-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 ケベック

一晩寝てやっと復活。
日中、ちょっとだけBitsに顔を出して
夕方から絵を描き始める。
でも来週のアウトドアショーには出さないつもりなんで
ちょっと描いてはギターを弾き、
また描き足してはギターを弾きの繰り返し。
最近またエリック・クラプトン熱が再燃している。
最新アルバムの、ロバート・ジョンソンをカバーしたやつは
ちょっと軽すぎて拍子抜けしたけど・・・。

明日に約束していたR嬢からTELがあり、
勘違いして今晩ダウンタウンに来ているという。
ほんの少しだけ会って見送る。
夏の間はケベックでサマーコースを取るらしく、
暫くトロントともお別れ。
ケベックかぁ・・・。
色んな人から「画家なら一度は行った方がいいよ」
と言われ続けて早5年。
いまだに行くチャンス・・というか、切欠がない。

明け方まで、クラプトンを弾きまくる。


2004年05月05日(水)



 一人ぼっちな気分

Bitsの編集ミーティングに顔を出す。
あややが俺の記事を書いてくれてたが、NGで、ダメ出しした。
ちょっと気の毒な気もしたけど、
「鉄は熱いうちに打て!」精神を発揮して、あえて厳しく。

夕方、Gladstone Hotelのジェリーに会う。
極秘プロジェクトが進行中。
会場費を半額まで値切ろうとガムバッてみたが撃沈。

夜、Mercer Unionギャラリーの裏手にある
【Famous People Players】という
身障者の方たちが運営する劇場へ招待される。
今夜は一の蔵の皆さんが、特別に歌を披露することに
なっているのだ。

ここのオーナー、ダイアンさんの自伝を
某日系ヴォイスのTさんが翻訳していて、
事前に借りて読んでいた。
それだけにかなり期待してパフォーマンスを鑑賞。
厳しい見方をすれば、すでに時代遅れとも
取れるパフォーマンスだったが、
確かに熱いものが伝わってくる。
願わくば、そこに留まらずあえて前進していって欲しい。

デザート後には、そのダイアンさんと初対面。
一度、電話では会話していたので憶えていてくれた。
一の蔵用に持参していた俺のカレンダーを
大そう気に入ってくれて、
「この絵はまだあるか?」とか、
「こっちの絵はいくら?」とか買う気満々。
後日、あらためてアポイントを取る約束をした。

バスで帰還する一の蔵のメンバーを見送り
豪雨の中、歩いて帰る。
が、
あまりにも雨が酷いので、近くのDrake Hotelで
一杯飲んで時間を潰す。
今夜は誰も知人がおらず、窓際に一人でボーっと
路上を見つめる。
慌しかった一週間がまるで去年の出来事のように感じられる。
12時を過ぎ、そのまま寝てしまいそうになったので
雨が止むのを待たずに帰ることにした。
しばらく感じなかったが、今夜はなぜか
とっても一人ぼっちな気分。


2004年05月04日(火)



 反省

一夜明けて、今晩は一の蔵の皆さんとディナー。
地下鉄に興味があったようなので、
ダンダスのホテルから総勢25人が地下鉄で移動。
レストラン絵馬亭を、ほぼ貸し切り状態で占拠する。
コンサートの反省会を兼ねて
また日本酒を飲む。

それにしても、一の蔵の皆さんてタフだわ。
日中はナイアガラ観光でアチコチ行ってたはずなのに。
団長のKさん以外の方々とも話すことが出来て
とても良かった。

ただ、今回のコンサートにて
期待に添えなかった部分が多々あり、個人的に反省している。
なぜ、このコンサートを俺がプロデュースする必要があったのか?
もっと大きなものに出来る可能性がいっぱいあったのに、
なぜ、出来なかったのか?
誰がやっても同じ、というものだったら最初から引き受けなかったはず。
自分なりに、何か新しいチャレンジをしようと思ったから
引き受けたはずなのに、どこかで歯車が狂ってしまった。
そこには、カナダと日本という異なった文化体系の影響もあるし、
単に人種の違い。と言ってしまえばそれまでだが、
カナダ側とは最後まで交われない一線を確かに感じた。


2004年05月03日(月)



 Together In Music

1時間くらい寝ようと思ったら寝付けずに
風呂に入ってしまった。
それからウトウトしていたら結局9時過ぎてしまい、
慌ててスーツに着替え、家を飛び出す。
予約していたレンタカーを借り、スタッフの子を拾いつつ
会場であるJCCCに到着。

ステージ・セットのことや
楽屋のことや
パーティー会場のことや
大小いろんな問題がブァーっと襲ってきた(笑)
こういうイベント事でオーガナイザーが飛び回ってはいけない。
とりあえず一つ一つスタッフに指示を出し、
なるべく俺は動かないことにする。

