相変わらずの梅雨空。午後は薄日が射しとても蒸し暑くなる。
紫陽花が少しずつ色づき始めた。花と思っていたのは額なのだそう。
花は中心部のみで額に包まれるように咲くのだそうだ。
それを知るとなんと神秘的な花なのだろうか。
額は花を守り支える。まるでたくましい母のような紫陽花。
午後、仕事を定時で終わらせてもらって母の病院へ。
経過が順調ですっかり元気になったので今日は施設へお引越し。
同じ病院内で3階から2階に移るだけの事であり
母は特に気にしていないようで案ずることは何もなかった。
ただ面会は叶わず。今日も市内でコロナの感染者が出ていた。
会いたいのかと自問すればそうでもなくもうすっかり諦めている。
母の夢をよく見る。昨夜も夢の中で会ったばかりだった。
それは一緒に仕事をしていた頃の母で懐かしいほどに。
どうした訳かいつも私の仕事の邪魔をして困らせてくれるのだ。
滞在意識というのだろうか母の復帰を恐れている私がいるらしい。
それはもう在り得ない事だけれどいつも同じような夢を見る。
母である前に上司だったのだ。それが大きなストレスになっていた。
昨日のけい君ではないけれど「お母さんに会いたい」
生き別れていた少女時代の辛さがずっと尾を引いていたようだ。
病院で記入する書類がたくさんあって続柄を「長女」と書く。
そう書くようにとケアマネさんから言われ仕方なくそう書く。
なんだかそれが嫌だった。言葉には出来ないような抵抗があった。
母が産んでくれた娘には違いない。けれども私はとっくの昔に
「長女」ではなくなっていたのだと思う。
私のことをそう呼べるのは亡き父以外に誰もいないのだと。
もし母が私をそう呼ぶのなら亡き父になんと詫びれば良いのだろう。
「母をさがして三千里」だったか。
私は今も母をさがしているのかもしれない。
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