眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

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 小説・孤独な龍は愛に溺れる:池戸裕子/二重螺旋愛と情熱のアリア:池戸裕子

ボーイズ小説・孤独な龍は愛に溺れる(ショコラノベル)池戸裕子

医者の受は、失踪した祖父の代わりに診療所で働いている。街でヤクザの攻と出会い、いつ死んでも構わないという生き方に反発し…
いつも買っている作家さんの新刊なので買ってみた。可もなく不可もなくから悪くないに2歩行く感じ。
受は医者。腕は良い。お祖父さんに育てられた。お洒落に気を遣っている。顔立ちも良い。意志が強くて活発そうな顔。理知的な印象。肝が据わっている。真面目でへこたれない。奥手。
攻は全国的に名のしれたヤクザ。元は大きな組の幹部だったが引退し今はトラブルシューターみたいな仕事をしている。頑丈そうな体格と精悍な顔立ち。威圧感が漂い切れると怖い。生に執着するほど惜しむものがない。男女ともに寝る。
やりたいことは分からないでもないのだが詰め込みすぎている気がした。
この作家さんは急に高いテンションで読み手を引きずり込むというよりは、少しづつエピソードを積み重ねキャラに親近感を持たせるタイプだと思うので、最初の方で攻のエキセントリックぶりを出されると、ただのイタイキャラにしか見えない。受と食事できなかったので、切れてテーブルと椅子を壊しましたと言われても、後から振り返ると事情があったのかと思うのだが、読んだ時は37才のいい年の男が何をやっているんだと引いてしまった。
前半で受が攻のために監禁され、助け出されて攻を好きになり攻の事情を書いていく流れ。
後半攻を待ち伏せるため、ホストのバイトをする受というエピソードに驚いた。
詰め込みすぎな気がしてなかなか作品にのめり込めなかったが、作品の持つ情の部分は好き。
それなりに年を重ねた作家さんで、年輩の人が醸し出すほんのりとした優しさというか情みたいなものがにじむ人がいると思っているのだが、この作家さんもそう見える。
Hは普通程度。
次も地雷でない限り買ってみる。
社会人物。ヤクザ37才×医者30才近く。抗争。ホストクラブ。受の監禁。攻以外に道具を使った暴力有り。



ボーイズ小説・二重螺旋愛と情熱のアリア(アルルノベル)池戸裕子

実力のあるソプラニスタの受は、5年ぶりに同じ大学で声楽を専攻し恋人であった攻と再会する。昔攻に一方的に捨てられ復讐しようとしたが…
気になる作家さんの新刊なので買ってみた。可もなく不可もなくと悪くないの間。悪くない寄り。
受は実力のある声楽家。ソプラニスタ。天才肌。一見冷淡に見える端麗な顔立ち。美貌。間違いを許さないきつい性格。歌に熱心に取り組んでいる。攻と別れて何人かと付き合った。
攻は海外を拠点にしている声楽家。テナー。努力家タイプ。自分に厳しい。歌が好き。眉がくっきりとして鼻筋の通った日本人にしては彫りの深い顔立ち。長身。
天才肌の受と努力家の攻が同じ声楽家としてライバル視し競い高め合いかつ恋人になる。みたいな構造。
この作家さんはよく高嶺の花である受を手に入れるため奮闘する攻の話を書くが、これはこのパターンでの受視点。いいライバルで同等でいたいため受と一度別れる攻が涙ぐましい。
この二人の関係は萌えた。歌うシーンも葛藤する部分も好感が持てる。攻が一番最初に受と寝る時の必死ぶりも可愛かった。
ただ受が新しい攻の恋人だと思いこんだ青年に粉をかけるのはいかがなものかと思ったが、この作家さんの事なので青年と受の間は気まずくはならない。ひたすら攻が貧乏くじを引いている。
Hは普通程度。
次も地雷で無い限り買っている。
社会人物。音楽物。再会物。声楽。同じ大学の同級生。声楽家カプ。20代後半。受が他の男と寝ている。

この2冊なら二重螺旋の方が好み。

2006年10月31日(火)
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