眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬

日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。


 ボーイズ小説・顔のない男:剛しいら/好きの病:渡海菜穂/夢は夜ごとに訪れて:火崎勇

ボーイズ小説・顔のない男(キャラ文庫)剛しいら

新人俳優の受は、大手映画の配役のオファーがきた。相手役は天才子役で実力派の俳優攻で、役をやるため作品の兄弟になりきって数日一緒に住むように言われる。攻は兄として「弟」である受を甘やかすが…
とても面白かった。攻から異様に甘やかされ執着されるのが、役柄上であるのか素の性格なのか分からず受がとまどう部分や、役にはまりすぎて個を失いそうになる攻など。この設定は目先が変わっていて楽しみながら読めた。
受は野望を持つ新人俳優。顔と体にはそれなりの自信があるが、それだけでは芸能界で生き残れないと思い焦っている。ゲイではない。攻の異様なところが気になる。攻は顔が良く演技力もある実力派の俳優。役に入るとその役に乗っ取られ現実が分からなくなる。そんな自分がイヤで一時は俳優をやめてラーメン屋になっていた。次第に受の事が役をはずれて気になりだし混乱する。
キャラ文庫の既刊を見ていて、この作家さんが好きになったのは最近なのかとしみじみした。「このままで」と「伝心ゲーム」は ? のままで終わり、「エンドマーク」と「追跡は」は内容に納得できず「何じゃこりゃ」と投げそうになった。「雛供養」は、面白くない作家さんだと思うようになっていたので未読。(以上キャラ文庫の感想)
それからしばらくしてものによっては読めるようになった。好みとは変わるもの。と思ったがもしかして作家さんの傾向が変わったのかな。次もこんな話を読んでみたい。
俳優。映画もの。シリアス。実力派俳優(30歳)×新人俳優(24歳)。



ボーイズ小説・好きの病(クロスノベル)渡海菜穂

中学の陸上部の後輩×先輩カプ。3年ぶりに同じ学校になって再会した幼なじみ年下×年上のカプ。近所の幼なじみの年上×年下カプ。の3本。すべて雑誌掲載で、いずれもバカっぷる。
今ひとつ。どこが悪いというよりは、パターンすぎて量を読んでしまった人間にはつまらないという内容。お約束はふまえて作られているので、この設定が好きななら楽しめるかも。
ショタ風味でやっているだけ。Hメインなのだがあまりエロくは感じられない。明るく軽いノリでさくっと終わる。
ただこれまでの作品にはあった、この作家「さんらしさ」みたいなものはさっぱり感じられず残念。これはショタ雑誌の連載小説という縛りで書きにくかったためかもしれないが、前作から微妙に崩れている感じが否めない。次作あたりが別れどころの決め手になるかも。
ショタ風味。Hだけ。学園もの。中学生。



ボーイズ小説・夢は夜ごとに訪れて(オビスノベル)火崎勇

大学生の受は貧乏だが、まじめにアルバイトと勉強にいそしんでいる。ある日パチンコ屋ですさんでやさぐれていた男・攻と出会い話があって一緒に飲みに行く。攻をリストラされて妻子に離婚された男だと思った受は、一晩部屋に泊めてあげ、それがきっかけでたまに会って話をするようになるが…
まあ面白かったかな。この作家さんの平均的なレベルだと思う。読みなれている人は飽きるかも。昨日感想を書いた話もこれと似たようなレベルだった。
受は健気でまじめな大学生。攻に同情して色々話し相手になっている。顔はきれい系。攻はすさんだ外見だが男前。リストラされて毎日ぶらついていると思われているが実は…というタイプ。
最近思うのだが、この作家さんは同じような時期に同じような話が続けて出てるような気がする。1つの素材からバリエーションを効かせて3パターンぐらい書いているというか。月に1,2本書きつづけるのは大変だろうからそうなるかもしれないが。気のせいかな。
ただ書き飛ばし系(というかこの作家さんの定型パターン)の話になると、キャラの(特に主人公の)台詞が浮いて見えるのは何とかならないのだろうか。
「人生とはこういうもの」「人間とはこうあるべき」みたいなグローバルな内容を青年の主張みたいに宣言されているようで、なんつーか、微妙な気持ちになる時がある。前向きな主人公が嫌いじゃないから読めるが鼻につく人もいるかも。
もうちっと、その小説の設定にそったキャラの生い立ちから来る生きた言葉で語ってくれると良いのだが、最近の作品は殆ど、主人公の語りは青年の主張だ。これも量産しているから仕方が無いのかのう。まあ10本に1本、地に足ついた会話をしてくれたら別に良いので、次もデフォ買い。
社会人×大学生。攻はばつ一。シリアス。

2004年01月18日(日)
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