眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・記憶の迷路で逢いたい:須藤直希/夜毎の鎖:暁由宇/君は知らない:暁由宇

ボーイズ小説・記憶の迷路で逢いたい(花丸ノベル)須藤直希

受は探偵事務所で働いている。父親を小さい頃に亡くし、母親はやくざのひもに絞られていたが、ある時組の金とともにやくざは消える。それから数年後母親が亡くなり、やくざの行方を探そうと決意するが…
デビュー作の医者物は何となく買わなかったので、これを試しに初めて買ってみた。が、やばいことに面白かった。既刊も買う。花丸デビュー作家っていくつかジャンル分けできるような気がするが、この作家さんは、私の好きなジャンルだ。
受は母親についていたやくざのひもに虐待され、やくざが消えた後は高校を中退しその兄貴分に搾り取られていたが、やくざの親分に助けられ探偵事務所で働くことになる。人を緊張させない雰囲気に優男風。観察眼は優れている。立ち回りが上手くしっかりしている。不幸な生い立ちのわりに真面目。攻は不動産会社のご令息。強烈な偏頭痛の持ち主でまともに学校に通えず、大きな日本家屋の屋敷で使用人一人と暮らしている。坊ちゃんの割に口が悪い。普段は子供っぽいがやくざち渡り合えるだけの度胸もある。顔は良い。持ち物に触れると、それを触った人間の感情を読みとる能力がある。
虚弱体質でよく寝込む。口が悪くて子供のような性格の受より弱いよわよわ攻だが、ツボだった。しっかり者の受とヘタレよわよわ攻。好みカプだ。
典型的な格好いい男というのは、案外書きやすいが、欠点だらけの性格で魅力を感じる人物を書くのは難しいと思う。この攻は好きだ。
受はひもにやられながら育つのだが、暗い部分も軽い文章で盛り上げている。超能力という胡散臭い設定もあるが、あまり浮いていない。脇キャラの探偵事務所の面々や、受を世話する親分など性格が立っていて魅力がある。
とても良かった。既刊も新刊も買ってみたいが、新刊はまた医者物か。巻数の割にジャンルが少ないが気になる。ビボーイも医者物だったし。
20才御曹司大学生×24才探偵事務所員。シリアス? やくざ絡み。幼児性的虐待あり。サイコメトラー。プチ超能力。



ボーイズ小説・夜毎の鎖(アイノベル)暁由宇

多額の借金を抱えた青年はある屋敷の雑用として雇われる。そこで雇用主の攻と秘書をしている受の夜の相手を勤めるようになるが…
何というのか。何がしたかったかは何となく分かるけど、失敗している気がする。
3人がメインで出てくるのだが、三角関係でカプになったのが社長とその秘書。青年は負け組。
同じところをぐるぐるしている印象。話が進んでいるのか進んでいないのか。秘書がどちらかを選ぼうとし、社長を選んで終わりになるのだが、その選んだ理由とかを終わった後で、社長の口から「こういうわけだから」とさらっと語られていた。それをじっくり書かなくて何を書くのか。気づくと重要なエピソードは又聞きばかり。
社長にも秘書にも暗い過去があり、秘書の方は何となく出てきたけれど、社長の方が「いつか話してくれるだろう」で終わっていた。それはいつやねん。今この作品の中で話せや。こらっ。といいたい。カプの一人なのにさー。
何か書くべきところと端折るところが通常のボーイズと違って、キャラが語ってくれないので、近所のうわさ話を又聞きしているような疎外感があり、親近感がもてなかった。
後記であらすじを説明すると編集も戸惑って〜。とかなんとか書かれていたが、そりゃ戸惑いもするだろう。一番初めに出てきた青年がただの当て馬になっているんだから。
社長30代?×秘書20代後半?+青年20代半ば? 一応3P。



ボーイズ小説・君は知らない(ジーンノベル)暁由宇

不登校になった経験のある受は、今でも出不精気味で家で翻訳の仕事をしている。学生の頃からアマチュアのロックミュージシャンと付き合っていたが、惰性になっている。そんな時小学校時代のクラス会に参加しそこで幼なじみであった男・攻と再会しはずみで寝てしまうが…
普通。前に連続して読んでいた時まとめて買った残り。正直、主人公の受が何をもたもたしているのか分からなかった。
受はそこそこの中堅会社の社長の息子だが、昔から繊細で神経質なため引きこもりがち。顔は悪くないはず。少し斜眼でコンプレックスがある。攻は同級生で現在実家の魚屋が経営している飲み屋で働く。クラスの中心になって面倒を見るタイプで周りから好かれている。真面目で直情っぽい? 
6月ぐらいにだかだか読んでいた本と違って、この作品の受は割とうじうじしっぱなし。3角関係も珍しいかな。元彼がえらく都合がいいというかいい人というか。各々が勝手に一人で結論つけているのが多い。
受が鬱屈しているのと攻を好きになって云々、前彼と別れるきっかけになって云々のつながりがよく分からなかった。雰囲気で流して細かいところを誤魔化している感じ。
前からこの作家さんの本は集中力が続きにくいと思っていたのだが、何となく分かった。つまるつまらんの前に、文章のテンポが単調に思える。小説はエピソード→キャラの心境を繰り返して話が進んでいくが、そのときの長さがずっと同じ。よく言えば淡々としている。悪く言えばスピード感が無い。特にHシーン。感情とかがマックスに高まっているはずなのに、割と普通にキャラが心情を語ったりしているので間延びして見え萌え上がりにくい。
話のトーンに強弱が少ないので、少しでも飽きると集中力が続かない。ような感じ? やっと読みにくかった謎が個人的にとけた。
魚屋跡取り×翻訳家23才同級生カプ。3角関係。バンドマンの元彼。

2004年02月23日(月)
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