眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・挑発する視線:須坂蒼/恋のしくみ:染井吉乃/チェックインで幕は上がる:秀香穂里

ボーイズ小説・挑発する視線(ゲンキノベル)須坂蒼

売り出し中のモデルのマネージャーである受は、新進気鋭のカメラマン・攻に担当モデルの写真を撮って欲しいと頼みに行く。女性関係の激しい攻に男に色気を感じないから撮れないと言われ、攻を誘い寝るが…
モデルとカメラマンの話は多いが、そのマネージャーとカメラマンという設定が珍しかったので買ってみた。微妙というか萎える。
受はモデルのマネージャー。モデルのような綺麗な顔立ち。担当モデルに家族のような情を感じてモデルのためなら手段を選ばない。昔義母と折り合いが悪く家出して売春をしていた経験がある。眼鏡受。攻は新進気鋭のカメラマン。両親共々有名人。順風満帆なデビューと経歴だが、寂しい過去がある。女性にだらしない。顔は良い。色気を感じないと良い写真が撮れない。
何というのか。苦い笑いと乾いた笑いと、へぼい話を読んだ時の笑いが交互に来たような内容。キャラの心情の動きと行動が投げ捨てるほどではないが、たまに首を傾げる事が多く、話にのめることが出来なかった。
取り敢えず自分たちで「こいつは食えない」「一筋縄ではいかない」とか誉め合うなら、言葉に見合う行動をしてくれないと、中学生のお遊戯みたいなエピソードで言われても萎える。受がやたらワルぶっているわりにたいしたことをやっていないので、そこらへんが萎えた部分。もっとヘタレな事をやって突き抜けるか、自画自賛しないでくれたらそれなりに楽しめたかも。話の流れは全体的にへぼい。
キャラも今ひとつ好感が持てない。受は父親が再婚して年の近い義母が出来、義母が迫ってくるのが嫌で家出したのに、生活のために男相手に売春したのってどうなんだろう。
Hシーンは、受が昔とった杵柄みたいに余裕を見せて、攻を頑張って誘うのだがこれもへぼい。ただ廃墟の温室でのHは凝っていた気がする。
誘い受。芸能界物。カメラマン26歳×マネージャー20代後半。



ボーイズ小説・恋のしくみ(パレット文庫)染井吉乃

高二の受の飼い猫が行方不明になり探し歩いていると、雨に降られて通りがかった攻に傘をもらう。同じ時期に猫を虐待したりペットが行方不明になる事件が続いていて…
たまに買う作家さんなので買ってみた。可もなく不可もなくと微妙の間くらい。
受は高校二年生。女の子のような可愛い顔。両親はなく兄と二人暮らし。飼い猫を大切にしている。優しい。夢想家。攻は翻訳家。綺麗な顔立ち。優しいが少し強引。祖父の家に従兄弟の男と住んでいる。財産を狙う親戚が多数いる。目が悪く夜でもサングラスで外出している。
全体的にほのぼのというよりは、ふわふわと受の夢想の中で話が進行している感じ。猫が行方不明になり探す内に攻と出会い、不気味な事件も起こり、虐待などシャレにならないエピソードもあるのだが、それなりに纏まっており文庫の割に凝っていて綺麗にオチまでついている。
猫好きでほんわかほのぼのな受が可愛がられる話が好きな人なら楽しめると思う。
この話の何が微妙だったかと言うと、話が凝っている分エピソードが入りすぎていて、一つ一つが流されており解決をみていないエピソードがいくつもあったのが未消化で勿体なかった。
ついでに、受と攻の弟の名前が一緒だったり、やたら関連づけて、作り込みすぎとも見える。特に意味はなさそう。そして受の恋愛体質(恋をすると周囲が見えないタイプ)っぽいのが苦手かも。いなくなった猫を、それこそ夜も寝られないほど探していたのに、攻と出会ってから急に攻の方に関心が大きく傾いている所とか、ページが短かったためもあるのだろうけど、いきなり関係が盛り上がっているところとか。ついでに健気な受の設定は良いのだが、作為が目について好感を持てなかったとことか。
そこらへんが気になって楽しむにはブレーキがかかってしまった感じ。
翻訳家27歳×高校生16歳。猫。犯罪。ほのぼの。ふわふわ。



ボーイズ小説・チェックインで幕は上がる(キャラ文庫)秀香穂里

フリーライターの受は、有名ホテルの支配人である攻の記事をすっぱ抜こうと秘書として潜入する。攻の下で働く内に魅力と才能にひかれていき…
好きな作家さんなので買ってみた。割と面白かった。
受は大学に行く傍ら19歳からフリーライターの仕事を始める。情報収集が得意。顔は良く勝ち気で度胸がある。頭の回転が速く記憶力も良い。眼鏡受。攻は有名大学を卒業後、ホテルで働き支配人までになった。精悍な風貌に存在感がある。仕事が出来顔も良い。大胆で判断力がある。旧体制にとってはワンマンで急進派に見える。
相変わらず派手に見える設定のわりにきらびやかな文章でないような。地味。好みだけど。
いくつかのエピソードをそれなりにまとめ、それなりの形になっている感じ。前作よりはもう少しオーソドックス・ワンパターンな話に見える。
受キャラの自力で切り開いていく姿は男前で好き。攻よりは好みかも。オチの部分は格好良かったが、反対派の顛末は少ししょぼい。下手にもう一波乱あっても、まとまりが悪くなるからこんなものなのか。
締め慣れていない受のネクタイを、締める手伝いをする攻のエピソードはなかなか萌える。Hシーンそのものより触れ合っているだけのシチュエーションの方が萌える作家さん。
それにしてもこの作家さん、眼鏡と頭痛に萌えている気がする。頭痛萌えというのも変な表現だが、同人と合わせて割とよく出てくるエピソードのような。次も期待。
ホテルもの。ホテル支配人36歳ぐらい?×秘書(フリーライター)29歳。7才差。

2004年05月15日(土)
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