眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

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 小説・交渉人は黙らない:榎田尤利

ボーイズ小説・交渉人は黙らない(シャイノベル)榎田尤利

交渉人(ネゴシエーター)の受は、数年ぶりに高校時代の後輩でヤクザの若頭になった攻と再会する。関わりたくはなかったが、3日間攻と契約する事になり…。
設定が気になったので買ってみた。悪くないプラス1。
受は交渉人。元検事で元弁護士。父親は法務省のそれなりの立場にいる役人だった。学生時代は勉強しかしなかった。女々しくはないが綺麗な顔立ち。きりりと凛々しい眉。くっきりした二重の目元。意志が強い。聡明。色っぽい。喧嘩は弱い。運動能力は人並みかそれより下。口が立つ。肝が座っている。
攻はヤクザの若頭。両親に捨てられ施設で育つ。美丈夫。ゲイ。180センチ以上。舎弟に人気がある。お洒落。色男。眼鏡攻。引き締まった体躯。飄々としてる。
高校時代に気になっていた攻と再会し嫌々ながら付き合う内に…みたいな流れ。
全体的に軽妙なノリで突っ込みが入っている。小さい笑いをいくつもちりばめ、所々に今に至るまでの受の重い過去が出てくる感じ。
ヤクザ物の受は借金持ちか、探偵か便利屋。刑事に同業者が多いのだが、交渉人という仕事は目新しかった。でも名前の変わった便利屋という気がしないでもない。
受は突っ込みすぎというぐらい一人称で突っ込んでいる。タイトルからして「黙らない」なのだが、最後に「黙らない」理由も出てくる。そこら辺の絡ませ方は流石器用な作家さんだった。
脇キャラも立っていてエピソードも面白かった。たまにいきなり「人間とは」とか「人生とは」と観念的な話になっていた。攻の組事務所に受の写真が貼ってあるシーンは笑った。
ただ受が普段も窮地に陥った時も、同じ調子で減らず口をたたき続けていると、冷静に突っ込みが出来る状況=感情が常に一定のままみたいに見えて、あまり感情に起伏がある気がしない。ついでに過去のトラウマ部分のシリアスと現在の明るさしたたかさが微妙に乖離していたような。
エピソードや設定がてんこ盛りで、10個入れば綺麗なバランスに見える菓子箱に13個入っているような感じ。少ないよりは多い方が良いけれど。微妙にお腹いっぱい。3巻かけて謎を解決しくっつく作品の1巻目のような始まり方だった。ナチュラルに続くかと思ったのだが続くのよね?
このままのクオリティとノリで3巻ぐらいで綺麗にまとまるなら、全部を通して感想は「面白い」になるはず。
多少は萌えたが、作品に隙がないのか萌えようとすると手取り足取り萌えに連れて行ってくれるようで、「あ、おかまいなく」とも思ってしまった。
攻はヤクザで執着攻だが、なかなか純情な面もある。高校時代受を高嶺の花だと思って諦めたり、押し倒しても無理矢理最後まではいかない。何げに受を気遣っている。途中ではヘタレ攻にも見えた。なかなか味がある。下手すると受より存在感が無かったかも。
登場人物はどれも好みだった。
Hは高校時代に攻に強○されている。クライマックスHは受だけいってた。
きっちり両思いになっていないので、続きが出るなら楽しみにしている。
社会人物。ヤクザ物。一応再会物。14年ぶりの再会。ヤクザの若頭31歳×交渉人32歳。後輩×先輩。受にトラウマ。強○始まり。受は他の男にやられる描写有り。眼鏡攻。普段受に対しては敬語攻?

数年前ネゴシエーターの仕事に興味を持って、詳しい本を探したのだが見つからなかった。仕方がないので映画の「ネゴシエーター」などを見てチェックしたのだが、いい本ないかな。

2007年02月27日(火)
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