさなんとも言葉に出来ないような理不尽な情けなさがあった。
ずいぶんと歳月が流れたけれど私の胸の中で生き続けている友。
兄のような存在でもあった。そうして私の分身でもあったような。
「話したいことがあったらいつでも来いや」とよく言ってくれた。
親身になってくれたこと。それほどの恩をどうして忘れられようか。
遺言でもあり遺骨の一部は海に散骨された。
海に行けばいつだって会える。それは永遠の約束のように。
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