眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・いつかじゃない明日のために:高岡ミズミ/てのひらの秘密:うえだ真由/ウカツなハリネズミ:松幸かほ

ボーイズ小説・いつかじゃない明日のために(ラキアノベル)高岡ミズミ

母子家庭に2年だけ転がり込んできた攻は、10年前受の前から姿を消した。二十歳になりフリーターとして働く受の前に再び現れ、そのまま同居するようになったが…
表題と続編。何となく買ってみた。割と面白かった。
受は2年前に水商売をやっていた母親を亡くし天涯孤独。コンビニのバイトをして古い家に住んでいる。顔はちょっと良い程度。ずっと攻の事が忘れられない。攻は風景の写真家。海外にも長く居た。体力があり精かん。父親にこだわりを持ち、根無し草な人生を送っていた。受が好きで守りたいと思っている。
この作家さんの受の恋愛している心情描写が、どうしても二十歳代のOLのようだと前に書いたが、今回もそれを思いだしてしまった。ここまでくればいっそ清々しい。そして出来上がった後は割とバカップルなのだが、今回もその要素があった。
表題の攻が去った理由は多少首を傾げないでも無かったが、結構ハードな過去だった。攻が受を大切にしているのはよく伝わってくる。
攻が受の写真を撮っては、それをながめているエピソードは好き。
表題が受メインの過去話なら、続編は蜜月中、攻が過去と向き合うのがメインなのだが、あまり攻の過去は出てこず、ずっと受が攻がいなくなったらどうしよーと悩んでいる話だった。個人的には攻の口から家族の話、父親に対してどう思っていたか、どういう心境の変化で払拭できたかなど語って欲しかった。そこらへんはみんなあっさりと流されているだけ。
脇も悪い人間はいずに後味も悪くない。そこそこ楽しめた。
次も設定によっては買ってみるつもり。
写真家30歳×フリーター20歳。10才差カプ。2年間同じ家に暮らし10年間離れている。再会元鞘。しみじみ。



ボーイズ小説・てのひらの秘密(アイスノベル)うえだ真由

高校生の攻は幼なじみの受好きな女の子がいると相談され、受が好きであることに気付く。家の事情で転校することになり、思い詰めて受を押し倒してしまうが…
表題と続編。表題は雑誌掲載。だいたい買っている作家さんなので買ってみた。悪くない。
受は愛想が良く人好きする性格。田舎に馴染めない攻の良き理解者で優しく接していた。真っ直ぐな性格。東京の大学を出てからは田舎に戻り役所に勤める。攻は父親が仕事に失敗して田舎に転居してきた。5年前から行方不明。勉強は出来る方。愛想は良くない。顔は良い方。卒業後は専門学校に行き看護士になる。
雑誌掲載の時に重いーと思った記憶があったが、読み返して思いだした。無理にやってごめんなーと謝ったところで終わっていたから。
続編は社会人になり再会して付き合う? ってところで終わっている。事件らしい事件はなく、攻が延々と悩んでいるというか悶々としているのが目立つ。
最後、攻が怖がって受に会わずに帰ろうとしたシーンは、ご都合主義かもしれないが好きだ。
この作家さんらしいセンシティブな部分が良く出ているとは思うが、もうちょっと受の心情や、付き合う? の後も見てみたかった。
同級生カプ。高校で別れ8年後25歳で再会。幼なじみ。しみじみ。攻視点。



ボーイズ小説・ウカツなハリネズミ(ショコラノベル)松幸かほ

商事に勤める受は会長の外孫で有能な上司である攻にアプローチされている。強く出られないまま社員旅行の最中美味しく食べられて…
ショコラの新人バトルに出ていた作品とその続編。雑誌掲載の時から気になっていたので買ってみた。割と面白かった。
受は15歳までフランスで生活していた帰国子女。離婚後母親に連れられ日本に戻る。フランス語が堪能なのを買われて就職した。顔は良い方。他人をよく見ていて思いやれる性格。宴会部長のあだ名があり盛り上げるのも得意。友達思いで人が良い。攻は商社の会長の外孫。現在は部長でばりばりと働く。顔が良く有能。普段は穏やかだが独占欲も強い。
どこまで手が入ったのかは知らないが、バトルの時より読みやすい気がした。これは私がこの作家さんの文章に慣れたためかもしれない。今号の雑誌と前の単行本とこれの中ではこの作品が一番好み。
ものすごく目をひく設定だとか内容ではない。ほのぼのとした雰囲気で読後感が悪くなくキャラにも好感が持てる。というのがここ数年の好みなので、その好みにはぴったりと一致した。攻は割とテンプレっぽいのだが、受はお人好しでもしっかりしている感じで好み。表題でも悩んでいたわりに1度寝たらあっさりと恋人になっている。切り替えが早い。
表題と続編の作りが部分的に似ていたのでそれは少し気になった。
作家さんの特徴なのか、キャラの性格が割と素直でひねていない。ひねている設定でも素直にひねているというか。うまく言えない。なので平凡な立場や設定の場合はほのぼのと読めるのだが、どこかのホテル王だったりお貴族様だったりした場合、性格の厚みが無い気がして物足りない。
次も設定によっては買うつもり。
リーマン物。部長32歳×平社員20代半ば。ほのぼの。

2004年04月03日(土)
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