-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 目からウロコの発見

忙しい時期に限って、色々なお誘いがくる。
スノボー
パーティー
食事
オープニング・レセプション
Etc...

「暇なときは何もないのに、
忙しい時に限って、いろいろ重なるんだよね」と
当然、個展の準備で忙しいと断るのだが、
果たしてそうなのか?

いろいろと用事が重なるから
あっち行って、こっち行ってと
【忙しく】なるんであって、
暇なときは
用事が重なってないから
忙しく感じないだけなのだ。

だからリゾートなどへ避難すると
人は、【忙しい】状況から開放されて
Happyになるのはすごく理に適ってる。

ウェイトレスを見てても、
一人はすごく忙しそうに
あっち行って、こっち行ってと
動き回ってるのに、
一人はヌボーっと
暇そうに突っ立ってたりする。
もしも
その子が突然やる気を出して
「お皿を下げなきゃ!」
「3番テーブル、コーヒーね!」
となれば、
状況は同じになる。
用事が重なることによって
人は忙しくなるのだ。

自分的には
目からウロコの発見でした。


2004年02月08日(日)



 Marvish villageへ

個展のプロモーションでMarvish villageへ。
オタク御用達のコミックストアや
アート専門書店、ギャラリーなどが並ぶ地区。
ポストカードを置かせてもらう。

ジュエリーショップ【Draganov】に寄って
工房で遊ばせてもらいつつ
しばし雑談をする。

休業日で誰もいない【Bits】オフィスで
Kazuと3時に待ち合わせ、二人で作業。
ちょっと煮詰まり、
思ったより時間が掛かった。
気付いたら夜10時半を過ぎてて
慌てて帰宅。
今夜は俺が腕をふるって
レバニラを作る予定だったのに
こんな時間にレバニラなんて
頭おかしいと思い、ラーメンに変更。
どっちにしろ中華系が食いたかったみたい。

ようやく絵の制作に入ったのが
深夜2時・・・
「絵は勢いがたいせつだ!」
と荒っぽくやってみる。
が、失敗・・・。
塗った部分を元に戻す。
明日は慎重にいきます・・・。


2004年02月07日(土)



 ウガンダ

Yorkvilleにあるギャラリー【Hittite】にて、
Batik(アフリカン・アートの技法)アーティストによる
グループ展があり、オープニングに顔を出す。

このギャラリー【Hittite】は、
以前の日記【マフィアに脅される2003年1219)】
に出てきたいわく付きの場所で(笑
新年初顔合わせになった。









ショーの方は、【Let's Have a Dream】に
出てもらったRoxaneが出展してたり、
今回連絡をくれた日本人の牛堂さんの
作品がとても良くて驚いた。

さらに驚きだったのが、
会場でカメラを回していた黒人男性に呼び止められ
挨拶をした時だ。
「Nice to meet you,僕も絵描きです」と挨拶して、
「tomolennonです。」と名乗った途端
「Oh, My God!君がトモレノンかい!」
・・・何だこの反応!?
こっちがビックリした。

実は、彼David Kibbukaさんは
去年からオレを付け回してたらしい。
春に【Just Dessert】で初めて絵を見て、
それから夏のイベントや【Artfocus】にも
来てくれてたらしいのだが、
オレがブースに居なかったり
何だりで、一度も会うことはなかったのだ。

毎回、彼は名刺を残していってくれてて、
それで俺も思い出した。
しかも2度くらいメールをもらっていたにも
関わらず、俺は一度も返信してなかった・・・(反省)

こんな場所で初対面するなんて
お互い思いもよらなかった。
Davidさんはウガンダ生まれのカナダ育ちで、
Batikアートの継承者として著名な人だとは
この時はじめて知った。

ガーッと一方的に話されたので
あまり覚えてないが、
どうやら俺をウガンダに連れていきたいらしい。
展示なのかな?
世界中でBatikのワークショップをやってるらしく、
来月もヨーロッパやどこかへ
出掛けると言っていた。
「ウガンダ行きの詳しいことはメールで送るよ」
と言われて別れた。

ひょっとして俺、ウガンダ行くの?
ていうか、ウガンダがどこにあるのかも知らないんだけど・・・。
どうやら今年は外に出て行く年みたいだ。



2004年02月06日(金)



 有り得ない光景

領事館のD氏に招待されて【いちもく会】に参加した。
カナダ人と日本人の交流団体らしく、
参加者はカナダ50%、日本50%くらい。
今日は、【アーティスト特集】ということで
参加費免除のうえ、
ドア・プライズ(懸賞)で図書券まで貰ってしまった。

