眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・独裁者の恋人:高峰あいす/伯爵家の家令:夢乃咲美/モード・アムール:高塔望生

ボーイズ小説・独裁者の恋人(オビスノベル)高峰あいす

製薬会社で勤める受は、母親の再婚で義弟になったモデルの招待でアパレルのコレクションを見に行く。そこでメーカー社長の攻と出会い酒を飲みに行く仲になるが…
表題のみ。新人作家さんの2冊目。どんなものかと思って読んでみた。駄目だった。
受は製薬会社の社員。真面目で人が良い。地味な性格。顔は良い方。頭も悪くはないが要領は悪そう。攻は高級アパレルの社長。強引で傲慢でワンマン。顔が良く女にもてる。
サラリーマンものをかいたのは初めてだそうだが、乾いた笑いが出てくるような社会人の描写に突っ込むのも疲れた。なんちゃって社会人物。読むのが辛かった。
女優と出来ているとスキャンダルにあった攻が記者の前で「あんな女しらん」(意訳)と罵倒する部分は、仮にも企業のトップが軽はずみで感情的な発言を表だって堂々としてしまい、こいつは本当に社会人なのかと、頭がいいのかと思うと萎えた。全体的にずっとこんな感じ。義弟もだらけていて責任感ないし。上司はヒステリックでいい男に見えない。中途半端な雰囲気が漂っている。
学園ものなら読めるかも知れないが、社会人ものは合わないので、もう買わないと思う。
社会人物。会社社長30代頭×会社員20代半ば? 義弟と上司にも言い寄られている。



ボーイズ小説・伯爵家の家令(ビーボーイノベル)夢乃咲美

昭和初期、兄が亡くなり火の車である伯爵家を継いだ受の元へ、家令にして欲しいと謎の男・攻がやってくる。有能な攻は献身的に働いてくれるが、給金代わりに要求してきたのは、受との接吻だった。金策に走る受は働き口を探していたが…
よく買う作家さんなので買ってみた。可もなく不可もなく。
受は二人兄弟の弟。妻子のある兄が家督を継いでいたが戦死して、受が継ぐことになる。東洋美術に詳しい。本を読むのが好きで引っ込み思案。綺麗な顔立ちで大人しい性格だが芯が通って頑固なところもある。金持ちのぼんぼん。攻はハンサムで長身。頭が良く金のない伯爵家をよく切り盛りしてくれる。献身的で強い。
いつも通りのドメスティックな香りのする作風。どこか抜けているけど、家庭的なので気にならないというか。金策にはしる受が悪いのにつかまって、手込めにされそうになった所で、攻が助ける。してその攻は…というワンパターンな話だが、この作家さん風味のある味付けがしてあるので、それなりに楽しめる。
この作家さんの話はわりと読んでいる方だが、一番好きなのは「お気に召さないまま」。これはこの作家さん比で凝っている方。
黄金パターンで安心して読め、身内に悪い人間がいないので読後感は悪くなく、ほのぼのとした雰囲気なのが気に入っている。
次も設定があったら買ってみるつもり。
昭和初期。貴族もの。家令28歳×伯爵25歳。ほのぼの? 敬語攻。



ボーイズ小説・モード・アムール(ビブロス)高塔望生

倒産して海外企業に買収されたブランドに勤めていた受は、統合の抜擢で先輩社員を押しのけ部門のトップのポストについた。買収した側のトップは昔1度だけ寝た事のある男・攻。ブランドを建て直すよう指示され頑張るが…
表題1本。この作家さんでは2冊目。期待して買ってみた。割と面白かった。かな。
受は老舗ブランドの課長で頑張っていたが、倒産統合で部門のトップに。仕事には一生懸命。真面目で力はある。昔婚約者に裏切られ、攻とゆきずりに寝て慰めてもらう。顔は良い方。割と泣き虫で内にこもるタイプ。攻はフランスの企業で有名な男。会長に気に入られていたが、合併した日本支部の社長になる。仕事に厳しく容赦がない。顔はもちろん良く男前。大人の男っぽい落ち着いた雰囲気。
仕事関係のエピソードは気に入った。最初の方では新しく就任した地位に見合う仕事が出来なくて悩んでいた受が、残り1/3で巻き返していき、最後は攻も驚かせるような一発逆転劇みたいなことをやってのけたのは、読んでいて楽しかった。違約金をこっちから払う理屈は「ほうほう」と思った。
「どうせぼくなんて、えーん」という1人で悩む受が好きなので、1人で攻のことで悩んで悶々とするこの受はなかなか良かった。ただちょっと泣きすぎだとは思ったが。
これを楽しむには、受視点で通してもらわないと楽しめない。受が「ぼくの事をどう思っているんだろう?」とか悩んでいる次のページで、攻が「受、好き好き」とか考えていると興ざめする。最近読んだ本には攻受の視点入れ替えが多すぎて、なかなかこれに浸れないのだが、この作品は楽しめた。
ただ、受視点のみだったので、攻が受を好きになった理由がよく分からない。これも知りたいと思うのは贅沢なのか。
あとは最後の方で、つらいから攻から離れるーとか受が追い詰められている部分で、あっさりと攻が受のことが好きだしーと言って、思い詰めていた部分が肩すかしを食らったような気分になった。この部分、変な言い方だが、攻が脳天気に見える。
仕事の部分とかちゃんと書かれているしハイソな雰囲気のする話なのだが、そこはかとなくドメスティックな香りがする。
面白いとは思ったが、この部分を書いてくればなーという部分が、毎回出てくる作家さんのような気がする。次も期待して買うつもり。
リーマンもの。服飾関係。社長30代頭?×部門トップ20代後半。

2004年04月26日(月)
最新 目次 MAIL HOME