眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 小説・フィルム・ノワールの恋に似て:華藤えれな/小説・FLESH&BLOOD19:松岡なつき

ボーイズ小説・フィルム・ノワールの恋に似て(キャラ文庫)華藤えれな

マカオのカジノで働く受は映画監督攻に声をかけられるが、夜のバイトだと思いついていくと映画を撮るため街を案内して欲しいと頼まれる。役者にならないかと誘われたが断ると監禁され…。
気になる設定だったので買った。可もなく不可も無くと悪くないの間。
受はフリーター。母子家庭で育ち母親のヒモに虐待され育つ。映画館で攻父の映画を見るのが好きだった。15歳で母親を亡くす。すれた性格。男娼のバイトもするが特定の相手を作らない。ポリシーを持っている。何も期待しない。シャープな顎のライン。猫のようなくっきりと吊り上がった眸。きつい目つき。外見はクールなアジアンビューティ。妙な色気。嗜虐心をそそられる。体術の心得がある。
攻は新進気鋭の映画監督。世界的に有名な映画監督の息子。父親を嫌っており品行方正で真面目な生活を送っていた。すらりとした長軀。上質なブラックスーツを身に纏った優雅な姿。猛禽の目。理知的なまでに整った風貌。
マカオを舞台に新進気鋭の映画監督攻と天涯孤独で一人で生きてきた野良猫のような受が出会って、攻の撮る映画に出る話。なのだけど、よくある映画自体を撮っている時間がメインではなく、乗り気で無かった受を攻が監禁し、精神的に追い詰め特殊な状況下で俳優になるのを決意する時間がメインだった。
切り口は面白いと思ったけれど、隔離された場所に二人で閉じこめられ、受の心情が数ページごとに変化していくのが早すぎてたまについていけない。受が攻にでれたのが若干唐突に感じる。この部分をもうちょっと詳しく書いて欲しかった。
攻の隠された狂気やマカオの町並みの雰囲気は好きだった。
この作家さんの書く海外が舞台で行ったことがある街は、そうそうこんな雰囲気と思い出せるのが好き。本当はどうか知らないけれど、作家さん自身がその国(或いは似た気候の国)に直接行ったんじゃないかと思える。
受は中学もろくに通っておらず特に読書好きとも書かれていなかったけれど、よく攻が料理を作る短時間の間に見つけた台本(短めの話かもしれないが)を何度も読めたなと思った。
攻の撮る映画は、よほど映像が綺麗じゃないと、このストーリーだけではあまり観てみたいとは思えなかった。
しかし攻の映画が当たったとしても、受の過去は結構なスキャンダルになるし、客を取っている映像もすぐネットに流出しそう。
メイン二人の関係とキャラは気に入った。
Hは受が慣れているので長め。他の男と寝ている描写はあるが最中の物は無し。
次も設定次第。
海外物。マカオが舞台。映画監督30代頭×俳優22歳ぐらい。受は男娼もしている。シリアス。監禁物。年上攻。



ボーイズ小説・FLESH&BLOOD19(キャラ文庫)松岡なつき

続刊。今回は受がイギリスに戻り、投獄された攻を救い出すため、これからの戦争で功績をたてるので成功したら恩赦を願おうと奔走する。スペイン側の戦争準備の様子も書かれて、いよいよ決戦前の緊張が高まっている巻だった。
何よりの目玉は受と攻が再会するシーン。生きて再び会えて良かったねー、長かったねー。よく頑張ったねー。としみじみした。
史実と絡めて進むので誰が生き残って誰が死ぬのか目が離せない。メインはみんな生き延びて欲しいけれど、ラウルには是非華々しく散って欲しい。このままだと主要メンツは戦場で出会う可能性があるって事だよね。
セルバンテスも同行する事になったけれど、レイバの船に乗るのはレイバが生き延びるフラグなんだろうか。セルバンテスの書く物語にちょい役でもビセンテやレイバがモデルになったキャラが出てきたら面白いのにと思った。
タイムスリップは、JPが最初にホーの丘で繋いだので行き来出来るようになったという解釈で良いのか。
ナイジェルやキットも紅茶を飲んでどんな感想を持ったか知りたい。F&Mの紅茶缶、この時代はまだこういう缶は無かったよね?
次で20巻。BLでは大作だけどここまで長くなっても飽きさせないのは、いろんな登場人物に深い肉付けをして、いろんな立場でのやりとりを書いて話に厚みを持たせてくれているからだと思う。もちろんメインキャラがきゃっきゃとしているシーンを読むのが一番楽しいんだけれどね。厚い物語として読ませてくれるから飽きないのよね。
続きもとても楽しみ。
シリーズ。海洋物。タイムスリップ物。歴史物。パラレルワールド。海賊×日本人青年。シリアス。


2012年07月08日(日)
最新 目次 MAIL HOME