眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・がむしゃらに突き進めV:中原一也/ホーム・スウィート・ホーム:義月粧子/ストイックになれない:火崎勇

ボーイズ小説・がむしゃらに突き進めV(花丸文庫)中原一也

不良高校生攻は熱血新任教師受に授業に出るようにと追いかけ回されるようになった。そうしているうちに受のことが気になりだし…
この作家さんのデビュー作。初めてこの作家さんのを読んだが、可もなく不可もなく。ただ終わり方がちょっと気になった。
受は新米教師。昔の友達が中途退学したのを気にして担任の生徒は退学させないよう奔走する。学生時代は剣道をしており全国大会までいった。真面目で熱心。攻は母子家庭で母親は飲み屋を経営している。喧嘩早いが友達思いの面もある。喫煙、飲酒、賭博、女とのHは一通りこなしている。がたいは良いが頭はあまり良くない。
もう一カプ出てくるのだがそのカプが脅されそれを突き止める下りで、脅迫者はあぶり出したのに結局罰を受けずにそのままになっているのが(それは話の流れ上仕方がないのかもしれないが)気になる。嘘でもご都合主義でも良いから、こういうのは勧善懲悪になってくれないと、読後感が喉に物が挟まったような感じを覚える。この作家さんの書く攻はどうもオラオラっぽい。カンだけど。
新米教師×高校生18歳。学園物。



ボーイズ小説・ホーム・スウィート・ホーム(クロスノベル)義月粧子

小さい頃病弱だった受は優秀な兄・攻に憧れ密かな恋心を抱いていた。大学生になり一人暮らしを心配した母親の薦めで都内で同居することになるが、ひょんなことからゲイであることを兄に知られおしたおされるが…
表題他2編。あらすじをみて久しぶりの期待できる近親○姦物に、おかげさまブラザーズのキンシン○ウカンの歌を浮かべながらレジに持っていったのに。のに、帰宅して三時間後、剛速球でだらけ行きの箱に放り込んでいた。
受は綺麗系の顔立ちをして、頭も悪くない。心臓が悪く中二の時に手術をして人並みになる。スポーツ万能、出来た兄に片思いをしていて、兄に似た男と寝たりもするが、基本的には純情で堪え忍ぶ性格。攻は4歳年上。派手な遊び好き。浮気、逆切れは平気でする。自分勝手な性格。
以下非常に感情的になったものすごいネタばれなので注意。

キャラは相変わらず作家さんの元々の趣味が色濃く反映された、スポーツならバスケ、イタ車好き、洋楽のバンドorギターをやっていてレースを見る。という典型的なこの作家さんキャラのステロタイプ。何のひねりもない。
一番むかつくというか最大のネックは攻の性格。これまで最大のむかつく男は既刊「こんな男で」の攻だったが、この攻はこれに並ぶ。
1話目ではないがしろにしていた弟が、外で男とHしていると聞いた途端に男女とやりまくっている自分を棚に上げ、他の男にお初を取られた腹いせに強○。2話目はまだ普通の出来上がったばかりのカプの話だったが、3話目が最悪だった。
攻の過去の男が出てきて悩むこともなく当たり前のように浮気再燃。それを受が可哀想だからといさめられれば受も知っていると開き直り。受にも自分が浮気をすると公言。再び浮気相手とやりまくっているのに、そんなことをしていると受も浮気するかもとからかわれると、そんなことになったら受を殺すと切れ、独占欲丸出し。受がずっと悩んでいる傍らで両方とも大切だしーとのんきに構え、浮気相手がどちらか選べと迫り選べないで居ると(最後まで自分で解決出来ずに相手任せの卑怯者)ふられて仕方なく受の元に戻り、「僕を選んでくれなくても攻の好きにしていいから」(意訳)と言ってくれた受に「俺はお前を選んだのに」と平手打ち付きの逆切れ。
ちっとも選んでねーじゃん。浮気相手が引導渡さなかったら二人の好意の上に胡座をかいたまま、お気楽に過ごしていくつもりだったじゃん。そして結局受の愛情に寄生して、また気になった相手が出れば浮気するつもりじゃん。とかとか、つっこみどころが多すぎて呼吸困難になった。
ちっともハッピーエンドじゃないし、別に恋愛関係になっていないのではないか。浮気するとか云々の前に、相手を尊重しない男、相手に一方的に負担をかけている男との肉体関係ってだけで、結局受の片思い状態のような気がする。
別に恋愛論まで持ち出す気はないが、攻は受を舐めすぎ。ないがしろにしすぎ。心に棚を作りすぎ。女性誌に載っている女性が毛嫌いする最低駄目男のステロタイプのような攻。
作家さんは楽しんで書いたらしいが、申し訳ないがこの手の男に好感が持てる精神は理解できない。出来るように見えて周りが見えていない自己中脳天気なところが可愛いのだろうか?
久しぶりに怒り心頭の剛速球で始球式だった。ただの娯楽小説でここまで腹が立てられるのも我ながら痛いと思うが。人間、怒りが過ぎると笑いが起こるものだが、後半笑いっぱなしだった。こんな笑いは心底いらん。
こういうの二度と読みたくないのだが、この地雷を見分ける方法はないのだろうか。結構切実かも。
近親○姦、21歳兄×18歳弟。一応大学生もの?



ボーイズ小説・ストイックになれない(オヴィスノベル)火崎勇

真面目な受は、大学時代の同級生で現同じ会社の同僚である攻に片思いをしていたが、思いがけず告白される。付き合うことになったが攻の過去の行状から怖くて体の関係になれなくて、関係なしの状況を続けるが…
表題と続編。まあ面白かった。
受は純情で真面目。大学時代はさえなかったが、就職を気に身だしなみを整えてこざっぱりした。美人顔。センスは悪くない。大学時代は攻に片思いしていた。攻は海外帰りで役職付きで受と同じ課に戻ってきた。ハンサムで精力的。女にもて大学時代は浮き名を流していた。受に告白し(この段階で大学の同窓であるのに気づいていない)、付き合う。
この作家さんにしてはめずらしい受がうじうじ系。所詮僕なんてとうじうじするのでその部分は楽しめた。真面目で自分に自信の無いうじうじ君受はツボだ。ただやはりこの作家さんらしくうじうじしていながら、攻の浮気疑惑に卑屈にならずに、「どゆこと?!」と詰め寄り食らいついていた。前向き。
社会人物。24歳?同級生カプ。同じ大学。もてて出来る攻×真面目でおとなしい受。

2004年02月20日(金)
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