眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・不埒な恋のかけひき:早水しほり/ゴッドファーザーにNOは言えない:夏木ひまわり/誘惑の緊急出動!:ななおあきら

ボーイズ小説・不埒な恋のかけひき(リーフノベル)早水しほり

永遠の愛を信じない受が幼なじみの攻に告白され、4年の期限を決めてつきあうことになった。その4年目から数日を残し攻が女性と歩いているのを目撃し、別れようと決意するが…
デビュー作。あらすじが何となく気になって買ってみた。あかん。
受は優等生で顔は良い。昔母親に去られてずっと人間不信。実家は病院で攻の遅く産まれた妹と婚約中。攻は格好いい外見でさわやか。ずっと受に片思いしていた。
受が昔母親に捨てられたという事を、ことある事に匂わせるのは可哀想な受という効果が薄くなり萎えた。
結構ほのぼのとした雰囲気だったのに、攻がHする時のトークが露骨だったのでその部分だけ浮いて見えた。
以下は思い切りネタばれなので注意。

途中までは、受の過去を引っ張りすぎてエピソードがあまり無いけど、オーソドックスに攻が受の母親を見つけてきて仲直りするんだろうなと思っていた。確かに受を捨てた母親が出てきたのだが、「結婚したのは父親の実家が母親の家の財産ねらったから。でも愛されなかったから、子供(受)を産んだ後は好きになってくれた男と駆け落ちした。あんた私が好きだったの? 言ってくれないと分からないわよ。今考えると悪いことしたわね」(意訳)という流れで過去話が進み、本を投げそうになった。受の立場は? 受もそれを聞いてこんな母親のことで悩むんじゃなかったなーと吹っ切れているし。あんなにことある事に思いだしては夜も眠れなかったのに。それで本当に良いのだろうか。何かこうもうちょっと…。
何も母親が大反省して泣き崩れてくれないとイヤとか言いたいわけではないが、読んでいて普通にイヤな気分になるのは勘弁して欲しい。攻との関係よりもこっちの方で気分が台無しになった。攻もあまりフォローしていないし。
ついでに下ネタを降り続ける脇役は下世話だと思う。
雰囲気とかは好き系だと思うのだが、いかんせん中身が…。
大学生21歳×医大生22歳。幼なじみ。大学生物。家族ネタ。



ボーイズ小説・ゴッドファーザーにNOは言えない(ショコラノベル)夏木ひまわり

姉の結婚式でアメリカに来た受は、その披露宴で新郎側の親戚の中にマフィアのボスである攻と出会う。結婚式後、子供の頃に住んでいたNYに寄った受の元に攻からバラの花束が届き…
雑誌では数回読んだことがあるが、単行本を買ったのは初めての作家さん。悪くない。と言いたいのだが。
受は新米の精神科医。童顔で帰国子女。アメリカで働いていた姉が一人。新郎がイタリア系でマフィアの血筋と縁戚になる。人付き合いが苦手。攻はファミリーの末弟だったが、上の兄二人と父親が殺され跡を継いだ。優秀。合法的な仕事にシフトさせているが冷酷に人を殺せる。父親が目の前で殺されたトラウマから潔癖性となり精神科医に通っていた。他人と握手出来ない。黒髪黒目。
楽しめなかった訳ではないのだが、全体的になんつーかへぼい。設定や展開は悪くないのだが、文体がなー。いやこのドメスティックさ、へぼさはこの作家さんの持ち味だと思うので、それ自体が悪いわけではないと思うのだが、この設定ではもう少しそれを抑えてくれた方が個人的には好みだった。
最初の披露宴のところとか好きなのだが、ことある事に出てくる映画「○○」に出てきたこの場所はとかいう解説は、1つ2つだけならいいポイントになるのだろうが、数ページごとに出てくるとうざくなる。観光案内じゃないだろう。
攻の抗争関係になると展開がぐたぐだになるというか。もうちょっとそれらしく書いて欲しい。中国マフィアとイタリアマフィアの抗争がものすごくチープに見える。
ことある事に調べて書きましたみたいな感じの蘊蓄が出てくるのだが、専門書を読んでまとめた大学のレポートのような感じではなく、お茶の間でテレビを見ながら語られるようなドメスティックさ。これも作風なのか?
設定によってはまた買ってみるかもしれないが、あまり大がかりな設定は避けると思う。
イタリア系アメリカ人ファミリーのボス30代前半×新米精神科医20代後半。外国人×日本人物。一応マフィア抗争物?



ボーイズ小説・誘惑の緊急出動!(ラピスノベル)ななおあきら

通信会社の設備部に入社した受は指導してもらう先輩の攻が苦手。攻は温厚な性格だが、顔中を髭で覆いそれが昔のトラウマを思いださせていたのだ。ある時酒の席で苦手であることを面と向かって話してしまい…
4章立てになっている。読んでいる作家さんだし、あらすじを読んで買ってみた。それなりに面白かった。かな。
受は新入社員で仕事に対しては真面目だが攻が苦手。子供の頃熊に襲われ死にそうになってからそれがトラウマになっている。顔は良く勉強も頑張っていた。割と前向き。身長は170センチ強。攻は誰にも優しく温厚。滅多なことでは怒らない。周りにも目を配っている。昔彼女にふられずっと髭を伸ばしていた。素顔は美形でハンサム。趣味もさらっとして良い。身長は190センチ過ぎ。
1章目で出会って、2章目で気持ちに気付いて、3章目でHまでいって、4章目は出来て2年後の話。あまり凝った作りではなく初めは攻が苦手だった受が、攻の良さに気付き、攻も受が気になってくっつくというパターン。
最初の方で受の言動に引っかかっていたのでのめり込みにくかったが、二人がくっついた後は普通に楽しめた。最後は受が攻を助けて男前。
通信会社ということで山の中にある基地へいって修繕するといった特殊業種が書かれている。仕事の話は全面に出てこずにポイントポイントで出てくる感じ。
最初のめりにくかったのは受の言動が引っかかったのもあるが、受のトラウマがあまり一般的でなかったからというか。熊に襲われて熊っぽいのが苦手になったと言われても、何となく遠い世界で親近感を持ちにくかった。
このトラウマ話を読んでいて昔幼稚園のころに母親から聞いた話を思いだした。ある少年が小学校か中学校で遠足に行き、まむしに噛まれて血清で助かったそうだが、次に噛まれたら血清が効かないので、その後それを悲観して(?)不良になったそうだ。その時代はまだ家の庭でたまーにまむしを見かけたので、絶対噛まれない訳では無かったのだろうが、子供心にその悲観の仕方がどこかピントがずれていないか? と不思議に思ったものだった。
受のトラウマも山中をうろうろするので、まったく熊に出くわさないわけではないのだろうが日常から遠いというか。まあ慣れたからいいんだけど。
主任29歳×新入社員22歳。7歳差。一応特殊業種もの?

2004年04月12日(月)
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