-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 スパー、つらいっす・・・。

カーロスの道場へ行く。先週は締め切りに追われて行けなかったので、2週間ぶりです。

今日は人数が多くて、寝技のマットが一杯だったから、T軍団長とボクシングのスパーをずっとやった。

トロントも少しずつ暖かくなってきたので、軽くスパーをやってても汗が滴ってくる。時折カーロスの指導が入りつつも4時までずっとスパー。練習が終わっても、まだ人数が帰らず残ってたので、今度はカーロスを相手に順番にスパー。やべぇ、もうスタミナ切れてんのに。

カーロスのパートナーのTimに交代して、またスパー。一体何ラウンドやったか憶えてないぜ。何発かイイのもらって、脳みそちょっと揺れたし、鼻腫れるし。

ボロボロになって帰ってから、Kの家へ行って夕食。また昨日のメンバー。くだらない話をしてるうちに、現在午前2時。まだ帰れそうもないので、PCを借りて、K邸で書いてます。

明日はRafiと【Tokyo Doll】にカナダ側から参加するアーティストのスタジオを訪問の予定。

2003年05月11日(日)



 結婚式

友人の結婚式。天気予報では雨だったが、何とか曇り空でもちこたえた。ウェルカム・ボードも入り口にちゃんと飾られててホッとした。

新婦は昔、同期で働いたことがある子で、新郎はその時の上司。プライベートでもご飯をご馳走してもらったり、家に呼んでもらったりの関係。やっぱ、両方を知ってると喜びも多いね。大抵の場合、新郎か新婦どっちかしか知らないからさ。

懐かしい面々との会話や、すっかりご無沙汰のSくんとも会えたりして楽しかった。

夜は彼女とKくんと3人でS.P.I.N. GALLERYの3周年記念パーティへ。昨日もJunoに会ったので、今日は止めようと思ったんだけど、ゲイ友達のために行くことにした。

S.P.I.N. はゲイ・コミュニティーと根強いから、パーティとなるとゲイが大勢やってくる。

会場で久々に画家のダイスケや、Japan FoundationのTaniとも会えた。お互いの近況と情報を交換。実際に会うと、喋る話題は尽きないのに、わざわざ別の場所で会ったりするのは面倒くさい。だから彼らと喋るのは、いつもギャラリーのオープニングだ。

ひとしきり飲んでから、Queenの秘密Barへ移動。ラザニア喰いながら生演奏のJazzを聴く。NY行きの予定とか考えつつ。

2003年05月10日(土)



 ニューヨーク行き決定!

月末にニューヨークへ行く事になった!これが3度目、YAY!しかも、今回は友達3人で行くから【DAISUKI】状態(古い?)。

これまでの日記にも、さんざんNYに対する思い入れを書いてきたが、今だに色褪せない魅力がある。一歩足を踏み入れると、あの街が放つ独特の居心地の良さに包まれる。懐かしいような、それでいて緊張感がある不思議な空気だ。

前回は、あの9・11テロ直後にオノ・ヨーコさんに会いに行った時。街は平静を装ってはいたけれど、厳かな雰囲気に包まれていた憶えがある。俺が憧れるNYは50年代、60年代、70年代と様々あるけど、その時代の空気はそこにしか存在しないと思うし、あの厳かなNYというのも、あの時にしか存在しないのだと思う。

何年経っても同じ郷愁を感じる都市もあるけれど、NYは、そういう意味では移り変わりの凄く速い都市。今のNYは、今しか感じられない。それが余計に俺を惹きつけるのかもしれない。

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昼間、久々にS社へ行って、社長に会った。極秘で進めてるプロジェクトの相談。この話をまとめられるのは社長しかいない。

その後、SPIN GALLERYへ。日本から持ってきたお土産を渡す。ちょうど今日はオーナーのJunoの個展の前日。SPINの3周年記念というメデタイ日だ。お土産は日本で行われたアートフェアのカタログ。「日本に行ったらギャラリーマップ買ってきて」と頼まれてたので。

でも日本には媒体として「ギャラリーマップ」なんて無いので、仕方なくアートフェアのカタログにした。Junoは今夏、Fiona Smythと共に韓国でショウをやるらしい。

夕方、Rafiのところで一服。ニューヨーク行きの話をすると、「俺も一緒に行きたい!」と言い出した。今回はダメ。そしたら、「じゃあ、NYでは【Tokyo Doll】に関する仕事を2,3やってきてよ。」と責められる。確かにNYでやらなきゃいけない仕事はあるんだよなぁ・・・。考えとく。


2003年05月09日(金)



