無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年08月27日(金) 『ガンダム・ジ・オリジン』は正しい!

 今日もしげは仕事お休み。全く、どこかの誰かさんに「鬱なのはお前だけじゃない」と言ってやりたいくらいである。昨日の日記に「仕事ヤメまではせんだろう」と書いたら、「仕事やめようかなあ」と言い出しやがった。本当にイヤなものを無理強いしたいとは思わないけれど、先のこと考えて行動するクセくらいは付けて欲しいものだ。
「モチベーションがなくなっちゃって」とか英語の成績オール2だったくせにカッコイイこと言ってるが、しげのことだから「モチベーション」の「モチ」って絶対餅つきの「モチ」だと思っていると思うのである。
 ちょうど森真理の『銀のしっぽ』の2巻を読んでいたら、「台風一過」を「台風一家」と思い違う話が書いてあったので、ふと聞いてみた。「お前、『台風一過』を『台風一家』と勘違いしてたりしてない?」
 しげ、「してないよ」というので、ちょっとホッとしたのだが、続いたセリフはこうだった。「でも、最初は誰でもそう思うよね?」
 ……思わねえよ(--;)。

 仕事は半ドンで、しげとキャナルシティに行く。
 福家書店で本を買いこんだあと、AMCへ、とはいつものコース。先日までのUSJキャンペーンはもう終わって、ジュラシック・パークやスパイダーマンの展示は全て撤去されている。けれど、路上パフォーマンスの外人さんたちはまだ営業中で、その手のアトラクションを極度に嫌うしげは、ホーバーブラザーズ(小型ホーバーに乗った二人組がコントを演じるのである)の接近にビビリまくり。こういうのをナマで見られるのがキャナルの楽しいとこなんだけどなあ。
 AMCは常時20本近くの映画を上映しているが、13館しかなくてどうしてそんなことができるかと言うと、朝・昼と夜とで、上映している映画を入れ替えているからである。今日の目的の『エルヴィス・オン・ステージ』も『マッハ!』との入れ替えで、夜はやっていないので、半ドンの今日くらいしか見る時間がない。これで見逃してしまう映画も多いので、一日おきに昼と夜の上映を入れ替えるとか、そういう工夫をしてくれたら嬉しいんだけどムリかなあ。
 他にも昼までしか上映してない映画には『金色のガッシュベル!!』などもあったのだが(で、どっちかと言うと、そっちの方が見たかったのだが)、しげの意向には逆らえないので『エルヴィス』を見る。まあ、私も別にプレスリー嫌いってわけじゃないし。でもプレスリーって、世代的にはおやじの世代のスターなのである(つか、全く同い年)。子供のころはテレビでプレスリーの映画やってたら、必ず見せられてたなあ。たくさん見たんで、もうどれがどの映画だったか、もう殆ど覚えちゃいないけれども。
 リバイバル上映ではあるけれど、カットされていた未公開映像がかなり復活しているので、実質的に新作みたいなものらしい。オリジナル版は見てないのでよく分からんけど。全盛期は過ぎていたころの映像だけれど、プレスリーはまだ太ってなくて、ステージアクションはなかなか派手。しげはジム・ベルーシ&ダン・エイクロイドがカバーした『ポーク・サラダ・アニー』を解説付きで聞けて、至極ご満悦であった。
 帰りに「レッドキャベツ」に寄って、水汲み&買い物。

 帰宅して、DVDで『鋼の錬金術師』7巻のスタッフ・キャストインタビューなど、見返していたのだが、疲れがたまっていたのか、すぐに落ちる。いつもは少ししたら目覚めるのだが、そのままぐっすり。だもんで、日記書く時間が取れませんでした。