会場のカラオケ・バーは超満員。
どこにも空席がなく、ずーっと立ちっぱなし。
最初は全然知ってる人もいないし、
「どこが【アーティスト特集】なの?」って
ツッコミたくなるくらい、誰もアーティストなんて居なくて(笑)
早めに引き揚げようかな、と思った。

D氏に
「誰かアーティスト紹介してよ」と頼むが
ほとんどパートタイム・アーティスト(本業が別にある)
ばっかりで、まるで興味が沸かない。
そもそも
意味不明の飲み会に参加するほど
体力を消耗するものはない。
自己紹介を繰り返し、
聞きたくもナイ相手のプロフィールを尋ねたり
まったく不毛だ。
そのくせ、
「どうやったらギャラリーでショーをやれるの?」とか
「どうやったら○○?」
「どうやったら△△?」
「どうやったら××?」
の質問責め。
そんなの自分で考えろって感じ。

ビールを一本飲み終わった頃、
ようやく知ってる顔がポツポツ来はじめた。
Inside Artのオーガナイザー、Peterには
3月のショウに参加するよう再三頼まれてるが、
未だにYesとは言ってない。
電話で呼んだRafiも来た。
弾けモード。
目の輝きが違う。
ダイスケやケンイチくん、
領事館のMさんに
IVラウンジのオーナーやJavaのNさんも来て、
今度は喋るのに忙しくなってきた。

先日、新企会で絵を買ってくれた三井物産の社長や
Butler'sで同じ絵を二枚も(?)買ってくれたお客さんに
偶然会ったりして、トロント狭し!を実感する。

ようやくエンジンが掛かってきた頃、
会はお開き。
ほとんどの参加者が帰った。
残ったメンツでカラオケ・バトルが始まった。

Rafiは領事館のMさんと【In my Life】を肩を組んで激唱。
有り得ない・・・

俺もD氏と【All my loving】を歌う。
これも有り得ない・・・

三井物産の社長がデュエット。
セクハラすれすれ・・・

なんだ、この光景は・・・
この「有り得ない」組み合わせにすっかりヤラれて
結局最後まで付き合った。
外は猛吹雪。
ウェイトレスの冷めた目線が痛かった(笑)

2004年02月05日(木)



 

新作【Till there was you】が完成!
(またもBeatlesのタイトルナンバー)

雪国独特の淡い夕暮れを表現しようと思って
たびたび外へ出ては、
実際の夕暮れを見つめました。

自然の風景はあまり描かないけれど、
雪が降ってる時だけは、
人工建造物と自然の境い目があいまいになって、
とても好きだ。

自然界にある【白】って色は、
空に浮かぶ雲や、
雪の結晶のように、
ふんわりと柔らかいイメージがあるが、
ひとたび太陽を浴びると
目を開けられない眩しさや、
火傷するような光度の強さ、
キャンバス上に置き換えられないほど強い光を発する。

さらに、どんな色でも
明度を上げていくと最後は白になるように、
すべてのものを含んだ崇高な色なのである。
俺の部屋の家具は
なるべく白で揃えるようにしている。
もう1つこの色が好きな理由に、
夕焼けになれば赤く染まり、
ランプを灯せば黄色く色づくように
どんな色をも受け入れる大きさが好きだ。

この新作では、雪をたくさん描いた。
夕暮れの街明かりを浴びて、
様々に変化する雪の白色をじっくり観察しながら
内心は完敗宣言。
こんな色、決して絵の具では出せそうもない。

YOKOさんは、
「空の美しさにかなうアートなんてあるのだろうか?」
といい、
ガラスを宙に浮かせただけの作品
【空を見るための絵画】をつくった。
俺もほとんどそういう心境。
蛇に睨まれたカエルのように、
アートって
自然の前では無口になります。


2004年02月04日(水)



 文化に合ったサイズ

昨晩は大変だった。
俺よりも慎也さんの方が大変だったはず。
本当なら、
今日も同じトラックで自分の引越しをするはずだった。
朝イチでレンタカー会社に文句を言い、
料金をタダにしてもらって、別の車を借りたらしい。

で、俺も引越しをお手伝い。

一軒家を買ったんだよね。
うらやますぃ〜!
子供ももうすぐ生まれるので、
Wうらやますぃ〜!ですよ。

こっちでは、
家を借りたり買ったりすると
壁の塗り替えや配線など
自分の手で改装工事をする人が多い。
慎也さんも例に漏れず、
せっせと新居作りに励んでいる。
俺も引っ越す度に
新しい工具を買ったり、
新しいことに挑戦しているので、
そのうち本気で家一軒くらい建てれるようになるかも?

