眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬
日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。
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青田買い2004年5月・6月
2004年5月
六青みつみ/南野十好/市村奈央/卯月かいな
[今月の青田買い]
雑誌でしか見ないようなボーイズの新人&投稿者の作品の感想を書いている。新人扱いは、個人的に単行本が2,3册出た所ぐらいまで。将来有望かが基準ではなく、あくまで私個人の好みに合う話を書くようになってくれるかどうかが基準。
面白い作家さんだけを挙げるか、つまらなかった作家さんも挙げるかはその時の気分。
リスペクトキス(リンクス6月号)六青みつみ
高校時代からの親友・攻に10年片思いしてきた受。自分に自信が無く告白する勇気がないまま親友の立場に甘んじている。そんな時、攻と付き合った経験のある受の従兄弟が現れて…とかいう話。
この作家さんの話を読むのは2作目。11月の青田買いで書いた作品のカプと似ている。こういうカプが好きなんだろうと思えるのだが、これしか書けないのだろうか。ちと疑問。
受がいじいじ・じめじめしていて、ペシミスティック。「どうせぼくなんてえーん」が楽しめてウキウキしながら読んだのだが、どうも地雷の予感が拭えなかった。前回も同じく楽しみながらも心のどこかで予防線をはっていたのだが、今回その理由が分かったかも。
私は攻に感情移入した時に、受を苛めたり可愛がったりしたい。受に○○したいという気分を楽しみたいのだが、この作家さんの書く攻は、受に○○してもらえるので受が好きという性格っぽい。もちろん受に○○したいと思う事もあるのだろうが、こっちの方が強いように感じる。
そしてその要素が強くなれば、受に甘え、それだけならまだしも寄生しているように見えるのが嫌なのかも。
うまくはまればジメっぽい作風でうじうじ君を楽しめるが、片側に傾けば攻にむかつくかもしれない。そこらへんが気になった。毎回ボーダーラインの間を彷徨いそうではある。この作品自体は好きだが、好きな作家さんになるかは綱渡り。
空を夢見る魚のように(リンクス6月号)南野十好
後日
キャラメルダーリン(小説ビボーイ6月号)市村奈央
彼女にかまってくれないと振られた先輩・受は恋人を構い過ぎてうざがられる後輩・攻から恋人ごっこをしてお互いに加減を憶えましょうと提案されるが…とかいう話。
面白くない。ほのぼのとした作風でお人好しそうなキャラは嫌いではないのだが、話の作りがどうも。もう少しひねりを入れるなり、構成を考えるなりしてくれないものか。話の枝葉になるエピソードも少ない。文章は書き慣れてきた感じだが、単行本になって読みたいと思える作品が無い。前の作品はまだ好きだったけれど。筆力が安定していない。勿体ない感じはするんだけど。もうちょっとこう。何というか。
花となれ(小説ビボーイ6月号)卯月かいな
江戸時代、道場を開いている攻は、昔仕えていた主人から呼び出され、陰間である受の素性を調べてくれと依頼される。会いに行った先の受は主人の藩の跡継ぎの少年にそっくりで…みたいな話。30×14
新人賞参考作品らしい。悪くない。私は明治以前設定にまったく興味も萌えも感じないが、それを押しても楽しめた。作家さんが元々興味のある時代とテーマを萌え燃えで書いたような内容。庶民の暮らしなど知ってることを並べている感じだが、身になっていて浮いているようには見えない。
この文章とキャラのレベルのままで現代物が読んでみたいが、無理かな。趣味の域を出るとどうなるのかは不明。
2004年6月
小林典雅/天乃星河/いつき朔夜/久万谷淳/雪代鞠絵(白鳥エマ)
[今月の青田買い]
雑誌でしか見ないようなボーイズの新人&投稿者の作品の感想を書いている。新人扱いは、個人的に単行本が2,3册出た所ぐらいまで。将来有望かが基準ではなく、あくまで私個人の好みに合う話を書くようになってくれるかどうかが基準。
面白い作家さんだけを挙げるか、つまらなかった作家さんも挙げるかはその時の気分。
棒投げ橋で待ってて2(シャレード7月号)小林典雅
続編。1で出来上がったカプが受の実家に行き交際を認めて欲しいと頼みに行く話。
それなりに面白かった。この作家さんの書くギャグは独特のものがあると思う。本になったら読んでみたい。
ただエマージェンシーの時にも書いたが、最期の締め方がだらだらして見える。話に山谷があるのは良いのだが、起承転結の綺麗な山ではなく、盛り上がって落として盛り上がって落としてと同じ調子で続くので、マラソンコースを走らされている時に、ここでゴールかと思ったら、まだ残り平地で200メートル残っていた時のような気分。
