眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・いつか青空の下で:月村奎

リンクスを買ってみた。全サプレゼントが過去表紙のポストカード集15枚は良いのだが、送込み1000円は高過ぎやしないか。話入り小冊子ではないので申し込むつもりはないが。まあ、気に入らんのなら申し込まなければ良いのだけどね。

昨日のビデオの続き。
「クジラ島の少女」
マウリ族の族長である祖父は、消えゆく部族の伝統のためにも新しい男の族長が欲しい。息子に子供が産まれたが嫁と双子の男の子は死亡。双子の孫娘だけが生き残った。孫娘は祖父が好きでなんとかマウリの伝統を覚えたいと頑張るが、男社会の伝統では邪魔者扱いされ怒られる。とかいう話。良かった。
昔から何度もこの手の映画は見ているが、ついまた見てしまう。滅びゆく伝統。消えゆく文化。子供が出てきて小さな奇跡を起こす。これもそんな話だった。見たこともない場所の独特の文化というのに弱い。この映画もマウリの歌が聴けて良かった。
淡々と静かな映像の中に消えていく先細りした生命の哀愁が漂っている。ものには全て寿命があり、文化や文明、民族もその寿命からは逃れられない。その寿命を延ばそうと足掻く姿や、諦めて漫然とした静かな死を迎えようとする姿は見ていてもの悲しい。無に向かうあらゆる悲しみの中に灯る小さな希望(この作品の中では孫娘)を見るのが好きなんだと思う。

「息子のまなざし」
青少年の更生プログラムとして木工を教えている男の元に一人の少年が送られてくる。その少年は男の子供を殺して捕まり、少年院を出た後、更生するためにやって来た。少年は男が自分の殺した相手の父親だと知らず男に懐いてくるが…とかいう話。
設定が気になって借りてみたがこれもミニシアター系か。途中まで朴訥ながら面倒見がよく優しい男と少年の交流を楽しんで見ていたのだが、最後の最後で終わり方は何かこう。何らかの結論を出してくれると思っていたのでがっくりした。こうするしか仕方がないのかもしれんが。納得いかん。フランス映画っぽい。←偏見。



ボーイズ小説・いつか青空の下で(キャラ文庫)月村奎

「そして恋がはじまる」の続編。前回くっついてから1年半後。付き合っていることが受の家族にばれカミングアウトして認めてもらおうとする話。
雑誌掲載の表題とその1ヶ月後の続編。前作が気に入っていたので買ってみた。悪くないと可もなく不可もなくの間くらい。
受は高校生から大学生になっている。顔は良い方頭も悪くない。生みの親が育てられなかったため、その伯母である育ての母の家族に引き取られる。気を遣い人当たりは良いが強く出られない。そんな性格にコンプレックスを持っている。攻は司法書士。穏やかで大人な性格。実家にはカミングアウトして絶縁されているので、受の家族には気を遣う。眼鏡攻。
カミングアウトネタは割とシリアスで重くなる事が多いのだが、この作家さんの作風の薄くてさらっとのおかげで、他の作家さんが書くよりは重くならずに済んだような。親に驚かれて反対されて許せないけど認めるしかないという譲歩のところで終わっている。
いくつかあるカミングアウトネタの中では重い終わり方だが、最後は前向きな希望みたいなものがあって雑誌掲載の時から好きだった。攻と家族の板挟みになり泣き崩れる受はなかなか。ドラマのヒロインのようだった。可愛いと思ったけど。
表題で頑張れよーという気分になれたのに、続編でも生みの親にばれて…以下繰り返しという感じなのが少し萎えた。同じネタでやられるとワンパターンだし被せネタとしては重い。書き下ろしは二人の甘甘か、別の切り口でやってほしかった。これが無ければもうちょっと読後感が良かったのに。
この受は大体いつものこの作家さんの書く受と同じような性格だが、攻は穏やかで好きなタイプ。この作家さんの何様攻は受け付けないが、穏やか攻は好き。
また設定によっては買ってみる。
司法書士×大学生。シリアス。ふわふわ。カミングアウト。

読んでいて思い出したが、大人と子供では感じる時間の感覚が違うというエピソードが印象に残った。確かに子供の頃は時間が経つのが遅く感じたが、大人になった今ではとぶように早い。思えばあのころから遠く離れた場所に来たもの。

2004年07月10日(土)
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