ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2019年09月27日(金) ゆびきりげんまん

雨の予報だったけれど午後から思いがけずに晴れ間が。

少し蒸し暑かったけれど優しい陽射しが嬉しかった。



山里の幼馴染の命日。もう二年目の秋になる。

少しのあいだ職場を抜け出してお線香をあげに行く。

あの日も今日のように優しい陽射しが降り注いでいたっけ。


突然の訃報に奈落の底に突き落とされたような日だった。

信じられないというのに彼女はもう冷たくなっていたのだ。



私が山里の小学校に転校してきたのは四年生の時だった。

わずか三年の間だったけれど彼女はいちばんの仲良し。

私が転校してからもずっと文通を続けていた。

やっと再会できた時にはふたりとも結婚し母になっていたけれど

昔の面影をそのままに彼女はとても優しく接してくれていた。


やがて孫が出来ておばあちゃんになったふたりは

会うたびに「長生きしようね」とまるで合言葉のように

いつも指切りげんまんをしていたのだと今になっておもう。


ある日突然の死。どうしてそれを受け止められようか。


「わたしは生き永らえていますよ」遺影に語り掛ける。

仏壇のある居間にはお孫さんの写真がたくさん飾られてあった。


もう泣いてはいけない。精一杯の笑顔で彼女のもとを去る。




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