verbal love*
杏子



 男と女の「エトセトラ」

私の弱さと彼の弱さと先生の弱さ。


8月某日 夜10時30頃

私の携帯の着信音が響く。


『ごめん、電話。ちょっとAFKします><』


私は彼とチャット中でした。



発信者は 先生。

そう あの 先生。




「明日の夜 福岡で飲まない?二人で。」


「ええ?! 明日??!!」


「明後日朝イチの飛行機で東京出張なんだ・・・

 だから、明日は福岡のホテルに泊まろうと思って。」


「せっかくだから時間あるし どうかなって思ってさ・・・」



先生の声は上ずっていました。


「いやね、そろそろ君も

 愚痴を言いたい時期なんじゃないかと思ってね^^」



「どう?」



必死さを感じました。



ただ それは

私と飲むことに必死になっているのではなくて


新しく彼氏の出来た昔の女に

「二人で飲まないか?」という台詞を

いかにさり気無く スマートに口にするか


ということに 必死になっている


そんな感じでした。



「明日は・・・仕事休みもらってるんだけど

 明後日がね・・・朝7時集合なのよ。

 それ考えたら6時には家を出ないといけないし・・・」


「ちょっと無理そう・・・」



「そうかそうか、お忙しいのは分かってたんですけどね。」


「土日は無理だって思ってたから

 月曜の夜ならって・・・それならいいですよ^^」




上ずった言葉が 敬語に変わる。

声は 相変わらず軽快。



「せっかく誘って頂いたのに、ごめんなさい。」


「はいっはい!どうも〜^^」



電話を切った私は パソコンの前に戻りました。



『ごめん・・・前の人からの電話だった。』


『そうか・・・』


『こんなことまで言うなんて、隠せよって感じよね^^;』


『隠される方が嫌だよ。』


『うん・・・』


『俺が割り切ればいいだけの話なんだし。』


『割り切らせないといけない状況を作ってるってことが

 嫌なのよ・・・。』



『杏子の気持ちを疑ったことは無いよ^^』


『ありがとう・・・』




1時間後 彼はお風呂でAFKしました。


そして再度 私の携帯が鳴る。




「はい。」


「ごめんごめん、何度も。」



「どうしたの?」


「いやね・・・今年の誕生日、何もあげてなかったから・・・

 メールの一つもしなかったしと思って。」



「えええ??!!!」


「ブルックスで、何か欲しい服とか無い?」


「欲しいも何も、もうそんなの言える立場じゃないし^^;」


「昔は散々言ってたじゃないか、何がいいの?シャツ?」


「いやいやいやいや><;;;」


「欲しくないの?プレゼントくらいさせてよ^^」


「えー・・・・」


「迷惑かな?^^;迷惑だったら言って、もうしないから。」



><;;;;



「今、彼氏とチャット中?」


「うん・・・彼、今お風呂入ってる。」


「ふーん。」




「酔ってる?^^;」


「飲んでないよ。」


「そっか・・・^^;」




男と女のエトセトラ。


三者三様。

それぞれが 弱さを抱えて生きているんですよね・・・。


先生は たぶんきっと鹿児島の彼女と

喧嘩したか…  それ以上。

1回目の電話は まぁまだ許せましたが(苦笑)

2回目のはよろしくない。


将悟さんは 必要以上に物事に敏感で

繊細で傷つきやすい人だからゆえに 諦めが早くて 

通りのフォーマットに

必要以上に乗っかってしまう。 


私は 

その弱さを 一見受け入れて包み込んで

余裕綽々な顔をしたがっているものの

複雑に考えすぎて 全てに答えを求めてしまう。


二人にいい顔をしてしまう その理由を…





そんな エトセトラ。







そうそう!


ハンドルネームを

以前の日記で使っていた「杏子」に戻しました。

やっぱり こっちがしっくりくる(苦笑)






2007年08月09日(木)
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