-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 新鮮な言葉

吹雪です。今冬初めての冬らしい日かな?北海道で育った頃は、冬といえば路面という路面がすべて雪で埋まるもんだと思っていた。トロントもやっと冬らしくなってきた。

雑誌【Bits】のプロデュースに関わって2ヶ月。営業部門の新人を面接した。久々に「面白い子だな」と思った。

こちらが望む答えを探し当てて、さも「私はこう思います」と平然と答える子よりも、こちらが思いもよらない答えを持ってる子に惹かれる。

言葉を沢山知ってることは便利だけど、時につまらなく感じることは無い?

「心臓がドキドキする。」

ドキドキすることを、「ドキドキ」という言葉以外で表現しようなどとは、もう思わないほど頭が固まってしまっているのだ。俺って、言葉のセンスないなぁ・・・、と思う。

もしかしたら、
「心臓がパクパクする。」
や、
「心臓がトクトクする。」
の方が、自分の表現に近いのかもしれないのに、「心臓」といえばイコールのように「ドキドキ」と言ってしまう。

自分の中の【当たり前】な感覚を刺激してくれる言葉を聞いた時、とても新鮮な気持ちになる。


2004年01月26日(月)



 SPIN Galleryが再オープン

SPIN Galleryが移転して、Queen Westに再オープンした。以前のスペースが閉まったのが昨年秋、それからオーナーのStewartもJunoもロケーション探しに右往左往してたので、こんな良いスペースが見付かって本当に良かったね、って感じ。


ビルの2階を丸ごとブチ抜いた、ニューヨーク・スタイルのロフト。奥には遮光ブースが2つあって、フィルムやスライドの上映にも利用できる。

招待されたオープニング・レセプションには、メディアやアート関係者も招かれ、とても華やか。それにしても最近のQueen Westは、新旧のギャラリーが入り混じって良い感じ。一般人の比率はまだまだ少ないけどね。

パーティーを後にして、領事館のMさんの「鍋パーティー」に参加。もう3回目だ(笑)。でも、こういう風に政府の人や研究者の人たちと酒を酌み交わせるのは、日本では有り得ないので、貴重な場だ。面白い話がいろいろ聞ける。

ほろ酔い気分になりつつ、絵の進行が気になる。いつまでも腱鞘炎などと言ってられない。個展は着実に近づいている・・・。


2004年01月24日(土)



 ガンダムの再発見

やっと【起動戦士ガンダム】のTVシリーズを観終った。大人になって、やっとこの作品が理解できるようになったが、幼少の頃によくこんな難解なアニメを観ていたと思う。ストーリーといい、背景設定や人物描写といい、世界に誇るべき長編スペクタクルだ。

大人になって観かえして、気付いた事の1つに、登場人物の名前の設定がある。

アムロ・レイ
リュウ・ホセイ
カイ・シデン
ミライ・ヤシマ
フラウ・ボウ
キッカ・キタモト
マ・クベ
ククルス・ドアン
ララァ・スン

今でこそ国際結婚や異人種間の結婚が当たり前で、子供に付けられる名前も英語だったり日本語だったり、いろんな人種の名前が付けられているけど、もっと先の未来では、これが当たり前になって、苗字や名前だけでは何人か判断できない世の中が来るんだろう。

それに、喋っている言語は世界共通語だと思われ、地球に住んでいようが、宇宙だろうが、黄色人種だろうが同じ言語で会話が成立している。

宇宙といえば、増えすぎた人類をスペース・コロニーに移住させるという設定も、現実になりそうで興味深い。ちょうど先日、火星探査機から送られた、火星の表面写真を見て思ったが、人間が地球以外で生活できる可能性はゼロではなさそうだ。

他にも、テレパシー(?)を操る新人類【ニュータイプ】の概念など興味は尽きない。これ以上は、マニアックな話になってしまうので止めよう。

でも、本当に宇宙に暮らすような時代が来て、子供も宇宙で生まれるようになると、地球で暮らしてる人は羨ましがられるんだろうなぁ。「あの人、地球生まれなんだって!いいなぁ・・」みたいに(笑)


2004年01月23日(金)



 息抜き

絵の制作などで、室内に篭りっきりの生活。徹夜明けだと、頭だけが覚醒状態なんで、クールダウンさせる意味でも眠る前のビデオ鑑賞は欠かせない。しかも、新しい作品じゃなくて、何度も観ている古いのばかり。

昨夜は、ジャック・レモン主演の【アパートメント】。今までずっとダビングしたビデオテープを擦り切れるくらい観ていたんだけど、最近やっとDVDで買い直したばかり。これはマイ・フェイバリットの5本に入る作品。最後に若き日のシャーリー・マクレーンがレモンの元へ走って帰るシーンに涙・・・。

俺の大好きなTVドラマに【今夜、宇宙の片隅で】という、三谷幸喜の作品があるが、これは【アパートメント】が元ネタになっている。ジャック・レモンの役どころを演ずる西村雅彦のキャラづくりも相当素晴らしかった。あいにく、このドラマは不人気だったようで、ビデオは廃刊、DVDでは発売されていない。このビデオテープが擦り切れるまでにDVDを発売してもらいたい!

