眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬
日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。
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ボーイズ小説・東方美人:かわい有美子/金の鎖が支配する:桜木知沙子/ロッカーナンバー69:剛しいら
ボーイズ小説・東方美人(ショコラノベル)かわい有美子
KGBの諜報員となった攻は、西ドイツのベルリンに行き先輩スパイである受にノウハウを教わることになる。付き合う内に受に引かれていき…
大概買っている作家さんなので買ってみた。とても面白かった。
受はイギリスの貴族を父親に日本人を母親に持つ。10歳まで日本で育ち16歳までイギリス、それから父親に連れられてソ連に亡命し諜報員になった。西洋と東洋が入り交じったような顔立ち。美しく神経質。物静か。芸術や音楽にこだわりがある。攻は元海軍からKGBに誘われて諜報員になる。身体能力は高く性格も穏やかで辛抱強い。真面目でハンサム。
攻受ともとても好みで上等な雰囲気のするキャラ。特に攻は好き。脇キャラも海千山千な感じで味がある。作家さんが書きたくて書いたんだというのも伝わってくる。
ソ連スパイという馴染みのない書きにくい題材を、丁寧に説明して書かれた良い作品だと思う。説明文が苦手な人間はヨーロッパの歴史と背景の解説に辟易するかもしれないが、資料を効率よく取り出し再編している感じで無駄が少なく見える。ソ連関係の本をよく読んだんだろうなと思えるような、厚みのあるエピソードに読んでいて安心出来る。
ソ連の計画経済における本の出版のエピソードから、二人が出会っての画集の会話に繋ぐところとか、読んでいてほうほうと感心してしまった。
良い作品だとは思うが、スパイという設定だけあってカプは殆どラブラブしていなくて、話の方がメインになっている。この話のカプは追い詰められた状態で、ほのかに相手を思う状況を楽しむものだと思う。
この作家さんは受に肩入れするタイプに見える。どの作品の受もどこか匂いが似ている。
それにしても、ソ連スパイ物という取っ付きにくそうな設定がよくOK出たなとこの本が出ただけでもびっくりした。最近この手の設定はあまり見ないような。心の底から続きが読みたい。
最後の受が攻を誑かす下りは非常にツボで、心で拳を握りしめ、行け行けーと応援してしまった。
ソビエトスパイ物。シリアス。イデオロギー。ロシア人新米スパイ29歳×イギリス人と日本人のハーフスパイ30代頭?
ボーイズ小説・金の鎖が支配する(キャラ文庫)桜木知沙子
専門学校の教師をしている受は、バーで親友である男に片思いしていると、生徒である攻に知られてしまう。脅されて攻の部屋に呼ばれ、無理矢理Hされ一緒に暮らすことになったが…
大抵買っている作家さんなので買ってみた。悪くない。
受は理系の専門学校の教師。ゲイである事を隠し親友に片思いしている。眼鏡をかけている。真面目で穏やかな性格。臆病だと思っている。攻は美容関係の店を持つ母親と母子家庭。東京を離れ札幌で一人暮らしをしている。顔が良く場の中心的存在。授業には不真面目で世間を斜めに見ている。髪を金に染め外見はとても良い。
ゲイであることに後ろめたさを持っている受と、親に虐待されたと思い世をすねた攻の話。攻は親と仲直りしかけるまで書かれている。
登場の仕方のわりにひねくれ方は可愛いので、受の説得で前向きになっている。ただ期待してたふうに進んでくれなかったので、感想は「割と面白い」から「悪くない」に下がった。
この作家さんの書く人の良さそうな作風は今回も出ていると思う。
反省して真面目になった攻と受の話も読んでみたいが、攻の父親は酒におぼれて暴力をふるう男だったが、攻にもその血は色濃く受け継がれているようだ。DV男にならないことを望む。でないと受が可哀想。
本文には萌えなかったが、後書きのピンクには萌えた。可愛過ぎ。
生徒20歳前後×教師20代後半。専門学校。無理矢理H。丁寧語攻。眼鏡受。
ボーイズ小説・ロッカーナンバー69(シャイノベル)剛しいら
放課後、姿を変えて気に入らない大人をはめてお金を取る遊びをしている高校生の受は、母親の何度めかの再婚相手である義父を誘って次の日、義父の弟である攻の家に住むはめになる。嫌がる受を無理矢理Hして家に連れ帰った攻は…
大概買っている作家さんだから買ってみた。可もなく不可もなく。
受は愛人を何人も持つ母親に育てられた。外見は格好良く頭も良い。放課後真面目な格好からあか抜けた格好に変装し痴漢や援交などする大人をはめて金をせびっている。同情されるのが嫌い。ラッパーでヒッキーの青年に片思いしている。攻は弁護士資格のある法律コンサルタント。ワイルドでやくざな外見だがスーツを着るとエリートに見える。児童関係の相談に熱心。
悪くはないのだが全体的に青臭く苦い。この作家さんもそれなりの年だと思うのだが、ある程度年をとってしまった作家さんの書く青春物は、たまに青くて古くて恥ずかしくなる時がある。これも読んでいて時折微妙な気持ちになってしまい、のめり込むことが出来なかった。
恋愛物よりは受が若さから卒業する過程みたいなものがメインになっていたような。それも悪くないのだが、もうちょっと攻の背景を書いてくれた方が良かった。設定が多かったわりに未消化な部分もあった気がする。
ついでに悪かった方の一人がまだのうのうとしているのが何とも。別に積極的に受に復讐してほしいとは思わないが、後味は少し悪かった。
ていうか最後はちょっと尻切れていたのだが、まさか続かないよね?
一応青春・家族物? 知能犯な高校生物。法律コンサルタント30代頭?×高校生17歳?
2004年04月19日(月)
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