 『ガンダムエース』の10月号、安彦良和の『ジ・オリジン』が休載。
 毎回、アニメ版ファーストガンダムをどう料理してくれるのか、楽しみにしていただけに、ちょっと残念である。来月からの完全オリジナル『シャア・セイラ編』(こんなん入れてたら、絶対15巻くらいじゃ終わらないと思うが)の準備のためだろうけれど(「プロローグ編」と称するカラーイラストの掲載はアリ)、1章描きあげるためにわざわざ1ヶ月のインターバルを置くというのは、今更ながら安彦さんの『オリジン』に賭けている半端じゃない意気込みを感じる。トニーさんや唐沢さんのパロディマンガももちろん面白いのだけれど、やっぱり安彦さんの“限りなくオフィシャルに近い”『オリジン』版が面白いからこそ、パロディが成立するのだ。
 既にシャアとセイラの母親、アストライア・トア・ダイクン、ジオンの死後養父となるテアボロ・マスなどの新キャラクターが予告で登場している。……ああ、そうだよなあ、“そういうキャラ”がいなきゃおかしいよなあ、そしてなぜそういう“重要な”キャラが「ファーストガンダム」に登場しなかったのか、その点の「補完」もしてくれるんだよなあ。そう思うと、今まさにドキドキバクバクと高鳴っているこの胸の鼓動を、どうにも抑えることは出来ない。安彦さんはまさしく「“そこ”に至るまでの『歴史』は、『人間』が紡いで来たのだ」という事実を描こうとしているのだ。納得納得。このアレンジの仕方こそが、他の凡百の「外伝」に比べて『オリジン』をものすごく「正しいもの」にしている要素なのである。
 これまでやたらと作られてきた、外伝や年表の類を、安彦さんは「よく出来ているように見えるけれど、あれには社会も歴史もない。いついつムサイ級が出来たとかばっかりで非常につまらない」と切って捨てている。ああ、『Z』以降のガンダムシリーズの展開に私が乗れなかったのは、これが理由だったんだなあ、とようやく気づいた。それなりにその時々のキャラクターたちのドラマを描いているように見えながらも、あるいはオフィシャルとして認められながらも、それは結局「年表」に並行しただけの出来事の羅列に過ぎなかったのである(もちろん綿密な考証を行いながらの年表作りそのものを否定はしないが、やはりドラマとして消化しきれちゃいないのだ)。それじゃあどうにも「萌え」は可能でも「燃え」ることはできませんがね。
 もちろん、安彦さんが描いたからと言って、『シャア・セイラ編』が“歴史的な人間ドラマ”となり得るかどうか、絶対の保証はない。けれど、失敗すれば『SEED』になってしまう危険も覚悟の上で安彦さんはその難題に取り組もうとしているのだ。期待してもよいのではないか。
 ……それはそうと、安彦さん、早くミハル出してよ(T.T)。

 久しぶりにトニーたけざきの『ガンダム漫画』も復活したけど、『公式ガイドブック』と同時収録、というのはどういうことなんですかね。

2003年08月27日(水) つらいことばかりでもないと思うけど/『江戸川乱歩全集第10巻 大暗室』(江戸川乱歩)/『人生とはなんだ 旅と恋編』(藤臣柊子)
2001年08月27日(月) ノンマルトの後裔/映画『ウルトラマンコスモス ファーストコンタクト』ほか
2000年08月27日(日) 自動車とはケンカしないように


2004年08月26日(木) 確かに人間、みんな「夢」は見てるけどね。

 幾分涼しくはなっているものの、やや夏バテ。食欲はないが、喉は乾く。水腹だと気分が悪くなるので、結局何やかやと食べる。ちょっと体重がまた増えかけているのでヤバイのである。また検査が近いのになあ。
 しげ、また鬱期に入り、仕事を休む。朝方は仕事に行くようなことを言っていたのに、夕方になって、急に鬱がぶり返してきたらしい。薬は飲んでたはずなんだが、あまり効いてないみたいだ。「仕事をやめる」とまでは言い出してないから、とりあえずそうひどくはないんだろうが、休んだら休んだでまた行きにくくなりゃしないかと、そこがちょっと心配である。
 しかし、今のしげの職場、バイトをちょっとムダにこき使い過ぎという感じではあったから、時々休まないとやってらんねえ、というのは正直言って事実なのだ。もともと芝居の費用くらい自分で賄え、ということで始めた仕事だから、別にがむしゃらになって働かなくとも、月に数万円稼ぐ程度で充分なのである。つか、実際しげはそれくらいの給料しか貰ってないんだけど、勤務時間の数時間前には出勤して準備しなきゃならんわ、残業は毎日数時間が当たり前でやっぱり手弁当だわで、労働基準法なんてハナから無視、忙しくてたまにそういう日があるってんならともかく、それが常習化してるんでは、私だって辞めたくなるというものだ。体力が続くのも若いうちなんだから、どこかでセーブしてかないと、夫婦揃って入院なんて事態にもなりかねない。ともかく人手が足りないのを何とかしなきゃならないのはしげの職場の方の責任である。いい加減、しげが「もうムリするのはイヤだ」という気分になるのも仕方がない面はある。
 もちろんスッパリ仕事を辞めてしまっても構わないのだが、じゃあそれでしげが家の中の仕事をキチンとするかというと、全くしない。たまにしても食えねえ料理と汚れの落ちてない洗濯の毎日じゃ、家にいるだけ邪魔だ。せめて自分の食い扶持くらい少しは稼げ、ということでやっぱり外で働いてくれてた方がなんぼかマシなので、まあ、今の仕事をいずれ辞めるにしても、週に3、4日くらいは近所の通いやすい場所でパートの仕事してもらわないと、かえって生活が崩壊してしまいかねない。食事は殆ど私にたかってんだから、ゴミの片付けくらいしてほしいもんなんだが。