一昨日は、ニューヨークの三大巨匠スコセッシ、コッポラ、ウディアレンによるオムニバス【New York Stories】。ウディの作品は凡作ながら、俳優としての彼の魅力は存分に引き出されているので好きだ。でも、この中だったらスコセッシの短編が良くまとまっててイイ。

俺もいつか、映画撮りたいなぁ。監督が無理だったら原作でも脚本でもいい。それも無理だったら・・・絵で描くしかないな・・・。

2004年01月22日(木)



 【ツボ】が違います

午後にRafiが神妙な面持ちで来た。今年の秋にDesign Exchangeでやるというプログラムが難航してるという。

それは【Tokyo Doll】同様、日本人アーティストを対象とした展覧会で、俺もこれまで何度か相談に乗ってきた。もともと、このアイデアは去年、俺がまだキュレーターを平行してやっていこうと思ってたときのアイデアだから。

だから、前提として日本人である俺だからこそ実現可能な部分ていうのがある。例えば、日本語のウェブサイトや、アーティストの募集要項を作ったり、直接日本へ行き来してアーティストと連絡を取り合ったり。

Rafiに限らず、外国人が日本のマーケットに入るのが難しいのは、言語の壁だけでなく、どこが日本人のツボなのかが掴めない所だろう。

分かり易い例で、日本と外国のDVDの売り方の違いがある。【アメリ】という大ヒット映画がDVDで発売された時の日本のやり方はこうだ。
■初回限定スペシャルパッケージ
・豪華BOXアメリ缶
・ポストカード
・世界を旅するドワーフからの手紙
・甘い香りのキャンドル
・アメリ・スプーン
・キューブリックアメリ(ゾロタイプ)
・マウスパッド
・特製パンフレット
価格¥8,500

対する外国版は、
■初回限定
特別価格$14.99
特典なし

どう?この分かり易すぎる違い!日本は、これでもか!と特典を付けて豪華さをアピールし、8,500円という高額でも完売させた。外国は、通常価格$23のところを初回だけ$14.99に値引いただけ。

「そんな無駄な特典が付くより、安い方がいいじゃないか!」という外国人の声が聞こえてくるが、違うんだよ、ツボが。外国人が「いい!」というツボのまま、日本に持って行ってもダメなんだ。

これと同じことが、アート展覧会にも言える。Rafiが出したオファーに、日本人が誰も興味を示さないというのは、正にこの【ツボ】の問題だろう。

でもね、日本の今後を考えるなら、あえて日本流の【ツボ】に合わせずに、外国のやり方のままで通した方が良いとも思う。いつまで経っても過保護な日本人じゃいけないしね。それに、少しでも海外に目を向けてる日本人アーティストなら、いつかは通る関門だし。

そんな事をRafiに話したが、奴もタイムリミットと戦っているので、悠長なことを言ってられない。早急にアーティストを集めなければいけないのだ。・・・頑張ってくれ。


2004年01月21日(水)



 ご祝儀

個展の招待状デザインがやっと出来た。午前中のうちに印刷所へ行こうと思ったんだけど、あちこちから電話があって、ついつい午後になってしまった。

今回は郊外の印刷所へ行く時間がないので、印刷はダウンタウンの【Adfactor】に注文した。店員のMatthewもアーティストで、一度彼のショウを見に行ったこともある。しばし立ち話に花が咲く。

スタジオに戻ると同時にMatthewからTELがあり、再来週の予定だった仕上がり日を、一週間後に繰り上げてくれるという。速攻でプルーフをPDFで送ってもらい、OKを出す。めちゃくちゃラッキーだ。

絵の制作の方は、一旦新作を中断して、特別注文の最後の一枚を描き始める。これはトロントで知り合った友達がもうすぐ結婚するので、そのお祝いに何人かで注文してくれたもの。

今まで、結婚式場に飾るWelcomeボードとか、お祝いの絵を5〜6枚描いた。ほとんど知ってる人ばかりで、そのいづれも離婚してないので、勝手に「俺の絵は縁起がいい!」と思い込んでいます。

