-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 トロントで漫才












日本で漫才をやっていた【ノブ・モーリー】という
男の子と、最近知り合った。
けっこう面白い奴で(あたりまえだが)、
ライブハウスの「コメディー・ナイト」のホストをしたり、
Bitsで連載コラムも担当することになった
今、上り調子の男だ。

美女缶レイカが、ノブのアシスタントとして
舞台に出ているのもあって
今夜、はじめてその舞台を見に行った訳だが
カナディアンの前で、思いっきり日本語で漫才!
凄い。
あまりの気迫に、日本語の分からないカナディアンでも
笑ってしまうほどだった。
ミュージシャンとかで、日本語でそのまま歌うってのは
よくある話だけども、漫才って。
とにかく、トロントに住んでいる人、
一度観に行ったほうがいいですよ。












ショーが終わって、レイカ達と隣のライブハウスへ行く。
なんと、元HOLE(コートニー・ラブのバンドね)の
Melissaがシークレットライブをやるらしいのだ。
しかも無料!
会場は超満員だったが、なぜか顔パスで
最前列をゲット!
隣にいたMelissaマニアの女の子の
ヘッドバンキングで右目を痛打されるも
気合で最前をキープ。
かっこ良かったっす。
けど、
右目が痛い・・・

2004年08月10日(火)



 嬉しい気持ち

3月のアートエクスポで発表した作品で、
とても気に入っていた【Beloved】が
今日、売れていった。

数週間前に突然「Belovedを買いたい」と
メールをもらった時に、ふと頭の中を
ある女性の顔が過ぎった。
エクスポの時に、何度もブースに来てくれて
値段の交渉までしていた若いカナディアンの子だ。
その時は、やはり高すぎて
諦めて帰っていったわけだが、
何故か、直感で「あの子だ!」と思ったのだ。

そして、今日スタジオに現れたのは
まさしく本人。
オイラが「君のこと、憶えてるよ」と言うと
顔を真っ赤にして「お金、貯めてきたの…」と
まるで告白でもするかのように
上目遣いで呟いた。

作品は、どれもオイラの息子・娘なので
それが良い人に嫁いでもらえると
本当に親みたいな気持ちになる。
きっと大事に、大事にしてくれるだろう。
寂しい気持ちもあるけれど、
やっぱり嬉しい気持ちの方が大きいかな。


2004年08月09日(月)



 頼むよ、ほんと

昨晩、というより今朝の4時ころ
一本の電話が鳴る。
誰も頼る人が居ないというその子を
匿うことにした。

海外で生活する女の子、
ほんとうに気を付けた方がいいと思う。
日本人を喰いものにする専門のバカ(男)が
いるんだから。
「見た目はいい人だった」とか
「最初は分からなかった」というのが
被害者が必ず言う言葉。

自己防衛しかないんだよ。
そうなってから相談されても遅い!
手遅れだって、ほとんど。
だから
防衛するしかないの。


2004年08月07日(土)



 ノー・モア・ヒロシマ

エドモントンのアート機関紙から取材の申し込み。
急だったが、たまたま午前中は空いてたので
受けることにした。
ライター、カメラマンはトロントの外注で
こっちに来てもらって撮影、インタビューに応じた。
「何でオイラなの?」と思ったが、
テーマが【フィギュラティヴ(人物)画の復権】
というので、何となく納得(!?)
2時間ほどで終了。













夜7時、市庁舎前の広場にて
【広島デー】という原爆追放・追悼集会があった。
【WaiWaiWide】のユキさんからお誘いを受けていたので
トロント5年目にして、初めて出席。
日本人少なっ!と思って、シド池田に聞いたら
「今年が一番多いくらいだよ」と言われた。
去年なんて、ほんの数人しか日本人が出席しなかったとか。

