眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・恋するランブルフィッシュ:高月まつり/きっとそれも恋のせい:火崎勇/バスルームでキスをして:鬼塚ツヤコ

ボーイズ小説・恋するランブルフィッシュ(アイスノベル)高月まつり

実家の都合で2年の途中から入寮した主人公は、同室になった男と速攻喧嘩してしまう。同室になった男は中学の時に友達になったが急に主人公の前から消えた男だったが…
受攻で表記しないと書きにくいが、表題と脇カプの続編(書き下ろし)。割と面白かった。個人的に初めてこの作家さんを面白いと思えた記念の作品。
主人公は顔が良く女にも愛想が良い。両親の不仲で寮に入ることになった。お祭り好きで色々企画を立てて音頭をとるのが好き。頭は良く成績も良い。剣道をしていた。同室の男は真面目で規則正しい。剣道をしていたが怪我で止めてしまう。顔もきりっとして整っているが可愛い面もある。努力型。
ギャグテイストの学園物。最初の印象で受と攻が逆だったので、あらすじも分からないように書いてみたが、分かりにくかったらごめん。
攻と受が同じ体格で最後まで分からないのが良い。変な緊張感がある。というかこの作家さん、さきに好きになった方が攻になるような。
がたいの良いカプというのはこの作家さんの特徴なのか。続編の脇カプは最初の1歩を踏み出した所で終わっているので続きが読んでみたい気もした。35歳受。いいなー。
高二の同級生カプ。脇カプは18歳高校3年×35歳寮監。学園寮物。ギャグテイスト。

個人的な話だが、これはこの作家さんを面白いと思えた初めての作品なので思い出深い。それまでも雑誌では読んでいたのだが、どこが良いのか分からず一読で読み流していた。それまで興味の無い作家さんが、ある日突然良さが分かって、ずっと読むようになる事はたまにある。壁に穴があいて中身があふれ出すような感覚に似ている。
この作品が思い出深いのはもう一つ。海外旅行に行った時に読み捨て本をいくつか持っていくのだが、ボーイズは読み捨て出来るようにあまり興味の無い作家さんの雑誌掲載の部分を切り取って持っていく事が多い。
この作品も雑誌に載っていた号を持っていき、東欧で列車に乗った時に読んだ。その日はチェコから乗り朝から夜まで列車で移動する日で、買い込んだサンドイッチを片手に、他に乗客の居ないコンパートメントで小説やエッセイ、ボーイズと延々読み続けていた。その中にこの作品があり、読後「面白かったー。この作家さんを初めて面白いと思えたー。わーい」とかとか、うきうきしていたのだが、時刻は夕方で、とある駅に停車しその時何気なく窓から駅名を見た。
オシフィエンチウムと書かれていた。場所は映画や物語で昔から知っていたが生で見るのは初めてで、人影の無い寂しいプラットホームに「ここがそうなのか」と、背筋に水をかけられたような気分になり、高揚した気持ちと厳粛な気持ちが一気に混ぜ合わさったそんな複雑な気分を体験した。
この作品を見るたびに、夕暮れの赤く染まった構内とこの駅名が記憶をよぎる。作家さんにとってはあまり嬉しい事ではないのだろうが、おかげでより思い出深い作品になったかも。



ボーイズ小説・きっとそれも恋のせい(ルビー文庫)火崎勇

先輩の攻にひかれる新入社員の受。ある日友人の男が恋人にふられて慰めていたところ、相手が攻だと知り…
デフォ買い作家さんなので買ってみた。つまらなかった。
受は真面目で仕事に前向き顔と頭は良い。一途でこの作家さんの書く受のほぼデフォタイプ。攻は顔が良く仕事が出来るが、もてて付き合う相手には困らない。恋人に対する誠意も薄い。悪い男。
基本的に好きな作風の作家さんなので、最近の乱発による出涸らしのような内容でもそれなりに楽しめない事はないのだが、これは攻も受も好きになれずに久しぶりに読んでいてつらい作品だった。
作家さんはひどい男が書きたかったらしい。それでも魅力があればかまわないが、攻の良さが今ひとつ分からなかった。
攻に手ひどくふられた受の友達が、受に攻ともう一度逢いたいとお願いし、受が騙して逢わせるのだが、その後自業自得なのに攻が逆ギレしてるっぽいのが何とも。それに絡んでの受の心の動きも首を傾げた。有為曲折あってくっついた後も受の友達の事が気になって素直におめでとうと言えない。
テンプレ小説の方が後味の悪い話よりマシだと思った。
社会人物。先輩社員20代後半?×新人24歳。元恋人が友達。



ボーイズ小説・バスルームでキスをして(プラチナ文庫)鬼塚ツヤコ

母子家庭で母親を亡くした大学生の受は、母親の葬儀の夜、母親の遠縁である攻と出会う。攻の勧めで攻のマンションで同居することになったが、攻には性格のまったく違う双子の兄弟がいて…
大概買っている作家さんなので買ってみた。可もなく不可もなくだが前作の「狂おしく」よりはこちらが好み。
受は小さい頃に父親を亡くし以降は母子家庭でずっと暮らしていた。大学に入って半年で亡くなり天涯孤独になるが、遺産はちゃんと保険に入ってくれたおかげで2億ほどある。可愛い系の顔で質素な生活を好む。攻の兄弟はモデルのような外見で、一人は外務省、もう一人は自宅でSEをやっている。二人とも顔も頭も悪くない。二人の母親は二号さんになって勘当された
表紙を見て3ぴーかな? わーい。と期待したが微妙に違った。基本はどっちか選んでもう一人は触る程度。
以下思い切りネタばれにつき注意。

攻二人がどちらがどちらか分からず受が混乱するのだが、その流れに無理があるような気がした。受が間違っていたら普通に違うといえば良いのに、特に理由もなく否定しないので段々話がこじれてきて、最後の最後であれは全部俺だったと攻が言う。それなら最初から誤解していると言えよと思ってしまった。
ついでに攻達の受の同居を勧めた目的が遺産だと誤解して出ていこうとするのを、無理矢理Hに持ち込む下りも心の動きが納得いかなかった。
も一つついでに、受の遺産を狙った(?)のは受と攻の親の実家が売りに出されて買い戻すためなのだが、攻達がその実家に執着した理由がよく分からなかった。
他の人は今の方が読みやすいのだろうけれど、最近文章がこなれてきたのが寂しい。
社会人28歳×大学生19歳。母子家庭。遺産。一応3P。

2004年04月13日(火)
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