眼花、井に落ちて水底に眠る
坂瀬
日記&BLの個人的感想。ネタばれ基本。まずは下のリンクのHOMEへ。
■
■
■
■
■
■
ボーイズ小説・暴走する男たち:李丘那岐/官能の秘めごと:飛沢杏/罪深き誓約:暁由宇/快楽の支配者:暁由宇
ボーイズ小説・暴走する男たち(花丸文庫)李丘那岐
白バイ隊員の受は同僚の攻にほのかな恋心を持っている。そんな折り、暴走族の総長を検挙した受は、攻ともども総長の更正を命じられ…
4冊目。面白かった。これからもこの方向性で行ってほしい。
受は奇麗系の顔で迫力がないのが悩み。バイクの技術は素晴らしく昔やんちゃやってましたという経歴。「正」の字が好きで正義感が強く真っ直ぐに生きたいと思っている。攻に片思いしておりそれが間違っていると思っているのでなかなか攻に素直に接せない。攻はがたいががっしりしているハンサム。バイクの腕はやはり良い。面倒見も良く前の部署でも有名だった。
この作家さんが好きなのは、話の主張が青臭いところかもしれない。暴走族を解散させるのが主軸になる話だが、ありがちな力でものをいわせるのではなく、説得して相手を更正させるには筆力がいる。更正させるために必要な説得は、くさすぎず読者も納得させつつスマートにしなくてはならないので、俺は強いぜと相手を殴って黙らせるよりは体力がいると思う。それなりの説得力を持って不良を更生させているところは良い。人によっては恥ずかしいと思うかも知れないが。
デビュー作の時からこの青い主張はあったので基本ベースなのかも。脇キャラも立っている。総長とその幼なじみ、攻の知人であるやくざ。どれも主役で話が書けそうな存在感。かといってこの話の受攻を食っているわけではないので、バランスは良い。こういう話をまた読んでみたい。是非頑張って欲しい。次ももちろん買う。
白バイ警官。同僚。警察物。暴走族。シリアス。
ボーイズ小説・官能の秘めごと(ビーボーイノベル)飛沢杏
大学生の攻は兄の受と二人暮らし。父親は画家で両親は小さい頃に亡くなっている。攻は7才以前の記憶を無くしているのだが、ある日鬼の女の夢を見てそれが過去の記憶と気づかされ…
雑誌掲載の時に気に入っていたので買ってみた新刊。エロの部分だけ大幅に加筆修正されていた気がする。無くした記憶の仕掛けは嫌いではない。
攻は大学生。庭造りに興味を持っている。兄が好きでずっと兄一筋。背が高くハンサム。受は奇麗な佳人で頭が良い。画家である父親の所定鑑定人。日本絵画の研究と歌人でもあるが、広大な土地と財産を持っているので、本来は働かなくても生きていける十分に裕福。二人は13才違い。
一応攻の無くした記憶を探ることがメインになっているが、エロが多い。半分から1/3ぐらいはエロシーン。文章は安定していると思うが、描写がねちっこく古くさい。古い人だから仕方がないのか。確かボーイズ黎明期からいる。
男性器をキャンディ、キャンディバー、シロップなどと表現するのを久しぶりに見た。ついでに花びらや紅い花心だとか、きらびやかな花に例えられているのもある。読んでいて口の中が甘ったるくなった。ボーイズにも流行り廃りがあり、昔はこの手の描写が氾濫していたのだが、最近は見ない。花や蜜の描写で延々とHシーンが書けるのはある意味尊敬する。攻の嬲り方は、非常に美味しゅうございました。また機会があったら買ってみよう。前に出た「熱情」よりはこっちが好みだ。
近親相姦。母子姦がある。エロ。鬼畜。兄弟の血は繋がっていない。弟×兄、13才違い。
ボーイズ小説・罪深き誓約(アイノベル)暁由宇
『快楽の支配者』の続編。普段はいちゃいちゃしている前作より一歩進み、受は随分、攻に依存するようになった。攻は自分の嗜虐性を認めることが今一歩出来ずに悩んでいるが、受のために前進しようと頑張っている。
粗筋は、攻が嗜虐性を認めるところまで。受が体以外の心の部分で攻を好きだと思うところまで書かれている。SMで繋がっているカプは、なかなか心レベルでの繋がりが不安なので、その点では非常に面白く読めた。ただやっぱりなんちゃってSMの話。
この作品で作家さんが投稿していたサイトに掲載されているらしい別カプが出てくるのだが、まだ探しに行って無いので、まだそのカプの話が残っているのかは分からない。
ワンパターンになるほど同じタイプのカプを書いているだけあって、相手の事を前向き(?)に考えるカプは真骨頂。可愛いというか好感が持てる。