 MOとMD

昨日一日で、やっと友人のウェディングの為のBoardを描き終えました。とあるNY・ソーホーで撮った建物をメインにイメージした。

ウェルカム・ボードというと、画面上に「Welcome!」という文字を描きそうになるが、さりげなく建物のウィンドウに日付と名前だけを描き込んだ。これがなかなかイイ。

朝10時、Rafiのオフィスでミーティング。昨夜Lynnから受け取ったデザイン案を検討する。多少手直しすることになって、E-mailに添付して自分宛に送ろうとしたが、何度やってもNG。仕方なくCDに焼こうとしたらこれもNG。そんな時間も勿体無いので、ZIPドライブごとRafiから借りて持ち帰ることにした。

俺、ZIPドライブ持ってないんだよね。CD-RWがここまで復旧するまでは、データの受け渡しはZIPの天下だった。でもそれはアメリカ・カナダの話で、日本ではMOの天下だったはず。こっちに来た当初は、「MOは絶対必要だろう!」と思ってわざわざ日本から持ってきたのに、皆「MOって何?!」と聞いてくる。

MOって世界規格じゃなかったのね!?あれは日本だけのものだったのか?確かにカタログとか見ても載ってないし。山ほど持ってきたMOディスクのデータも、今ではすっかりCDに焼き終わって保存してあります。

そういえば、以前MD(ミニ・ディスク)でも同じことを書いたね。日本では定番になったMDだけど、こっちでは、やっとウォークマン・タイプのMDを見かけるようになった程度。ましてやコンポに搭載されてる機種なんてありません。よってMDのディスクを手に入れるのも店舗が限定されてしまう。

まぁ、MOに比べるとMDはまだ幸せだよな。探せばディスクが手に入るんだから。これからは、大容量記憶装置はDVDですか。それ以上の規格も開発されてるけど、大衆レベルではDVDが一番復旧しそう。

まぁ、要は送り手と受け手が不自由なくファイルを受け取れるメディアであればそれで良いです。今日みたいに相手のドライブごと持ってくるなんて今どき珍しい体験をした。

2003年05月08日(木)



 アートと資金の関係

朝9時にRafiが迎えにきて、ミーティングの会場へ。前夜Rafiが徹夜で作った企画書の出来は及第点。でも、もっと良くしないといけない。

時間通りに担当者と会い、長いミーティングが始まった。丁度いまやっている展覧会をトヨタがスポンサーになってる関係から、俺が去年やった【Let's Have a Dream!】の話になった。アレもトヨタがメインスポンサーだったので。

大きな展覧会の場合、大企業の資金協力は不可欠である。経済が良いときほど面白い展覧会が開催されるのは、企業が積極的に協力してくれるから。その中には、余りアートには興味のない企業のサポートも含まれる。しかし、一旦景気が傾くと、そういった企業は手を引き、残るのは社長が根っからアート好きか、企業イメージにアートが関わってる企業のみ。

トヨタ・カナダは前者の方、社長がアートに深い造詣があったことが大きかった。その社長は今年初め、長い任期を終え日本へ戻ってしまった。その事は、担当者もよく知っていて、「これから行われる数々の展覧会のサポートを今度は誰が引き受けてくれるんだろう?」と頭を抱えていた。

それは特に、カナダで日本人が行う芸術活動へのダメージとも言い換えられる。ニューヨークを除けば、美術館やギャラリー、キュレーターからオーガナイザー、アーティストに至るまで、展覧会の為に企業スポンサーを獲得するのは至難の業だ。

俺がカナダでショウをやる場合、マイノリティである日本人であることも加わって、一層厳しい。まず白人至上主義の企業は全滅。いわゆる多国籍企業は、逆に特定の人種のみの催しをサポートしない。頼みの日系企業は'超’有名人でない限り、個人のサポートなんて見向きもしない。

そんな中、あのトヨタだけは門戸を開いてくれていたのだ。幸い【Tokyo Doll】展には、ベネフィットが一致する企業やスポンサーが付きそうだが、この展覧会限りの付き合いになりそうだし、今日の担当者とはその辺の話題が中心になってしまって、非常に長い会議となった。

これから何度となくミーティングしていく上で、今日みたいな話が出来たのは有益だったと思う。何故なら、新しい提案を世に送り出す者同士として、資金の問題は共通の悩み。それを前提に、何が出来て、何が出来ないかを考えるのがスタートラインだからだ。

通常、アーティスト同士などの会話では、机上の理想だけで企画が膨らみ、最終的に「一体これ誰が払うの?」ってくらいに理想主義な発想が多い。だから意外なことに、アーティストが考える企画の場合、後々Yes,Noが資金力によって左右されてしまい、企画が小さくなってしまうことが多いのだ。