トロント市長のデヴィッド・ミラーは
出席を直前になってキャンセルしたと言うし、
日本総領事館からは一人も出席せず、
まことに切ない集会だった。

切ないのは、それだけじゃない。
トロントで【広島デー】を始めたのは
もともと日本人かもしれないが
壇上に上がり、原爆を追悼、追放しようと旗を振ってるのは
ほとんどカナダ人だったと言うことだ。
被爆国である日本の国民は無関心なのに
カナディアンは熱く、きっぱりと
「ノー・モア・ヒロシマ!」
と弁をふるっていた。
これは日本人が言わなくて誰が言う!?
というセリフだろう。

最後は灯篭流し。
トロントで、まさかこんな光景を見るとは思わなかった。
黙祷・・・。

一旦、家に帰ってから
近所のライブハウスへ。
最近、トロントで頑張っている日本人バンド
【Frog Pilot】のライブ。
観る度に「課題が多いバンドだな」と思うけど
着実にお客さんを掴んでるみたい。
課題が多いからこそ、3年、4年後が楽しみだな、と
思うのだけれど。

2004年08月06日(金)



 かなり【本物】の連中

近所の【Rivoli】で、日系人のソングライター
Nana Jokuraがライブをやるというので観に行く。
ただし、メインアクトのChirs何とかっていうのの前座。
ちょっと遅れて到着したら、もうNanaの最後の曲だった。
仕方ないので、とりあえず楽屋に挨拶に行くと、
「Tomo!この間は大丈夫だった!?」と、
先日の財布盗難事件のことを心配してくれた。
そう、Nanaは事件現場に居たんです。
次のステージで、Chrisと数曲、競演するというので
残って観ていくことにした。

Nanaの相棒、ギタリストのケビンは
Chrisのバックバンドでギターを努めるという。
大して期待していなかったメインのChrisのバンドは
予想を裏切って、かなり【本物】の連中だった。
とにかく、うまい!
どっしりしたドラムのビートに、黒人のスラップ・ベースが
一体となってリズムを刻む。
ジャズあがりのピアニストに、バックボーカルのインド風女性
が軽やかにコーラスをつける。
そしてChris!こいつはバイオリンを弾きながら歌う!
ギターのケビンは言わずもかな、最高のプレイを連発。











曲調は決して好きなタイプではない、
プログレッシブ、オペラ、ロック調。たまにラテン(笑)
しかし、本物のミュージシャンが奏でる音楽って
ジャンルを超えて人を魅了する力があります。
サウンドのバランスも完璧。
このライブ、偶然観ることができたオイラは
ラッキーだなぁ、と思ったよ。

さて、ステージを終えたNanaを連れ出して
外で撮影をする。
Bitsの表紙用の撮影で、カメラマンのYuukoと
編集部からAとIが同行していた。
30分くらいで撮影は終了し、Rivoliのパティオで
ビールを飲む。
寒い!
めちゃめちゃ寒い!
「夏は終わった!」と先日、宣言したが
はっきり言って冬じゃないか!
みんな冬もののジャケットやセーターを着て
パティオで肩を震わせながらビールを飲んでる(マジ)
深夜2時までYuukoとAと粘るも、
最後は寒いので解散(笑)


2004年08月05日(木)



 絵を買う人、選ぶ人

昔の仕事仲間、Aの新居にお呼ばれ。
豪勢な焼肉ディナーをご馳走になった。
実は、今月のウェブサイト
トップページにある絵の持ち主。
しっかりと暖炉の上に絵が掛けてあって
久々に我が子と対面して嬉しかった(笑)
空いてる部屋を貸し部屋にしているそうで、
同居人の方も一緒に焼肉!












ただ飯を食いに行ったのでなく、
今後、2階のリビングルームに
オイラの作品を数枚飾ってくれる予定なので
その下見を兼ねて。
たまに友達の家とか行って、
広い壁面に全く「絵」がない光景を見ると
何と無機質な空間だろうと思う。
窓があれば、まだいい。
窓の外の景色は、自然の絵画っぽくもあるし。
しかし、窓の無い部屋や、夜なんかは
一体みんなどこを見て暮らしてるんだろう?と思う。
まぁ、現代ではTVやパソコンが
人の目をそらす役割を果たしてるのかもしれないが
昔はたぶん、TVなんか無い時代は
生活の中に、ボ〜っと絵を眺める時間があったんじゃ
ないだろうか?