こういうのって、
日本にいたら決してやらなかっただろうな。
改装ダメなところばっかりだし、
「気分転換に壁の色を変えてみよう!」
なんてのも無理。
工具箱すら持ってなかった気もする。
今さらながら、日本の住宅事情って悪いと思う。

こっちの建物って、平均して日本より天井が高いので
描く絵のサイズもどんどんデカくなっている。
やっぱ、その辺は文化なのかなぁ?
こっちで描いてる絵をそのまま日本に持っていったら、
「デカすぎるかな」と思うだろうけど、
ここだったら、全然普通に見えるんだもん。
逆に、小さい部屋だったら
作品もどんどん小さくなっていく気がする。
それぞれの文化に合ったサイズってあるんだね。

そう考えると、
日本の美術館のサイズはおかしい。
だって、天井の高さは欧米並みなのに、
制作するアーティストの自宅は日本規格なんだから。
小さい部屋で
無理矢理大きな絵を描かなきゃならない。
それって不自然です。
いっそここと、
日本の美術館の天井は、
日本家屋を基準に高さを考えた方が良いんじゃないだろうか?



2004年02月02日(月)



 落とし穴

【新企会】という、トロントのビジネスコミュニティの新年会で、絵の展示と販売をやった。
日本で言うと、地域の商工会みたいなもので、
トロントの大小様々な会社が会員となっている。
会長のM氏には、展覧会の度に絵を買ってもらったり、
スポンサーになってもらったりしているので、
「お世話になっている御礼」として
展示の話しをOKした。
けど、新年会という場で
絵の販売をしてどうなるの??という気がして
慎也さんと一緒だったからOKしたけど、
一人だったら嫌だったな。

幹事のSさんからは
「食事無し」を宣言されている。
つまり、パーティーには参加できない。という事。
それに、展示場所に宛がわれたのは、
パーティー会場外のホール。
「えっ、中じゃないの?!」
パーティー始まったら、完全に蚊帳の外じゃん。

会場時間になると続々と人が来て、結構盛り上がった。
知ってる顔が多かったし、
絵は知ってても、自分の顔を知らない人と交流もできたし。
日本式に名刺がバンバン飛び交う。

しかし、さっきの予感は的中。
扉の向こうでは、パーティーの余興がはじまり、
ホールには俺と慎也さん、バーテンダー2人がポツンと取り残された。
「飯でも食いに行こう」
ホテルを脱出して、近場のレストランで飯を食う。

会場に戻ると、オークションが始まっていて、
品物が足りないから絵を寄付してくれないか?と、
弁護士のIさんに頼まれる。
「プリントならいいですよ」と言ったら、
すぐにステージに連れて行かれて
俺の絵がオークションに掛けられた。
「じゃぁ、$20から・・・」とスタートして、
みるみるうちに値段が上がり、
「$250!!」
三井物産社長が落札。
俺は内心、
「え〜、原価はたったの$150なのに・・」
と思いつつも、ほくそ笑む。
売り上げは奨学金のために新企会に寄付。
俺って偉いかも。

パーティーが終わった頃に、
数点が流れるように売れた。
これも、さっきのオークションに出た効果だろう。

機材をかたずけて、さぁ帰りましょうという時に
更なる事件が・・・
車を取りに行った慎也さんが、
歩いて戻ってきた。
「エンジンが掛からない。」
・・・
レンタルしたトラックは、廃車寸前の年代物。
外の寒さでセルが回らなくなっていた。

CAA(日本でいうJAFね)に電話したり、
ケーブルを買ってきて、車と車を繋いだりしてみたけど、
バッテリー自体がイっちゃってるから無駄骨だった。
結局、CAAの修理車に来てもらい、
何とかエンジンが掛かった。
時計はもう深夜12時を回っていた。
せめてもの救いは、
気温がそれほど低くなかった(-10℃)ことと、
雪が降ってなかったこと。



2004年02月01日(日)



 没収

母親が送ってくれた荷物がやっと届いた。
日本で出したのが、12月18日。
そして、今日は1月29日。
航空便は、通常1−2週間で届く。
あんまり遅いので、もしかしたら紛失・盗難か!?
と思っていただけに、ホッとする。

遅れの原因は、中に冷凍食品が入っていたこと。
「税関で没収しました。」という紙切れが一枚入ってた。
お前ら、その食品どうすんだ?
食っただろ!?
って突っ込みたくなる。

学生の頃から【没収品】の行方は気になっていた。
「こち亀」を先生に没収された後、
職員室でこっそり読んでいる先生を見たことがある。
警察にタバコを取られた事があるけど、
絶対「お前が吸うんだろ!」ってミエミエだったし。