逆に、資金やバジェットの問題を考えるのが先にくる、今回みたいな会議の方が、少ない資金でどれだけ面白いことが出来るか?というクリエイティブな企画になる可能性が高い。

話が逸れてしまったが、今日の会議はそういった理由で「良かった」としよう。問題はその後、Rafiと2人でLynnのデザインオフィスへ行き、彼女がミーティングを終えるまでロビーで一時間ほど今日の会議について反省会をしたのだが、久しぶりにお互いの感情がぶつかり合ってしまった。

もちろん、今まで幾度となく意見のやり取りをしてきたわけだから、【Tokyo Doll】展をより良くするという共通のゴールがあれば、どんなぶつかり合いでもいい。しかし、今日の場合は、問題が俺の英語力にあると感じた。

日本語で100%言いたいことが、英語だと60−70%になってしまう部分。その40−30%のズレがどんどん積み重なってしまった結果、俺自身にすごいフラストレーションが溜まってしまったのだ。

Rafiは第一言語が英語だから100%自分の意見を言える。そして俺もほぼそれを理解できる。でもそれに対して100%の意見を返すことができてない。立場が対等だからこそ、どうしても伝えたいその40−30%のロスが許せないんだ。

人種や文化の壁は乗り越えようとは思わないけど、英語という、たかが言語の壁は乗り越えなきゃイカン壁だな、と思い直した。


2003年05月06日(火)



 ゴールデン・ウィーク

日本はゴールデン・ウィークですか。【Tokyo Doll】の件で連絡を取ろうと出版社に電話して気付いた。今年は飛び石連休とSARSのお陰で、海外旅行は激減とか。また休日返上で業務を続けてるアパレル“B”とは連絡が取れた。さすが業績を伸ばしてるところは違う。

【Tokyo Doll】以外にも、3つのプロジェクトを同時進行させているので、何かと日本に連絡を取ることが多い。今年は後半にイベントが集中しそうだ。

今日も昼からRafiとミーティング。WEBサイトのドメインも取れて、仮オープン状態のサイトをチェック。それから展覧会の企画書を再構成。実は、明日会場側との正式な会談なのだ。

相手が興味を示してくれてるとは言え、さらに興味を駆り立てる内容をこちらが提示しなければ意味が無い。内容も然ることながら、企画書のビジュアル自体にも気を配る。

朝からどんよりしていた空から大粒の雨。ミーティングしてる間にもどんどん酷くなってきて、雷雨になった。トロントで傘が必要なほどの雨はめずらしい。Rafi曰く、「Rainy Season Before Spring(春の前の雨季)」だって。やっぱり今は冬なんだ(笑)。

スタジオに戻ってからさらにWEBサイトの手直し。Photoshopでの画像加工がめんどくさい。あぁ、こういうの苦手だわ。

途中何度も何度もRafiと電話連絡を取り、お互いにズレがないように作業を続ける。明日は正念場だとお互いヒシヒシと感じてるんだな。

2003年05月05日(月)



 結婚に縁があるようだ

無事に【Cantine】でのショウがスタートして、ほっと一息つきたい所だけど、次の〆切が迫っているため今日の格闘技ジムをキャンセル。

〆切といっても、個人的なオーダーで、友人の結婚セレモニーのためのボードを制作するのだ。期日は5日後。

何だか「結婚セレモニー」にとても縁があるみたい、俺。実はこれで3度目。一回目は自分の結婚式、二回目は友人の。

そもそも俺の絵って暗いから「結婚」ていう華々しいイメージとは遠いんだけどな(笑)。でもよく考えると、他の列席者と同じく“ご祝儀”を渡すよりも絵を渡す方が俺にしかできないことなので得なのかもしれない。

カナダの場合は現金を渡すよりも、事前に新郎新婦から「欲しいものリクエスト」を聞いて、それを仲間が割りカンでプレゼントする場合が多いんだけどね。でも、いつも俺は絵をプレゼントしてるな。

春は結婚式ラッシュというか、ジューンブライドとかいう造語があるくらいだから、ホントあちこちで結婚式を見かける。てか、トロントまだ寒いっつーの。どうしたの?今年。まだ厚手のコート着ないとダメ。

晴れた日に、街をみると防寒ダウンコートを着ている人もいれば、T-シャツに短パンの奴もいる。無理やりパティオでビールを煽ってるカナダ人も多い。これってカナダ人にとっては【春】なんだろうか?俺にとってはまだ【冬】だけど!?