だからこそ、絵を買う時は真剣に悩み、
長い時間を共に過ごせるものを選んでいた。
そんな事が、当たり前の時代は過ぎて、
今ではIkeaとか、フレームショップで気軽に
洋服でも買うように「絵はこれで、電気はこれ、イスはこれ」
みたいに買う人が増えた。
絵描きとして、それは悲しいけど現実。
だから尚更、自分の絵を選んで買ってくれる人を
本当に愛しく思える。
オイラの絵は、誰にでも好かれるタイプの絵じゃないから
本当に好きな人だけが買ってくれる。
それは凄い幸せだなぁ、と思うのよ。
心の中で
「おまえ、見る目あるよ」
と、ほくそ笑んでます。


2004年08月04日(水)



 眺めのいい部屋

この日記にも何度か登場している
M子(酒豪)主催の飲み会。
凄かったです。
いや、景色が!
高層アパートの23階からダウンタウンを望む
南向きウインドウ。素敵です。
ビル好きのオイラにとっては堪らない景観。
はっきり言って、これだけで酒が飲める。











一足先に着いたオイラは、M子手作りカクテルで一杯。
しかもM子、手作りでドリンク・メニューまで用意してるし(笑)
なぜだ!?なぜ、そこまで用意周到なんだ!
大好きです。そういうの。
2日煮込んだというチキン・カレー、
M子に料理は不可能と思っていたが、見事に裏切られ
すげぇ美味くて驚いた。
人間、やれば出来るんですね。

帰国する飛行機まで数時間の平井選手が登場。
なぜかスピーチをさせる。半強制。
いつものメンバーが集まり出して、いつものように飲む。
それは朝4時まで続いた。


2004年08月03日(火)



 バンドは良いなぁ…(しみじみ)

痛恨の財布紛失から一夜明けて
家にずっと引き篭もってます。
この日記を読んだ友達2人から
「大丈夫?」という電話をもらう。
同情より、金をくれ。と半分マジで言う。

何かの形でこの想いを残したいと思い
とりあえず歌を一曲作った。
【While my wallet gently weeps〜俺の財布は泣いている】
ジョージハリソンの【While my guitar gently weeps】の
パクリである(笑)
つまんね〜。

今晩は、ブルースハープのケン吉岡さんのライブがある。
金も無いし、この凹んだ状態じゃぁ行けないな、
と思っていたのだが、
直接、お誘いの電話をもらってしまったので
やっぱり行くことにした。
美女缶レイカを伴って、夜11時に【Healey's】へ。
レイカにビールを奢ってもらい、チビチビと飲む。
情けない。

3バンドのうち、ケンさんのバンドは最後のトリ。
会場は驚くほど観客の年齢層が高い!
しかも、みんな相当盛り上がっている!
熱い!
このオッサン連中、何故にそんなに熱いんだ!?
夫婦でチークダンスを踊ったり
トラボルタ風【サタデーナイト】な奴もいる。
特に目立ったのが、サッカー・イタリア代表のユニフォーム
しかも背番号10、トッティを着た奴!
(↓左端の青い奴ね)












こいつは、最初から最後まで踊りっぱなし。
ケンさんのバンドは、ケルティックな展開の曲が多く、
Corrs好きのオイラはノリノリ♪
途中で【Play that funky music】とか
【朝日のあたる家】とか、渋いカバーが入ったりして
それもまた良し。
あ〜、バンドはいいなぁ。
ほんとにバンドやりたくなってきた。
ケンさん羨ましいよ。


2004年07月31日(土)



 人生初、財布を盗まれる!

