前も書いたとおり、今週はSS書きに励んでいたのですが、煮詰まりました。完全に。あう…。 もともと詰まったり溶けたりを果てしなく繰り返しながら書く性質なんで、そんなに焦っちゃいないんですが。人生いつ如何なるときものんびりと。(ちったぁ焦れって) 少し気分転換にまったく違うものでも読んでみます。幕末でも時代物でもないものがたりを。幕末明治期の資料じゃちゃんとした気分転換にならなかったみたい。 …つうか、酒呑みたくなったんで今日はここいらで切り上げます(こっちが本音)
昨日紀伊国屋本店から落籍してきた『白い崖の国をたずねて』(宮永孝)は、 ―――凄かった…! こんなもんを引き当てちまった自分に震えがきてます。なんだこれ。とんでもないぞ。 ちなみに誤解を避けるために申し上げますと、左幕派幕末ファンとか大鳥さんファンが見てもそんなに面白くはないと思います(笑) 何せ副題が『木戸孝允の見たイギリス』ですから。これを面白いと心底思えるのは、重度の英国中毒、それも英国の歴史だとか伝統だとかに参ってしまってる人かなと。 いやね、詳しいんですよ、記述が。実際に著者もその地を訪ねてみて書いてるから、些細な描写が生きてる。そして英国の(或いはヨーロッパの)すごいところは、現代にもその風景と通じる何かが残ってるってところでして。自分の見たあの景色を、100年以上も昔の人が見て、書き残してるということだとか、自分の歩いたあの道が、当時はどんな雰囲気だったのかとか、そういうことがわかるのが、もう、背筋がぞくぞくするような快感で。うーわー。ううわー。どーしよ、これ…(呆然) 木戸さんが、私の暮らしていた町を「貧民窟というよりは悪漢の巣」と評し、大久保さん(利通)が「余はあれをみて、世の中が浅ましくなった」と零したというのには、笑いました。木戸さーん、大久保さーん、今ドックランドは頑張ってますよー!(笑)
幕末に嵌り直してから、いろいろな出会いがあります。人であることもあるし、本だったり、本の中の一場面だったり、どこかの街角だったり山道だったりします。出会うたびに自分が豊かになっていく気がします。 思わぬ広がりを見せる世界に、ちょっと嬉しい今日この頃。(時間は幾らあっても足りないけど)
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