眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

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 小説・優しい檻:椎崎夕

ボーイズ小説・優しい檻(シャイノベル)椎崎夕

有名彫刻家の第二秘書をしている受は、その彫刻家の使いで新進気鋭の若手彫刻家である攻の元に訪れる。攻はかつて告白してきた友人で…。
いつも買っている作家さんの新刊なので買ってみた。悪くないと面白かったの間。
受は著名な彫刻家の第二秘書。母子家庭妹一人の家庭に育ったが、借金を返済して貰う代わりに彫刻家の元に行き玩具代わりになる。体の関係は無かったが周りからは愛人と思われていた。絵を描くのが好き。色使いが独特。清潔な雰囲気。審美眼がある。長い髪。穏やかで控えめ。空気のように馴染む。頑固な面も有る。有能。美人系。
攻は新進気鋭の彫刻家。海外留学経験有り。海外でも知名度が上がっている。受を囲っていた彫刻家に師事していた事もある。山中に工房がある。精悍な顔立ち。不機嫌そうな表情。堂々としている。ゲイ。
学生時代攻に好きだと告白され淡い思いを抱きかけた頃、彫刻家に借金をカタに買われ、数年後愛人になったと誤解した攻に無理矢理やられて、軽蔑されていると思い込みつつも離れられず、期間限定で体の関係になって…みたいな流れ。
この作家さんの好きな要素である「ペシミスティック」と「一途受」に、好きな設定である「受はまったく悪くない借金」と「誤解して受をなじる攻」と「孤立無援な受」と「身を引く受」を、好みの分量と味付けで料理された作品だったので萌えた。
やはりどうせ僕なんて…はこうでなくてはっ。と無駄に力説しそうになった。
クライマックスは、受が攻の元から身を隠すという展開が好き。百万回読んでも好き。
以下遁走の美学↓
この攻も何げに執着攻で9年間待ち続けた粘り強い攻でもある。最初こそ受に辛くあたっていたが、最後の方はラブラブだった。好感が持てる。
受を買った彫刻家も変人だが悪い人ではないので、安心して(?)どうせ僕なんてを楽しめた。第一秘書もいい味出している。
Hはこの作家さんにしては多い目。足を怪我している状態でHしている。
ここ最近の作品は安定しており素直に楽しめる。次も期待している。
美術。彫刻家。再会物。8年ぶりの仲直り。彫刻家20代後半から30代頭?×秘書20代半ば?。しっとり。しみじみ。怪我H。メインは受視点。番外で攻視点。監禁というか軟禁物。受の遁走。二段組。

遁走の美学↓
このパターンのカプは、攻が受を誤解していたり最初は好きでなくて酷いことをしている事が多い。様式美だと分かっていても酷い攻に多少の反感がわく。その攻が本当に反省し受が好きだと自覚するための萌えるプロセスが受の遁走。
この手の攻は財力や立場が攻>受なので、受がいなくなっても本来困らないはずだが、いなくなって受がどういう存在だったか見つめ直し、しがらみに縛られず受の存在を考え、個人対個人になり、手を尽くして探しながら攻が反省するのが遁走の美学。
攻が頑張って探す姿に読者である私は溜飲を下げ、そんなに必死になるならこれから受は幸せになれるんじゃないかな。と思えるのが、遁走の美学。
因みに一ヶ月ぐらいで探されると意地で探している部分もあるのではないかと疑い、数年単位で見つからないと離れている間が長くてカプが可哀相になってしまうので、大体半年から1、2年ぐらいが好もしい捜索期間。
これからも受の遁走クライマックスを大いに応援していきたい。

2007年02月16日(金)
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