それにしても、俺の周りは結婚&出産ラッシュだ。こういう時、「俺は絵描きで良かった」と本気で思う。ご祝儀やら何やらをみんな【絵】で済ませられるから(笑) だって、日本だったら大変だぜ?結婚式の受け付けで「ご祝儀の代わりに、つまらないものですが・・・」って絵を差し出したら絶対うしろ指さされる。

こういう所が日本ってヤだねって思う。すべて金に換算されてしまうから。

2004年01月20日(火)



 主婦になる

今日は、珍しく午前中に起床。「朝から絵を描くぞぉ〜!」とメッチャ張り切りモード。まず、水入れに水入れて、と思って廊下へ出る。

スタジオの扉は、鍵の調子が前から悪く、外へ出るときは開けっ放しにしないとロックされてしまうんだ。けど、廊下がクソ寒いので、ちょっとでも扉を閉じて部屋を出ようとしたら、

【ガチャ・・・】

えぇーー!!
鍵掛かっちゃったよ、おい!

合鍵を持って出掛けている彼女に連絡しようと思っても、電話も携帯も、小銭もすべてスタジオの中。おまけにT-シャツにジャージ、スリッパという出で立ち。これじゃ、外の公衆電話にも行けない。

だいたい、氷点下20℃の世界でT-シャツで外出たら、冷凍バナナになって、「釘も打てます」とか言っちゃいそうだし、それは避けたい。

仕方なく、隣の寝室へ戻り、彼女の帰りを延々と待つことにする。腹が減ったのでパスタを茹でる。

茹でてる途中で、廊下がものすごく汚いのが目について、モップを取り出し床をふきまくる。気持ちいい。さらに、いつも履く靴が凍結防止剤の科学塩で真っ白だったので、それもビシャビシャ洗う。これまた気持ちいい。

ガンダムのDVDを見ながらパスタを食う。眠くなった。寝た。

彼女の帰宅は夜7時だった。

朝あれだけ絵を描く気だったのに、今はやる気マイナス20℃。まったく主婦みたいな一日を過ごしちまった。主婦最高。


2004年01月18日(日)



 忙しくなってきた

個展をやる【Wagner Rosenbaum Gallery】からTEL。トロントの観光案内マガジン【Where Toronto】に載るらしい。画像を選んで、ステイトメントを送ってもらった。

そうだな、もうそろそろプロモーションを始めないといけない時期か。早い。自分でも何かやらないと。

とりあえず、パソコンで招待状のデザインを始める。すると、今度は春の【Inside Art Exhibition】の人から電話があり、オファーを受ける。しかし、これ開催日が、個展と思いっきり被るんだよなぁ。

今年の【Inside Art】には「Japanセクション」が設けられるらしい。国際交流基金や、領事館にも協力を頼んでいて、日本庭園とか(?)、日本のアーティストをフューチャーしたいんだそうだ。

「個展の最中なので、作品が全然ない」と言うと、「1、2点だけでもいいから」というので、「出品料の割り引き次第で出てもいい。」と答えた。相変わらずガメツイ。

もし、これが決まったら、今年は前半のピークが凄いことになるな。もう既に9月くらいまでの予定が決まってる。半年頑張って、あと半年は休みたいくらいだ。


2004年01月17日(土)



 医療番組が面白い

画家モードに戻り、また朝まで描き続け、腱鞘炎再発の恐れ。

最近、医療関係の番組を見ることが多い。
【ブラックジャックによろしく】に始まって、
【Dr.コトー】、
【真夜中の雨】、
【サトラレ】、
【たけしの医療スペシャル】、
さらに寝る前に手塚治虫の【ブラックジャック】を読んでいる。

いやがうえにも、自分の健康が気になって仕方ない。食事は一日1,2食で真夜中に食べることもある。睡眠不足も深刻だし、タバコに便秘と、一日コーヒー1ℓなど良い要素が全く無い。

悪い方へ考えると、高校時代から全く一キロも変わらない体重さえも怪しく思えてくる。ここにきて腱鞘炎が加わって、不健康の5冠王だ。がんばれ、生きるんだ、オレ。

日本へ帰ったら、絶対に健康診断を受けたい。でも、癌の告知はされたくない。俺は、どうして医者を目指さなかったんだろう。ブラックジャックみたいに、自分で自分を治したい。

2004年01月16日(金)



 ロンドン土産は・・・

日本から友達が遊びに来た。空港までは迎えに行けなかったけど、エアポート・バスが到着するホテルまで迎えに行った。

そこのレストランで久々に一緒に食事してお喋り。こんな寒い時期にトロントなんて、何てモノズキなんだろう?凍死しないようにアドバイス。

それからロンドン帰りの友達にも会って、お土産をもらった。それは無印良品の色鉛筆だった・・・。何故にロンドン土産が【MUJI】なのか・・・。


2004年01月15日(木)
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