眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬
日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。
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ボーイズ小説・Beast Love:金田えびな/暴君に甘い口づけを:今泉潤/霜雪のかなたに:たけうちりうと
ボーイズ小説・Beast Love(アイノベル)金田えびな
外資系ホテルで勤める受は仕事に疲れ、帰りにふらふらしていたところ8年ぶりに再会した親友・攻に拾われる。会社に行こうと焦る受の鞄を隠して強引に沖縄に連れて行くが…
何となく買ってみた。初読み。なんつーか微妙。一見まとも、というか好みな設定と話に見えるのだが、つっこみどころが多すぎ。
受はエリートで真面目で仕事熱心だが、上司に恵まれず精神も沈みがち。ぎりぎりまで来ていたところ攻と再会する。天然ぼけで美人顔。大学時代はほのかに攻が気になっていた。攻はワイルド系強引で大学時代から我が道を突き進んできた。実家は民宿で親が亡くなり引き継ぐことになる。受が好きで一度は身を隠したが。とかいう経緯。
大きく分けて、受が行き詰まって攻と再会し、沖縄の攻が経営している民宿に連れて行かれ仕事のやり甲斐を再確認する前半と、受が意地悪上司に命令され取引相手に体を差し出す羽目になるが、何故か陶芸家をやっている攻がやってきて助けるという後半。あ、あらすじを書いてしまった。
攻は卒業時に受を強○しそうなぐらい煮詰まって傷つけたくないから受の側から消えたはずなのに、8年後、再会したその日に風邪と仕事疲れで肉体的にも精神的にもえらいことになっている受のパンツを下ろして抜いたのには、8年の間にどんな心境の変化があったのか。
ついでに何故卒業とともに姿を消したのかと受に尋ねられ、いや好きだったから。の一言であっさり付き合うようになった受の心境の変化がよく分からない。捨て鉢だったのか。
そして後半ピンチの受を助けに来るのはいいが、いきなり陶芸家(と言うか陶器のデザイナー)になって出てくるのは、まるで崖に追いつめられた人間の前に天から梯子が降りてきて助かるような唐突さ。
ご都合主義満載なボーイズ世界だが、それでももう少し都合良いところを取り繕って隠して欲しい。パーツパーツは悪くないが、繋げて読むと首を傾げる部分が多くなる。
作家さんの文章の呼吸が合わないから突っ込みたくなるのか、本当にぼろが多い内容なのか。確かめるためにもう1冊ぐらい買いそう。
30才同級生カプ。陶芸家・民宿経営ワイルド攻×ホテルエリート受。大学時代の親友で8年後再会。
ボーイズ小説・暴君に甘い口づけを(アクアノベル)今泉潤
駆け出し役者の受はバイトをしながら食いつないでいる。ピザ屋の配達の途中ロールスロイスにぶつかってしまい、その車から出てきた3人の男に強引に家に連れてこられる。バイト先を首になり車の修理代を捻出するために攻の家に住み込みで働く羽目になるが…
アホっぽいノリが読んでみたくて何となく買ってみた。可もなく不可もなく。パーツは面白いと思える部分もあるのだが、エピソードがたまに切れておりうまく繋がっていない感じ。
受は駆け出しの役者。非常にお人好しで前向きな性格。コーヒーを入れるのが得意。攻は良いとこの息子で、後妻と折り合いが悪く一人暮らしをしている。ジュエリーデザイナーでありファッション系の会社を経営している。強引で口も悪い。料理は得意。感情を表すのが下手。
同窓の悪友3人が一週間で誰が受を落とすか賭けて云々という流れ。騙されたと分かった後も割と前向きに物事を考える受に好感が持てる。攻の元にもどって詰め寄るところも良い。受キャラは気に入ったが、話は単純でひねりがなかった。ついでに言うと悪友の残り二人がくっつくのが間に合わせのように見える。
「(受の名前)は前向きですね」「後ろ向きの奴はお人好しにはならんだろう」という台詞は妙に感心した。確かに。
初Hで受が初物だったのに、夕方前からやりだして次の日の昼前までやっているのはすごい体力。
ジュエリーデザイナー26,27才?×駆け出し役者24才。賭け。
ボーイズ小説・霜雪のかなたに(クロスノベル)たけうちりうと
観光道路をつくるためイヌワシを観測している受の元へ行き本当に居るのか見てこいと命令されてやってきた攻は、受と出会い、会社から騙されている事をしり残ることにするが…
たいがい買っている作家さんなので買ってみた。面白かった。流石。
受は寒村の豪農の出、赤ん坊の頃兄に拾われ兄に片思いしていた。兄の精神が病み体の関係にあったが正気が戻り以降兄が失踪する。それから8年兄の残したイヌワシの記録を続ける。日本人離れした白い肌と薄い髪の色。真面目で騙されやすい。往年の海外の女優のような美しさを持つ。攻はあっけらかんとして明るい性格。部長と不倫をしていた同僚の女性とセフレだった。ノリは軽いが確固たる自分というものを持つ。男前で人当たりがよい。
攻が自分の小ささを悟るところがツボ。自然と自分を知り内省することのできる人間は器が大きい気がする。受の台詞も可愛い。この作家さんはこういう台詞を書くのが上手いと思う。攻が受の事を好きだと自覚するシーンも好き。
無くなっていく田舎の村、イヌワシの姿が淡々と書かれている。反対運動を盛り上げて観光道路を作ろうとする建築会社をやっつけるとかではなく、消えていくものを惜しみながら最後まで見届けるという姿勢なのが珍しいと思った。消えていくのが止められない悲しさや悔しさみたいなものが、くさくなく書かれている。攻が田舎の良さに気づく時も、「自然に帰れ」とか堅いことをぶち上げず、良い意味で力が抜けたまま馴染もうとしている。
脇キャラもテンプレではなく血肉が通っていい味を出している。敵方(?)のキャラにも一方的な悪役感は無い。話もひねりがあるし、良く出来ていると思う。
唯一村の住民が攻と受の関係に理解が有りすぎるのがひっかかったが、これも行く先がすでに墓場であるのを悟ってしまった老人ゆえの寛容かもしれないと思うと気にならなくなった。
Hシーンはこの作家さんにしては濃い方。
またこんな話を書いて欲しい。
建設会社の社員24才×田舎住まいの観察者32才。シリアス? 疑似近親○姦。静かで淡々としている。田舎暮らし。
2004年02月25日(水)
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