眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 小説・裏切りの夜:仔犬養ジン

ボーイズ小説・裏切りの夜(ゲンキノベル)仔犬養ジン

サンフランシスコの警官である攻は、一晩だけ遊んで裏切った内務監査課の受に不正を指摘され…。
初単行本。気になる作家さんの新刊なので買ってみた。可もなく不可もなくから悪くないに1歩行く感じ。
受はサンフランシスコ警察の内務監査官。典型的な鳶色の髪。白人。鼻梁の傾斜はもぼ完璧。涼しげな青い虹彩。整った顔立ち。品のあるスーツ。堅苦しい。仕事が出来て昇進が早い。煙たがられている部分もある。ゲイ。潔癖。清教徒のような。
攻は刑事。父親は日系二世の方面本部長。母親はユダヤ教徒。ミドル級ボクサーのような腕。相手に安心感を与えない黒い瞳。黒髪。象牙の肌。何となく警官になった。だらしない。せこい。ゲイ。
漫画では読んでいるが小説は商業では初めてのはず。何度か書いているが最初ネットでこの作家さんの小説を読み、とあるファンタジーのエンドだけが気になって通っていたが、作家さんがパロにはまってからは、興味がないのでずっと疎遠になっていた。小説を読むのは数年ぶり。
初めの1/4は大変読みにくかった。
全体的にアメリカドラマの刑事物というか、洋物の翻訳推理&ハードボイルド小説のテイストなのだが、その手のジャンルによくある気の利いた(ひねりのある)言い回しのオンパレードで、真っ直ぐに読み進めない。気の利いた言い回しの本意を考えるため一瞬停滞しまた読み進めるので、半ページに1つぐらいあればほうほうと読めるのに、3行に1つぐらい出てくると鬱陶しかった。数ページ読んでちょっと遠い目になったが、後半はそうでもない。
最初の方はその過多な表現のためか、なかなかキャラの性格が掴めなかった。何かこう、キャラの性格を決めてその性格にあった言動・表現をしているのではなく、米国警官物のこのタイプのキャラに相応しい格好良い言動を集めてきて、そのエピソードから性格を把握する感じ?
1/3過ぎた辺りでようやくキャラの性格が掴めてきた。そこからは攻のひどさに最後の方では笑ってしまった。
以下ネタバレ含むので注意。


攻は最初、仲間と賭のため受に声をかけ一晩寝る。受は真剣に恋人を捜している途中だったが、自分の夜をうわさ話にされ秘密を暴露される。その後攻は保身のために(殺人など深刻なものではないが)とある事件をもみ消し、その不正を指摘した受は、攻の父親の圧力で同僚から嫌がらせをされ冤罪を押しつけられ孤立する。冤罪でむしゃくしゃしている時に飼い犬が余所の犬に噛まれて怪我をする。独身と偽られて付き合っていた妻帯者がしつこく押し掛けてきて、正に踏んだり蹴ったりな状況。
攻が受をうまくまるめこもうとしてばれて殴られた後、「残酷な神の仕打ちで2人の仲は悪くなった」(意訳)みたいなことを述懐していたが、お前だけのせいやろっと思い切り突っ込んでしまった。あまりの攻のひどさに笑った。しかもせこい。
受は攻と別れた方が身のためだと思う。男運は最後まで悪かった。どうしようもない酷い攻が好きなら案外楽しめるかも。強引傲慢ではなく天然で酷い感じ。
事件の方はまあまあ。ボーイズにしてはしっかり書かれているほうかも。
Hシーンもゲイゲイしい。2人ともフリーなので特に攻は色んな男と寝ている。しかもユダヤ教徒なので、「攻がユダヤ教徒なのは、Hしたおかげで分かった」みたいな台詞もある。こういうのも外国ドラマではよくあるネタなんだろうけれど、ボーイズでは珍しいかなと思った。
次はまた設定次第かな。前半のような雰囲気ならもう買わなかったけれど、後半のノリなら萌えではなく笑いを求めて買うかも。
アメリカ警官物。社会人物。警察。警官×監査官。2人とも20代後半? 攻視点。酷い攻。

2007年05月15日(火)
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