2003年05月04日(日)



 【Cantine】展示スタート!!

今日から【Cantine】での展示が始まりました。しかし、当初の発表どおり、昨日会場へ出掛けた方には(いたんです!)謝っても謝りきれません。本当にごめんなさい!

朝9時半、画家仲間のシンヤさんに車で迎えにきてもらいました。いいな〜車があるって♪彼女にも手伝ってもらい、わずか10分程で20枚の絵を積み込む。ここから【Cantine】までは15分くらいで着く。

前夜に初めて電話で話したScottが【Cantine】の前で立ちすくんでいた。中にいるスタッフが気付いて正面ドアを開けてくれるまで、やや暫く掛かった。

まず絵の掛ける位置をアレコレ考えてみたんだけど、どうやら作品を多く持ってき過ぎたらしい。全部飾るとギュウギュウになるっちゅーくらい。足りないことはしょっちゅうだけど、多いってのは初めてかも。

6月の個展がキャンセルになったから、その分も含めて展示しちゃえ!という勢いで、約一時間で20枚を飾り終えました。終わった頃にオーガナイザーのPatが来たり、オーナーのJayが来たり。

今回はオープニングパーティをやらない!と断言していたけど、「クロージング・パーティくらいやったらどう?食事も飲み物も提供してもらえるんだし」とPatに諭され、ちょっとグラつく。

一旦家に帰ってから、再びBloorへ出て買い物。それからQueenに戻ってKくんと3人でインド料理をガッつく。インドカレー最高。

夜中12時過ぎから、今度は【Tokyo Doll】のWebサイトをリニューさせた。現在朝の5時。来週早々に会場候補地へのプレゼンがあるので、それまでに完成させないとマズイんで。




2003年05月02日(金)



 またまたすいません・・・

5月1日です。今日から【Cantine】でのショウが始まります・・・と、言いたいところですが、明日、2日からになっちゃいました。ごめんなさい。・・・何か最近謝ることが多いなぁ。

元はと言えばオーガナイザーのPatのミスなんだけど、関係者や協力者への謝罪は自分の仕事です。たった一日とは言え、日時が違うのは大問題ですよ・・・。

問題を丸投げして、尻拭いをPatにさせることも出来たけど、自分でやった方が早いので、会場のオーナーと現在展示してるアーティストの両方へは俺が直接連絡させてもらった。こういう場面では、今まで展覧会をオーガナイズした経験が生きてくる。

まぁ一日空いたので、気を取り直してプライスリストやらBioやらを時間掛けて作れたので、良しとしよう。

2003年05月01日(木)



 i am sorry

【Purolator】という宅配業者は本当ダメ!日本からエクスプレスで送った【Tokyo Dolls】参加者の作品が、先週の水曜日にトロントに到着していたにも関わらず、2度も配達ミス!

一度は部屋に居たのに呼び鈴さえ鳴らさずに「不在伝票」だけ置いていきやがった。それを電話で講義しても、カナダ人(と言い切るには語弊があるが)は絶対に謝らない!更に会社の規定で「5日間を過ぎた荷物は自動的に返送されます」というのがあって、今日俺が自ら引き取りに来なければ返送しますよ、という最悪の事態になった。

意地になって【Purolator】に謝罪を求めるよりも、もう諦めて引き取りに行きました。そもそもこっちで仕事に関わる人間は「I am sorry」と言うと、まるで死刑になるかのように、頑なにその言葉を言わない。

例えば、ホテルを予約したのに、ダブルブッキングされたりしても平気で「部屋は満室です」と言い放つ。何のための予約だ!?と問い詰めても「他にもホテルはあるから、あそこの公衆電話から電話してみたらどう?」などとスマイルでかわされた事もあった。しかも、「アドバイスしてあげて私って親切でしょ!?」という意味のスマイルだ。

日本だったらまず「申し訳ございませんが・・・」という言葉が出るはず。カナダに数年暮らしていても、未だにそれを求めてしまう自分が恨めしい。

やっぱり人間は育った環境が物事の基準を決めるんだなぁ。もし俺がこっちで育っていたら何も思わないのかもしれないのに。

結局、小一時間かけて【Purolator】へ行き、荷物を引き取った。幸い作品達は無事だった。夕方Rafiとそれらをひとつひとつ開封。

7時にデザイナーのLynnの家へ作品をもっていき、あれこれと会議。クライアントも数名来ていて、一点は早くも買い手が付いた。しかもこれらの作品は全部アマチュアが作ったもの。皆一様に日本の作品のクオリティの高さに驚く。

2003年04月30日(水)
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