みみずのたはごと

2006年08月19日(土)  『ゲド戦記』観てきました。

うーん何ていうかこう…。
…御覧になった皆様の御感想が腑に落ちた、なあ、と。
私はル・グィンは読んだことないし、原作との違いなんかは分からないですが、単純にね、「え、あの伏線だと思ってたのは別に伏線とゆーわけじゃなかったのか!?」という類の、ね…。謎が、ででんと。どかんと。謎のまま居座っておりますのことですよ。
尤も連れ(一般人)の考えじゃ、「そういう人は原作を買って読むからいいんだよ」、とのことでしたが、うんまあ確かに明日にでも本屋に走りそうな自分を思えば、目論見どおりにしてやられたという気もする(笑)

帰宅してから、ジブリのサイトとル・グィンの声明(英語)とをざっと読みましたけれども。
初仕事にしては頑張ったじゃない、というのが素直な感想かな。
実は、スタジオジブリは前の仕事で取材していて、今後の会社の方向性に関してかなりの迷走状態にあるのも、知ってました。(オフレコでと言われたから、これまで誰にも話さなかったけど、これだけ騒ぎになってりゃもう時効じゃないかと思うのでバラしちゃえ) 
よって、出来がどうとか原作がどうとかのレベルではなく、私は新人監督の登場に、素直に喜んでます。「宮崎駿のジブリ」じゃなくなっても、面白いアニメを作るスタジオだったら、それでいいんじゃない? 吾朗さんは吾朗さんのジブリ作品を作ればいい。
――とはいえ、作品冒頭の疑問点がそのまま残っちゃったのは「ええええ! ここで終わる? これで終わりなの!? ええええ!」というかんじではありましたが。

個人的には、物語というのは元の媒体が何であれ、公式に発表された時点で公的な性質を帯びるものだと思っています。
言い換えれば、描かれた世界も登場人物も、自分の足で立って一人歩きしはじめる。それを読んだ(観た)人がその世界をどのように発展させたとしても、それは受け手の問題であって、提供した側の口出しできる領域じゃない。小説という媒体は特に、その傾向が強い。たとえば竜をどんな姿で思い浮かべるかは百人一様、「あなたの想像した竜は間違いです」とは、誰にも言えない。
アマチュア未満の自分の創作でも、私はそのつもりで書いていますし、そも、同人活動というのはそういう認識の元に棲息域を見出せるものですしね。
だから、「原作どうこう」という理由で一つの作品を評価するのは、止めたいし止めて欲しいと思ってます。何に関しても。

………なに真面目に語ってんの、この人?
(いやね、あんまりにも批判する人が多いのがちょっと気になったのよね…。そりゃ不満はゼロじゃないけどさ私もさ。それはそれとしてさ。もごもご)


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葛生冴 [MAIL] [HOMEPAGE]