曇り時々雨。それは濡れても気にならないような小粒の雨だった。
どうやら大雨のピークは過ぎたようで梅雨明けが近いのかもしれない。
けれども豪雨の爪痕があまりにも大きくて手放しでは喜べない。
今度は猛暑がやってくるだろう。復旧作業もどんなにか辛い事だろう。
それでも青空を見あげればきっと希望が湧いてくると信じたいものだ。
仕事中にお客さんから電話があり帰りに寄るようにと。
畑の夏野菜をたくさん収穫したので持って帰るようにと言ってくれる。
なんとありがたいこと。仕事を終えるなりお宅におじゃまする。
段ボール箱にリュウキュウと茄子、大きな南瓜も入っていた。
とても食べきれない量でまた職場に戻りみんなで分ける。
ちょうど常連のお客さんが来ていてお裾分けしたのだけれど
義父の分が足らなくなってしまって私の分をと思ったのだけれど
「俺はいいからみんなで食べろ」と言って聞かない。
気のせいかもしれないけれどなんだか義父がいじけているように見えた。
母がいなくなってから義父は料理に目覚めており自炊を頑張っている。
茄子を炒めたかったのではないか。南瓜を煮たかったのではないか。
あれこれと思いつつ「またもらって来るから」と帰路についた。
母は仕事をしながらも義父の食事の支度だけは怠らなかった。
いつもお昼に夕食の分も作っておき明くる日になると
「全部食べてくれていた」ととても嬉しそうな顔をしていた。
長い別居生活。母も義父と一緒に夕食を食べたかったことだろう。
義父のためだけに作る夕食はとても切なかったのではないだろうか。
おかあさん今夜の夕食は何でしたか?
美味しかったですか?おなかいっぱいになりましたか?
もう何も心配することはないからぐっすりと眠ってくださいね。
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