問題がひと段落してからスタッフを連れて買出しに出掛ける。
開場の午後2時まで、一時の休憩も取れない。
腹は減るし、問題は次々と起こるし全く気が抜けない。

司会者や来賓、ゲストスピーカーらと次々に打ち合わせ。
そうこうしてる間に本番がスタートしちゃった。
結局、満足にステージを見届ける余裕も無く終了。
それと入れ替わりでパーティーが始まる。
一言だけ英語でスピーチ。
俺は一滴も飲まず、というか飲む気分ではない。

20時に全てが終了し、後片付けを済ませる。
スタッフの子達とエグリントンの寿司バーで打ち上げ。
ここでも飲まず。
そして、レンタカーを返却し、スタジオに戻ったそのキッチンで
日本酒ガブ飲み(笑)
爆発しました。
その後の記憶なし…。

2004年05月02日(日)



 怒涛の一日

昼間、某アート雑誌のインタビューを受ける。
英語での受け答えは久々だったので
どうも上手く伝えられなかった。
はっきり言って、ボキャブラが少なすぎ!
辞書持ち歩くようにしないと。

夕方、Bitsにて編集作業のチェック。
自分が手掛けた特集だけに力が入る。
が、ミスが多すぎる!
Kazuさんと相談して、急遽変更を加えることになる。
1/4ページくらい丸々空いてしまって
それを埋めるのだが、今日中に仕上げないといけない。

急いで空港へ向かう。
明日に控えたコンサートに出演する【一の蔵合唱団】が
今晩、日本からやって来るのだ。
先月完成したばかりの新ターミナル1は
「綺麗、センス良い!」と聞いていたのに
さすがはカナディアン、センス悪すぎです。
現代アートが各所に置かれいるんだけど
それが、これ見よがしになっていて思わず失笑。
空港や駅、病院などで見かけるピクトグラムという標識
(文字を使わず絵だけで物を示すもの)は
本来の役目すら果たさず、
どこへ行けば何があるのかも不明。
空港に限らず、良い施設にはデザインそのものよりも
まず機能性が大事。現に、良いデザインは簡単に見える。

【一の蔵合唱団】が時間より多少遅れて到着。
空港からホテルまでチャーターバスで移動する。
ホテルにて食事+明日の打ち合わせ。

帰宅したのが夜11時。
それから明日のプログラムの印刷にKinkosへ自転車で行く。
開いててよかったKinkos。
24時間営業で助かります。
注文していた紙をチェックして、すぐに印刷開始。
思うような印刷の濃さにならず、何度も試し刷りをお願いする。
2時間くらいでやっと400枚が仕上がった。
帰ろうと思ったら外は大雨・・・
自転車なのに・・・

家に帰って、びしょ濡れの服を着替え、
とりあえず夜食。
ここからが本番。
明日のゲストリストをエクセルに打ち込み、座席割りを決める。
それからスタッフ一人一人が受け持つ作業を
紙に書き起こし、データ入力。
一日の進行表を更新。
スタッフ・バッジやチケット販売用の金庫を用意。
屋根裏部屋からパーティーで使用する紙皿やカップを降ろす。
会場に展示するポスター2枚を印刷し、
フォームボードに糊で貼り付ける。

この時点で朝5時。
それからBitsの特集で穴が空いた記事を考え、
デザインを作り直してイラストレーターで書き起こす。
簡単なイラストを描くつもりが、気がつけばかなり緻密な
イラストを2点仕上げてしまった。
とりあえずセーブして、メールでKazuさんに添付。
あとは好きに料理してもらうしかない。

これから1時間くらい寝ようと思います・・・


2004年05月01日(土)



 JCCCにて

知人の紹介で、某有名企業の秘書が
スタジオを来訪。
すっかりアポを忘れていた俺は
慌てて部屋を片付ける。
聞いた話では、
オフィスに飾る絵を物色中。
しかも日本企業なので日本人の画家がいいという。
はっきり言って俺の絵は日本人ぽくない。
しかも、ヌードとかもある。
オフィスに相応しくないのはこの上なしだ。
予感は的中し、
その秘書は気に入ってくれたのだが
社長にはちょっと刺激が強すぎるとのコメント。
なぐさめに
「でも社長はオープンマインドだから一応ウェブサイト
見せてみるわね。また連絡します。」
と言い残して去っていった。
たぶん、無いだろう。

午後からJCCCにてコンサートの最終打ち合わせ。
もう明後日に迫っている。
ステージ舞台担当のJimさんとChristineとが
費用を巡ってバトル。
どさくさに紛れて俺も会場費のディスカウントを要求する。
はっきり言ってここの会場費はケタ違いに高い。
ちょうど上の階に日本ーカナダ特使であるS氏を
見つけたので、彼にも相談。

帰りがけ、某日系VoiceのTさんを訪ねる。
以前から一緒に絵本をやろうと言われていて、
今日やっとその原本を読んだ。
近いうちにまとまった時間を取って
やってみたい企画だ。

2004年04月30日(金)



