眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・トライアングルラブバトル:吉原理恵子/眠る体温:麻生玲子/となりのベッドで眠らせて:鹿住槇

ボーイズ小説・トライアングルラブバトル(ルビー文庫)吉原理恵子

超絶美形傲岸不遜乱暴者・攻と天然ボケでバスケの天才・親友の二人の幼なじみに囲まれる主人公・受。誰がどう見ても一般人なのだが二人に愛されまくりな生活は…
表4の攻の描写を見て失敗したと後悔しつつ、苦労して読んだあらすじをここに書こうとして1冊まるまる使って導入の部分にもなっていなくて、自己紹介のみで終わっていたことに気づきしばし呆然。この作品もどこまで水増ししながら書くつもりなのだろう。
受は日本人にあるまじき突然変異の青い目のために両親に捨てられ母方の祖母に育てられたが中学3年に祖母が亡くなり、敏腕弁護士を父に持つ攻の家に住まわせて貰いながら高校に通う高校2年生。中学時代はトップ3ぐらいの頭で顔は良く料理もうまい。攻は人形のように整った顔立ちをしていたが口が悪く性格も過激。何故かカリスマを持っていて親衛隊もある。本気を出せば学年トップにもなれる頭。パソコンに強い。
設定等は広海シリーズのそのまんま。カプもそう。言われる台詞、親衛隊の有無周りの反応もコピペ。広海シリーズが好きなら楽しめると思うが。
広海シリーズの前から徐々に顕著になってきた性格の悪い美形とスポーツマンにはさまれ愛される(そして必ずカプになるのは美形の方)という図式はまだ健在。よく飽きないなと思うのだが。それともそういうのが求められているから同じ話を書き続けているのだろうか。たまには他のパターンも読んでみたいと思うのは無理なのか。
なまじ昔の堅い文章を知っているだけに何度も期待してしまうが、諦めた方が良いのか。
設定は悪くないはずなのだが、王道を貫いているし。ただ話が殆ど進まないのは一番駄目だ。延々モブキャラたちからメインキャラへの賛美シーンを読んでいるとナルッぽく感じてしまう。何故だろう。
引っかかった部分はいくつかある。主人公が居候している先の家の合い鍵が欲しいとバスケの幼なじみにねだられ、攻がそれを訊き嫌がる下りがあるのだが、普通赤の他人の家族が住んでいる家の合い鍵を親友だとしてもほしがるものなのだろうか。バスケの幼なじみの非常識さも大概だが、それを普通に聞いて疑問を持たない主人公も相当。攻が嫌がるのを見て「やっぱりなー。妬いてるなー」(意訳)などと思うのんきさ。いっぺんにひいた。それとも私の常識が間違っているのだろうか。
取り敢えず続編は買ってみるが、これも話が進まないまま尻切れトンボの立ち消えで、気づけば絶版になっているような気がする。
幼なじみ。三角関係。カリスマ美形×青い目の一般人。高二。



ボーイズ小説・眠る体温(ゲンキノベル)麻生玲子

攻は風俗の取材が多いフリーライター。ある日仕事で飲食の記事を書くことになり取材した先の店長・受が気に入りその店に通うようになる。受はバーテンだが酒に弱く、ある夜二人で飲んだ後に受の部屋にいき迫られるが…
悪くない。風俗ライターとバーテンの話ながら、この作家さんらしくすれた感じのしない話で読後感は悪くなかった。
受は接客が好きで叔父の店の雇われ店長をしている。客あしらいが上手い。綺麗系の顔で立ちふるまいは落ち着いている。酒に弱く呑まれるとセックスがしたくなるタイプ。結構天然で可愛い部分もある。攻は男臭く野性味あふれる外見。風俗の女性にもてるためそっちの仕事が多い。基本はフリーライター。男は受が初めて。物わかりが良く頼りがいはありそう。
終盤までは受を狙うストーカーを撃退して大団円なんだなーと読んでいたのだが、ラスト30P弱でいきなり前ふりもなく受の初めての男のエピソードが出てきて、「?」となった。攻が初めての相手を知り引いたのは分かるが、だから何がどうなるわけでもなく、なし崩しにばたばたと解決しているし何故ここでいきなりこのエピソードを入れてきたのか分からないと思った。
全体のバランスが悪い。この作家さん、デビュー前の同人の時から読んでいるが、こういうバランスの悪い構成が多いような気がする。きれいな山なり起承転結になっていないというか。
いつもこれで雰囲気はいいのに萌え切れずに転けてしまう。もったいない。
ついでに受攻の視点の切り替えが中途半端に変わるので、一瞬読み直してどちらの視点か確かめなくてはならなかった。これもよくあるけど。
片方の視点だけで書ききる力量はあると思うのだが。
キャラは好感が持てた。次も設定が好みなら買ってみる。
フリーライター(30代?)×バーテン・店長(20代半ば〜後半?)。ストーカー。プチ近親相姦。



ボーイズ小説・となりのベッドで眠らせて(キャラ文庫)鹿住槇

高校生の受はアパートで一人暮らし。隣室の優しい大学生の男と恋人で体の関係もある。ある日ベッドに入っていたところ大学生の親友・攻がやってきて見られてしまう。それからアパートを焼け出された攻は隣室に居候し何かとちょっかいをかけてくるようになる。そんな時大学生がイギリスへ短期留学することになり…
なんつーか微妙。好きな作家さんなんだが微妙。ようは別の人と付き合っていた受が新しい男と付き合うようになる話なのだが、あとがきに「読者に嫌われそうな優柔不断な受で」とか書かれていたがそういうことではなく。どこまでも中途半端な座りの悪い感じの話だった。
受は高校生、多分高二。母親は幼い頃死亡父親は単身赴任中。アパートで一人暮らし。可愛い系の天然ボケ。寂しがりやで隣の大学生と付き合うようになったのも寂しかったから。攻はワイルド系のハンサム。大学でももてる。頭はそれなり? 受に一目惚れして奪うチャンスを狙っていた。
三角関係と書かれていたが、三角関係とは文字通り三人の人間がごちゃごちゃして中の二人がくっつくみたいなイメージがあるが、昔の男は受の心がこっちにないのを悟ってさっと身を引く辺り、普通に受が過去の男と別れて今彼と付き合うようになったようにしか見えなかった。
受が父親とうまくいってないと最初に書かれていたがいつのまにか立ち消えになっているし、攻に引かれていく過程がよく分からない。体で流されている感じ。いや別に体で流されるのもありなんだろうが。なー。好みではない。
最後の過去の男が身を引く下りも「え、終わったの?」てな感じだったし。何とも座りが悪かった。
過去の男と新しい男。大学生×高校二年生。

2004年02月02日(月)
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