ギャグで読み切ったので良かったが、普通の話ならものすごくバランスが悪く見えたかも。これもバランスは悪いのだが。最期の締めが間延びしていると、折角の余韻が台無しになるので、ここら辺は何とかして欲しい。
恋愛なんかじゃない(漫画・ダリア夏号)天乃星河
お金に困っていた受は、騙されて女装し攻を殺す手助けをしてしまう。攻に責任をとるようにとHされ…という話。
つまらない。設定を詰め込みすぎて駆け足で流しているだけ。一応犯人探しというかサスペンスっぽい作りになっているのだが、盛り上がりに欠ける。Hも唐突。カプが愛し合っているように見えない。文章は上手いというわけではないが書き慣れている感じ。本が出てもあまり買う気がしない。
リロード!(小説ディアプラス夏号)いつき朔夜
前回載った話の続き。娘を連れて攻と同居する受は、ゲームデザイナーとなり、それなりに忙しい日々を送っている。ある日別れた妻から娘を引き取りたいと申し出られ…という話。
悪くない。前回より書き慣れてきたように見える。それなりにまとまっているしゆるい山谷もある。全体的にほのぼのとした雰囲気で読後感も悪くない。キャラも良い感じ。ただ家族ネタが幅を利かせていたので、カプとしてのラブラブはあまり無かった。これが本になればご祝儀代わりに買うかもしれないが、萌えーという感じではない。今のところ悪くはないが、この作家さんならではといった魅力は見えにくい。
子持ちネタは嫌いではないが、こういった場合の子供は大概良い子になるような。子供に積み木崩しされていたら、カプで愛し合っている場合じゃないから。仕方がないんだろうけどね。
PhotogenicLover(花丸初夏号)久万谷淳
新鋭のカメラマンとして売れている攻の元に死に神・受がやって来る。3日後に死ぬ予定なので願い事を3つかなえてやると言われ…という話。
可もなく不可もなくと悪くないの間ぐらい。つたないのは仕方がないとして、全体的な流れは悪くない。死に神ネタは好きではないが読めた。攻の言う3つの願いの内容は良いと思ったし、最期の受の母親視点でしめたのは、個人的にはとても好き。ただあの書き方はもう少し長く、それこそ単行本1冊ぐらいの量で映える書き方だと思うので、その点では十分に楽しめなかったのが残念。
全体的にエピソードの量の割にページが少なかったので、二人が相手を気になるステップが駆け足になっていた。ついでに話はまとまっているが作家さんのクセはあまり見えなかった。そこらへんが、萌えきれなかった理由。次も読んでみたい。
受がでてきて受の写真を撮るシーンとHシーンの文章に、いきなり煌びやかな表現やら綺麗な漢字がでてきたので、あからさまで少し笑った。そのシーンをクローズアップさせるのは良いけど、表現は同じ調子でやったほうが良いような。
ベイビーポップ(花丸初夏号)雪代鞠絵(白鳥エマ)
高校生の受は16歳の誕生日に医者で叔父である恋人の攻とHする約束をしている。誕生日まで後数日という時に重大な悩みが出来てしまい…という話。
2004年冬号の新人賞をとった白鳥エマが改名。本当ならとっくに新人さんでは無いのだが、4年以上花丸に投稿し続けてようやく努力が実ったそうなので、その根性に敬意を評してここに書いてみる。
そう言えば、掲載号が出た時に、あまりにも読むものが無くて新人さん1人のために花丸を買う気になれず、生き残って作品を読ませて下さいと日記に書いた憶えがあるが、そんなことはまったくの杞憂だった。
それはともかく、これはそれなりに面白かった。これまでこの作家さんの作品は、4・5作読んだが、格好良くステータスのある鬼畜っぽい攻と、健気で一途で愛情をあまり与えられていない可哀想な受という図式ばかりで、そういうのが好きなのかと思ってしまう。
この話も両親に省みられず、攻に半ば面倒見てもらいながら育ち、攻が世界の中心な可哀想で病弱な受の話。この設定は普段はツボなのだが、この作家さんの話は作為が少々鼻について作品世界にのめり込めない。
今回は攻とHするために虚弱な体を強くしようと、受が頑張っていたのに、Hする数日前にイ○ポになり今度はHをしないように頑張るという流れが、笑いのツボをついてくれたので、可哀想な受の気になる部分を相殺してくれた感じ。
作中で受がイ○ポを連呼し、あまりにへぼくて笑いのツボをつかれてしまった。これが本になったら買うかも。
他の雑誌ではあまり見ないようなへぼい(注:誉めてます)テーマやエピソードは、花丸ならではという気がする。
何故これまでこの作家さんは受賞しなかったんだろう。
2004年06月02日(水)
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