だいたい、麻薬でも密輸でもないのに
政府が税関で没収するなんておかしいぜ。
前に、政府関係の人に聞いた話で、
政府の人は、空港の荷物チェックを拒否できるらしい。
なんだよ、それ。

俺なんて、バンクーバー旅行から日本に帰った時、
お土産のチョコレートの包みまで破られて
中身を検査された事がある。
没収されてはいないけど、ボロボロの包みで
誰にお土産渡せるんだ!ってキレた。

規則と法律は別モノだけどさ、
でも、違法でない限り、
人が人の物を取り上げるのは良くない。
ジャイアンがのび太から物を取り上げるのと同じかも。

2004年01月29日(木)



 プロモーションの日

夜は絵描き、昼間は個展のプロモーションをやろうと思い、
今朝寝たのは7時。
起床、10時。
初日から無理っぽい。

個展の会場【Wagner〜】で、Paulaにカードとポスターを渡す。
「ポスターまで作ったなんて素敵!」と、
いつもは愛想の良くない彼女が笑った。
つかみはオッケー。
ギャラリーが客に出すダイレクトメールは300通。
大富豪が含まれてることを望みます。

近くのアート系カレッジ【George Brown】へ侵入。
こっそりと掲示板にカードを貼る。
二階にも貼る。
三階にも貼る。

一階に戻ってきたら、もう取られてた。
果たして職員が剥がしたのか、
生徒が持ち去ったのか不明。

アート施設【Distillery】へ行き、和紙職人のアケミさんと、フォトグラファーのメラニンに招待状を渡す。
メラニンの紹介で、同じ敷地にあるインテリアショップ【Distill】へ行く。
二階がギャラリーになっていて、
「ショウやらない?」という話になった。
ちょっと考えよう。

King stのストリートカーが事故で不通になっていた。
結局歩いて帰宅。
夏だって、こんな長距離を歩くのは嫌なのに、
今日は大雪。
足の感覚が無くなってきたので、
「俺は今、トレーニングをしてるのだ。
来週、格闘家としてデヴューするのだ!」
と、言い聞かせて歩く。

帰ってから、彼女の買い物に付き合って【Eaton】へ。
お父さんの洋服を選ぶ。
フードコートで夕食。

帰ったらもう10時だ。
夜中に友達と飲む。
どこも閉店間際なので、結局隣にあるBar【Cicago】にする。
結構、熱い話になったなぁ。
しんみりするはずだったのに。

さて、頑張って絵を描くべ!
足の指が冷たいので、ヒーターに足を乗っけて描く。


2004年01月28日(水)



 地元のアーティスト

大雪です。昨日から降り続いた雪で、街はすっかり埋まってます。BC州では体感気温がー43℃だという・・・。トロントはー39℃くらい。

個展のポストカードが出来上がったので、朝イチで印刷所に取りに行く。プルーフ(校正)よりも色がくすんでてショック・・・。1000枚頼んだのに、何故か1300枚もあって、おかしいな?と思ったら、300枚はお店がサンプルとして配布してくれるのだそうだ。嬉しいのか勿体無いのか、微妙。

昨日に引き続き、【Bits】の面接官をやる。と言っても、今日来る子は友達のMちゃんなので、もう聞くことも無いし、ほとんど確認だけの面接。即戦力だと勝手に決めている。

ランチに近所の【Sushi Time(Bloor店)】へ。ウチの一階がSushi TimeのQueen店なのは有名だが、せっかく外食するのにまたSushi Timeとは、我ながらいい客だと思う。

店員に知り合い発見。枝豆と唐揚げがサービスで出てきた。間もなく日本帰りのHさんが合流。昼から食いすぎっていうくらい、食った。

Queenの画材屋に寄って、個展のプロモーション。ここの店員は嫌な奴が多いが、一人だけMonicaって娘は俺の味方だ。本当は置いちゃいけないカウンターに、俺のカードを置いてくれた。

他にも、トロント画材屋には一店舗に一人くらい味方がいて、色んなサービスをしてもらっている。

学生でもないのに、学割にしてもらったり、
会員用のクーポンをもらったり、
コンペの情報をもらったり、
袋を二重にしてもらったり。・・・これは微妙。

まぁ、大体みんなアーティスト志望だから、地元のアーティストには優しいみたい。

おっ、

待てよ。

って事は、俺は【地元のアーティスト】って認められてるわけか?

考えるとバカバカしいけど、そんな事が嬉しく感じられるのは、認められない時期があったからだよな、やっぱり。

もし、俺がカナダ生まれだったら、絶対そんな事感じないもん。

何気に嬉しいことに気付いた。

2004年01月27日(火)
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