最悪とは、このことだ。
今夜の飲み会に備え、銀行で下ろしたばかりの
$200が入った財布を盗まれた。

事件現場はストリート・カーの中。
容疑者は5人。
今思えば、全員が怪しく思える。
終点の駅で降りる際、人ごみに紛れてオイラの
ショルダーバッグのポケットから
お気に入りのPaul Smithの財布(時価$400)
を抜き取った奴がいるのだ!
オイラは気づかずに、駅を出てコンビニへ。
その時に初めて、財布が無いことに気づく。
慌てて駅に戻るも、当然犯人は消えていた。

駅員に事情を説明して、ポリスを呼んでもらう。
カナダで初のポリス・コールだ。

そこで、はたと気づく。
「待てよ、ポリスが来たってどうしようもないじゃん」
もう一度駅員を呼び、ホームと車両を見たいから
中に入れてくれるようにお願いする。
が、
「それは無駄だよ、君ぃ。財布なんてもう無いんだから」
と、同情の欠片もない言葉を浴びせられる。
頭、ひっぱたいてやろうかと思った。

そこでまた、はたと気づく。
「待てよ、とりあえずVisaとMasterカードを止めないと!」
駅員のオッサンに構ってる場合じゃない、
友達に番号を調べてもらって、
すぐにカード会社と銀行へ電話する。
そうしてる間にポリスが到着。
こっちが電話で話してるにも関わらず、
ガンガン事情を聴取してくる。

生まれて初めてのカード解除手続き、
生まれて初めての英語によるポリスの事情聴取を
同時にこなすのは、ちょっとしたパニック状態だ。

しかも、偶然ナナ・ジョークラが通りかかった。
「トモ、どうしたの?」
えぇ〜と、財布掏られて・・・

次に、シタール奏者のヨシくんが通りかかる。
「トモ、どうしたの?」
えぇ〜と、財布掏られて・・・
何でこんなに重なるんだよ!

***今日の紛失物***
免許証
SINカード
銀行のカード
Visaカード
Masterカード
メトロパス
ビデオ屋会員証

そして…現金$200(これが一番痛い!)

相当凹みまくって、
とりあえずノブさんに$5借りて家に帰る。
今夜の飲み会はキャンセルしようかと思ったけど
オイラが言い出しっぺなので、やっぱり行く。

ケンジントンのダイナーで、平井くんのプチ送別会。
慎也さんとKちゃん、そして何故かRafi夫妻(笑)
すまん、オイラが勝手に呼んでしまった。
凹んでも財布は帰ってこないので、
開き直ってガンガン飲む。
ていうか、ビールはRafiが全部おごってくれた。
Thanx!

明日からどうやって生活しよう・・・


2004年07月30日(金)



 夏、終了宣言!

トロントの夏、もう終わったと思います。

ていうか、夏は来たんでしょうか?
街行く人は、半袖と長袖が半々です。
それでも今日は24〜25℃あって、ちょっと暑いくらい。

友人の画家、David Kibbukaと近所のカフェでお茶する。
Davidはアフリカの【バティック】という技法で絵を描いて
たまにワークショップで生徒に教えてます。
その一番弟子である、日本人のマリコちゃんが
ロンドンや各地で快進撃を続けているというニュースを
知らされる。
正直、びっくりした。
バティックという技法は、黒人民族独自もので、
やはりその民族系の画家が描くから価値がある
と思っていたからだ。
たとえば、日本画の枯山水を欧米人が描いても
絶対に売れないと思う。
オーストラリアのアボリジナル・アートを
中国人が描いても売れないと思う。
しかし、
実際にマリコちゃんのバティック画は本国ウガンダ
でもバカ売れしているのだ!
う〜ん、
考えてみると答えは一つ。
誰が描いたとかの問題じゃなく、いい絵はいい!
という事じゃないか。
2時間ほどそんな話をしてDavidと別れた。

デザイナーYukikoと美女缶Reikaと待ち合わせて
マユコちゃんの家へ行く。
ここには8人くらい住んでいて、みんなちょっと普通じゃない。
裏庭の地べたに座って、ワイン、シャンパンを3本空ける。
夜中には、カズも合流。
なんとも気だるい飲み会だった。
過ぎゆく夏!
まさに、そんな匂いがした。



2004年07月29日(木)
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