晴れのち曇り。朝の肌寒さもつかの間で秋らしく過ごしやすい一日。
秋分の日。母方の祖母の命日でもあった。
もう15年ずいぶんと歳月が流れたけれど
祖母の思い出は今でも鮮やかにこころに残っている。
愛子と言う名のお茶目でそれはそれは優しいおばあちゃんだった。
七輪で小豆をことことと煮ては「おはぎ」を作ってくれた。
私はそのおはぎが大好きで何個平らげたことだろう。
もう二度と食べられないその美味しいおはぎが懐かしくてならない。
娘夫婦が仕事だったので孫たちと過ごしていた。
「ひま、たいくつ」を連呼するめいちゃんに手を焼いていたら
ふたいとこのまあちゃんが遊びに来てくれて大助かり。
ふたりとも外遊びをしたがるので近くの公園へ連れて行く。
まるで子犬のように走り回る姿のなんと微笑ましいこと。
追いかけながらふうふうと少し疲れたけれど楽しいひと時だった。
ふとこれも思い出になるのだろうかと思う。
まだ6歳のめいちゃんにはほんの些細なことだろう。
幼い頃の記憶はよほどのことでない限り忘れてしまうものだった。
そう思うと私はまだまだ未熟なおばあちゃん。
孫たちのこころに残るような事を成し遂げてはいないのだろう。
公園からは海が見えた。私にはそれがささやかな思い出になる。
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