受のためとはいえ、SMお友達に鞭の使い方を習って、ついでに自分でも試してみて、初めてのレッスンをするのが健気なのだが滑稽で笑える。攻が受や周囲から手取り足取りSをする姿は、微笑ましいといえば微笑ましいのだが、ボーイズでは滅多に無い設定だろう。
二人が軽井沢のコテージに旅行で泊まりにいくのだが、受が遊んで貰えるのを想像しながら、いそいそと道具を用意するのは可愛いと思うと共におかしい。バ○ブだとかローターだとか持っていくので旅行に行く途中で絶対に死ねない。ていうか鞭だとかロープだとかごろごろしている家なので、突然死だけは出来ないカプよね。
と、背後にあるボーイズ&同人誌の山を見て、妙な親近感を覚えた。ついでにのんびり昼食を摂りながら、「昨日の鞭はどうでしたか?」などと会話している二人が笑える。次も買ってみるつもり。
SM。年下攻。リーマン物でも仕事がメインではない。シリアス。
ボーイズ小説・快楽の支配者(アイノベル)暁由宇
コンピューター関係の部署にいる攻は、ある夜その手の出会いの場所で、職場で協調性が無く冷たい受を見つける。試しに寝てみるが、従順に奉仕する受を見て驚く。2度3度と会う内に、受は自分がMであることを告白する…
SMな話になるので苦手な方は注意。
後書きやキャッチにMがSを育成する話とあったが、この作家さんはちょっと鬼畜な攻と従順で丁寧な言葉使いをする受のHパターンしか書かないようなので、新境地というよりは、本領発揮な内容に思えて買ってみた。この作家さんのHの特性が一番良く出ている感じ。それなりに面白かった。
攻は普段は明るく協調性があり、情が厚く争いを好まないような性格だが、Hの時になると嗜虐性がわいて、それを後で後悔するタイプ。受を大切にしていと思っているが、今ひとつ受の心が掴めずやきもきしている。ここ一番では腹が据わる。
受は冷静、無表情。協調性0といった攻とは正反対な性格。被虐性があり自分の好みのSを探して攻に出会う。従順に従いたいという欲望を持つが、それを攻が受け止められるよう小出しに教育していく。
二人とも中肉中背で攻が若干受より体格が良い程度。顔は当然整っている。
殆どやっているだけではあるのだが、他にもよくあるやっているだけの話とは違い、攻が相手の好みと自分の嗜好を模索しながら、二人の関係が近づいていってる成長(?)物。ようは、好きな相手が好もしいと思う人物になろうと、勉強やスポーツや地位を手に入れるために頑張るのと同じく、受好みの相手になるべく嗜好を磨く話なので、カプが心を通わせようとしているところはちゃんと書かれているような気がする。ただ今回は受の性格というか考えが見えにくいところがあった。
後書きでも作者さんはSMに詳しくないとあったが、実際調べて得た知識をカプに当てはめて一生懸命書いた感じ。
はっきり言って鬼畜は好きだ。好きだがスパンキングの嗜好は無い。ボーイズは普段は主人公が受なことが多いのもあって、受視点で読むことが多いのだが、鬼畜ものの時は攻視点で読むことが多い。受をねっちっこくいたぶるのは好きだが、それは受の恐怖という感情を支配する攻を見たいのであって、受を痛がらせたいわけでは無い。なのでこの作品の攻の嗜好が、叩いて支配するのが好みというのがあまり私の好みではなかった。というかがっかりした。この作家さんであれば大丈夫だとは思うが、暴力で興奮するのは一歩間違えればドメスティックバイオレンス。
受が恐怖を感じて相手に全てを依存する気持ちよさはまだ分かるのだが、痛さがそのまま気持ちよさに直結するところがよく分からない。まあそれこそ嗜好の違いだけど。この作家さんに関わらず、打たれてよがる描写が長いと気持が分からず冷めてくる。
SMと言っても、飲尿や浣○はやりそうでやらずに結局とぼけており、本当はそれぐらいはして欲しかったが、ボーイズはSMちっくなものはあるがSMすることがメインではないので、ここらへんが線の引きどころなのだろう。大半の読者も引くだろうし。ちょっと期待したので残念。ここら辺がぬるくていまいちと思った点なので、なんちゃってSMとしては十分楽しめるのではないか。
SM。年下攻。リーマン物でも仕事がメインではない。シリアス?
2004年01月04日(日)
≪
≫
最新
目次
MAIL
HOME