ほっこりと微笑むおひさま。おかげでぽかぽかと暖かい一日となる。
10月もとうとう最後の日。日々が淡々と過ぎていくばかり。
もっと丁寧に過ごせないものかと思うのだけれど
日々の事に精一杯でこころの余裕さえ忘れてしまいそうになる。
朝のうちに母の施設がある病院へ。
コロナ禍でも面会が叶うようになってはいるのだけれど
そうそう頻繁には行けずほぼ2ヵ月ぶりではなかっただろうか。
それを思うとほんとうに親不孝な娘で心苦しさもつのるばかり。
ワンワンのぬいぐるみを一目見るなり「わあ可愛い」と満面の笑顔。
さっそくに胸に抱くと頭を撫でたり話しかけたりしていた。
その姿を見ているだけで胸が熱くなり母の純真さがせつない。
ワンワンではなく名前をつけてあげるのだと言う。
「チビかい?コロかい?」としきりに問いかけていた。
私との会話は長続きせず最後には仕事の話ばかりになる。
それが嫌なわけではなかったけれど話すのが少し辛くなった。
もう母が必要ではないことを告げているような気がしてならない。
「する仕事がない」ことはとても寂しいことなのだろうとおもう。
私の辛さを感じたのか母も辛かったのか「もう帰りなさい」と
わずか15分ほどの面会で車椅子の母の背中に手を振って別れた。
外に出るともう陽射しがあふれていて穏やかな秋晴れ。
母にも陽射しを浴びさせてあげたかった。空を見せてあげたかった。
満月の夜。母はなにを想っているのだろう。
ワンワンはどんな名前で呼ばれているのだろうか。
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