眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・甘やかされるキス:火崎勇/司祭たちの誓い:ふゆの仁子/司祭たちの夜:ふゆの仁子

ボーイズ小説・甘やかされるキス(ショコラノベル)火崎勇

長期休暇で別荘に出かけた受の元へ嵐の夜一人の男・攻が飛び込んでくる。それからしばらく一緒に別荘で過ごした後、キスをして正体を隠したまま消える。休暇明けに参加したコンペにライバル会社のデザイナーとして攻と再会したが…
悪くない。いつも通りのこの作家さんのノリ。しかけは読み始めてすぐ分かるぐらいのお約束。
受は良家の子息で顔も綺麗。何不自由なく育ったお坊ちゃんの性格。オーソドックスで上品なデザインを好む。一人で生活できるぐらいは身の回りのことが出来る。攻は粗野でワイルド系。アメリカ産の変わったデザインをする。策略家な面もある。作家曰く、アフガンハウンドとシェパードのカプらしい。そんな感じ。
全体的に悪くないしキャラも好みなのだが、話は在り来たりだしエピソードも目新しくないのでぬるく感じる。この作家お得意の青年の主張は少ない目。
この作家の攻キャラは強気で語尾が「〜だぜ」とかいうタイプが多いが、今回その攻が受を冗談で「姫」というのはちょっと心に冷風がふいた。恥ずかしい。
受にコンペを受けないようしきりに薦めていたが、あっさり理由を言っても良かったのではないか。案外回りくどい性格をしている。
デフォ買い作家さんなので次も期待している。が、最近えらく露出が高いのう。
20代後半? デザイナーカプ。嵐の夜に。



ボーイズ小説・司祭たちの誓い(ビーボーイノベル)ふゆの仁子

「司祭たちの夜」の続編。責任者の神父がの体が回復していないため、ローマの枢機卿の誕生祭に名代で行くことになった攻と受のローマでの話。
これも悪くない。観念的な話から通俗的な話になった。ローマに行って攻の過去に触れて、攻を一方的に敵視していたかつてのライバルに間男されそうになって誤解をといて仲直り。とかいう流れ。前作よりエピソードは増えている。カプ両方の見せ場もありそれなりにまとまっている感じ。
前作より受は攻にものを言うようになっており、攻は弱みを見せている。
この話があってようやく、前作で見えにくかった攻の過去や気持ち、受の攻と付き合っていく決意が見えてきた気がする。これは悪くない。でもせっかくローマまで来たのだから具体的に攻が神学校時代に何をしたとか書いて欲しかった。
どうも攻のあの性格が、神父としての資質に優れているようには見えない。求道者っぽくないというか。
攻を可愛がった枢機卿と受が会って話すシーンは好き。受の攻への愛情も教義に反しているとはいえ、それなりに解決されている気はする。取り敢えず引かなかった。ついでに攻が受を助けに来て反省するのも良い。反省って大切よね。
しかしせっかく面白かったのに、受に横恋慕した攻のライバルが、受を脅して押し倒して攻が助けに行くという図式は、山とあるパターンなんだが、もう少しひねって欲しかった。惜しい。
ただなー、攻が嫉妬して無理矢理受とHしたり、ライバルが受を押し倒したり、それを救った攻と仲直りHしたり、全部サンピエトロの中でやっているのが…。あんたら、ヴァ○カンまで来て何しとんねん。
と突っ込みたくなる。



ボーイズ小説・司祭たちの夜(ビーボーイノベル)ふゆの仁子

神父である受は同じ教会の神父が倒れた代わりにやってきた神父である攻と再会し動揺する。攻とは幼なじみで同じ日曜学校に通った仲であり、淡い初恋を感じた相手であったが…
悪くない。割と順当に話が進んでいるが、1冊分にしてはエピソードが薄かった気がする。
受は親に連れられ洗礼を受けて以来神父になる道を進む。攻が初恋で寝たことがある。献身的で真面目。歌が上手くて優しい。攻は両親の事がきっかけでイタリアの神学校に進み再会するまで音信不通。優秀で将来有望。剛胆な外見で自信家。一見意欲的でバイクなどにも乗る。
ようは再会して流される的にHしてごちゃごちゃしている間に攻の事が好きになるという流れ。あまりひねった山あり谷ありのエピソードはない。神父さん同士のHって背徳的で萌えーという勢いで書かれたような感じ。
私はショタから親父まで、近親物から霊物まで割とどんなカプでも抵抗無く読めると思っているが、宗教系・特にキリスト系は、読んでいると微妙に申し訳ない気持ちになってくる。なので全体的に引き気味になってしまった。
何度も言うが悪くはない。ないが、受が初めは同性であることに悩んでいたはずなのに、いつのまにか吹っ切れていた感じなのが引っかかった。もうちっとその吹っ切れた過程を書いて欲しい。まあでもあまり宗教上の悩みで深く語られても引くのでこんなものか。後、攻の心の闇も今ひとつ見えにくい。
受が攻への思いを告白する下りはうまいと思った。ついでに二人で賛美歌を歌うところと酒を飲むところは好き。
先輩神父32才×神父28才。15年ぶりの再会。シリアス。元鞘?

2004年02月21日(土)
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