母の日に母を想えど会うを躊躇う
そんなためらいと大きな葛藤にさいなまれながら
入院中の母に会いに行かなかった。
わたしのこころは鬼になっている。
とことん距離を置くことで母の覚悟を待ちたい。
今日の川仕事は海苔の「種採り」だった。
お仲間さん達と協力し合って胞子の出始めた海苔を採る。
海苔は漁協の試験場に運ばれ顕微鏡で胞子を確認する。
その胞子を秋まで大切に育てるのだった。
自然の営みと人間の技と。ただただ成功を祈るのみ。
あやちゃんが近くのお店でカーネンションを買って来た。
自分の溜めていたお小遣いでなんと優しい事だろう。
思いがけないプレゼントに娘は涙ぐんで喜んでいた。
「母の日」っていいな。私もほっこりと嬉しく思う。
夕飯の時、あやちゃんが「おかあさんはおかねがないんだって」
娘が私に何も買えないと嘆いていたのをしっかり聞いていたようだ。
「おばあちゃんは毎日が母の日だからいいのよ」って笑った。
ほんとうにその通り。娘にはどれほど助けられていることか。
可愛い孫たちとこうして一緒に暮らしてくれているだけで
毎日が贈り物みたいに思えてすごくすごく幸せなのだもの。
そうして今日も平穏に暮れていく。
母はとおい。でもこんなにも近くにいる母。
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