 深夜の駆け引き

引き続きコンサート関係の調整と
【Bits】で担当している特集号の監修で一日が終わる。

本当は今日にでもコンサートのプログラムを
完成させなければいけないのだが、
英文のミスや間違いをカナディアンの知人達に見て
もらっている為、なかなか作業が進まない。
とりあえずデザインと文字が入る枠だけを仕上げる。

【Bits】の特集でも、表紙部分を丸々請け負うような形で
かなりキツイ。こっちも明日が締め切り。

どっちもデータが重いので、イラストレーターとフォトショップ
フル稼働で使えるようにHDから余計なファイルを削除。
その量なんと50GB。
めちゃめちゃサクサク動くようになった。

深夜3時に近所のベトナムレストランまで行き、
ベトナム式コーヒーでカフェイン注入。
深炒りエスプレッソとコンデンス・ミルクが
胃袋にしみるぜ。
これで朝までGO!モードに突入。
そのまま麺を注文しそうになり、
「いやいや待てよ。そんな食ってる場合じゃない」
と思い留まる。
深夜の駆け引きに勝つ。

2004年04月29日(木)



 最終調整

あと5日後に迫ったコンサートに向け
最終調整に追われる。
RSVP出席者の名簿作成や
まだ返答がない人への電話連絡が大変。
Famous People Playersの代表ダイアンさんが
やっと捕まったと思ったら、
彼女が招待状を受け取ったのが昨日!だと発覚。
どうやら秘書のテーブルに長い間埋まっていたらしい。
日本からやってくる合唱団【一の蔵】とダイアンさんは
密接な関係だと聞いていたので慌てた。
しかも、すでに別のコンファレンスでスピーチの
予定が入っているという。
最初は「行かれない」と断られたのだが、
そこを「何とかパーティーだけでも」とお願い。
夕方になって、ようやくOKが出た。
滞在時間は短くてもしょうがない。
顔を出してもらうことが大事だ。

レセプションのスポンサーである
M社長のところでミーティング。
こっちの予算では到底賄いきれない量の料理を
出してくれることになった。

プレス関係では、日系のTVからも取材依頼があった。
この番組には度々出てるので、今回はあえて
JCCCのChristineや一の蔵だけを
取材してくれるようにお願いした。
狭い日系社会なので、そう何度もTVに映ると
「目立ちすぎ」だの「いつも出てる」だの
誹謗中傷が多いので(笑)

2004年04月27日(火)



 橋フェチ

今日は画家モード。
5月15,16日のアウトドア・ショーが決まったので
これから数枚を仕上げる予定。
朝から妙にやる気で
7時起床、画材店が開く9時には店の前でスタンバイ
という気合の入れよう。

そう、やっと描きたいモチーフが固まった。
今は人物でなく、建物・風景を描きたい。
俺は「橋フェチ」で、巨大な橋を見ると気分が高揚する。
土地と土地を繋げるパイプのような橋。
人と文化とが行き来をする橋。
本格的に画家を目指して、初めて描いた作品が橋。
その頃、俺はバンクーバーにいて、
バラード・ブリッジという橋がすごく好きだった。
早朝や夕方、夜と、いくつもの表情があって
何度も何度も描いた覚えがある。

原点回帰として、今とても橋を描いてみたいのだ。
ニューヨークの有名なブルックリン・ブリッジは
何度か描いているので、今回はマンハッタン・ブリッジ。
規模や年数はブルックリン橋に負けるが、
ウディ・アレンの映画【Manhattan】にも出てくる
とても優雅な橋で、ある意味女性的な色気がある。
その橋を、モネじゃないが、連作で描いてみようと思ってる。
もしかしたらアウトドア・ショーには
間に合わないかもしれないけど
今回はじっくり納得いくまで画面を構築してみたい。


2004年04月26日(月)



 テンション下がりっぱなし

天気が良かったのは昨日だけ。
今日はまたも雨。

Rafiに呼ばれてケンジントンまで行く。
画家仲間のダイスケくんがRafiのプロジェクトを
手伝うことになり、今日初のミーティングらしい。
ダイスケくんなら俺よりキャリアも知識もあるから
正にうってつけの人材。

遅れて到着したら
もうミーティングは終わってて
単に雑談をして帰る。
あ、違う違う
大事な話があったんだ。
ワクイくんが個展を延期したいと言ってきたので
その件を話し合う。

夜、Bitsのアートリスティングを仕上げる。
なんだか今回は凄く時間が掛かった。
トロント中のギャラリーをインターネットで検索するんだけど
サイトを更新してないギャラリーが多すぎる!!
メール出しても返事が来ない所も多いし。
やっぱ、アレか?
儲かってないからアドミン雇えないのか、
他に仕事持っちゃって、ギャラリーは二の次なのか、
別に特定のギャラリーを指してるわけじゃないよ。
だから何か、トロントのギャラリー盛り上がってきてる
というのも眉唾なんだよな。

ほんと最近トロントに対するテンション下がりっぱなし。


2004年04月25日(日)
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