 鬱と言えば、劇団の方でもハカセが鬱ってて、ホームページの日記など、メンバーの丁々発止でなかなかトンデモないことになっている(^_^;)。
 確かにハカセが鬱って練習に出て来ないおかげで、アノ仕事、コノ仕事といろいろ滞ってはいるのだが、彼女がなんだかよく分らないがハタから見てりゃどーでもいいことで行き詰まって鬱に逃げこむのはいつものことだし、それに振り回されて自分たちのほうがキリキリしてたら、逆にそれが自分のクビを絞める結果になりかねない。あの子にはヘンに絡まない方が、甘えられない分、自立できると思うんだけど、どうかね。
 ともかくハカセに限らず、女性の方々に言いたいのは、「誰かに依存する生き方はやめようよ」ということである。男にくっつきゃ、食いっぱぐれることはないし、人生何とかなるさあ、と思ってるかもしれないが、今の男の9割は逆に女に依存することしか考えちゃいない。「オレが守ってやるぜ」なんて言ってるヤツだって大半は口先だけだ。ヒモにまではならんとしても、浮気はする、カネは家に入れない、暴力は振るう、くらいはザラだ。「妻」をキープくらいにしか考えてないクソ野郎はゴマンといるのだ。自分だけがそんなだめんずには当たらない、と考えているのはそれこそ女の思いあがりである。いいか、バカ女にはバカ男しかくっついてこないものなのである。我が家を見よ(T∇T)。
 結婚したって損しかしないのに、なんで男に幻想を求めるかな。それよりまずは「働いて自立せい」である。未婚、少子化はもっと進んだ方がいい。でなきゃ、男のほうだって、いつまで経っても「女に甘えられる」という幻想を捨てられないのである。


 ここんとこ、この日記に、読んだ本の記録も書き忘れている。
 もともといつかこれらの本の感想もコンテンツに挙げますよ、というつもりで書いてたんだが、実質、そんな余裕はなくなっている。まあ予測できた事態ではあるけれど。でも、タイトル書くだけではやはり寂しいのだ。この日記のお客さんには、タイトルで検索かけて来てくれてる方も結構多いのだが(つか、それが殆ど)、開いてみたら書いてあるのがタイトルだけでは、申し訳ないこと甚だしい。ヒトコトフタコトでも感想書いとけば、とも思うのだが、それやりだすとキリがなくなることはもう今までの経験で学習ずみなのである。全く、どうすりゃいいんだか、という心境なのだが、根本的な解決手段はないのだよなあ。
 こうなると、タイトルをはっきり明記しない、という手段もアリかな、という気がしてくる。例えば今日はDVDで『鋼のなんたら』の8巻と、『ウルトラなんたらのダークなんたら』の第1巻を見たのだが、これだけでも分かる人には何のことか分かりはするからね。でもこれも見ていてなんかイライラしそうな文章になりそうである。いい方法があったら、ご教授頂きたい。


 撮影が押してる、というウワサの『ゴジラ FINAL WARS』であるが、新たに「USゴジラ」の参戦が発表されたとか(「Zilla」って名前になるんだと)。
 たしか富山プロデューサーは、以前の記者会見で、登場怪獣は既発表の11体のみ、これ以上出すと予算が足りなくなるから抑える、とか言ってたが、撮影もかなり進んだ段階でこういう改変を行ったということは、やっぱり「コマが弱い」と感じたのかもしれないな。カマキラスやクモンガが復活しても、どれだけのファンが喜ぶのか、ちょっと疑問だし。……まあ、世の中にはキング・シーサーのファンもいるから(北村監督がそうだってねえ)、ある一定の数のファンはきっといるんだろうけれどもね。
 「Godzilla」が「ゴジラ」に倒される、となれば、「USゴジラ」に憤った立場からすれば(「映画としてはいい出来」なんて評価はクソ食らえである)ちょっとばかし溜飲が下がる思いはするが、いかにもテコ入れ然とした導入の仕方が気になりはするのである。フォルム的に他怪獣と世界観を共有していない点もどうかな、と思う。
 でもこれで「USゴジラはゴジラではない」ことが明確に打ち出されたことになる(GMKでも少し言ってたけどね)。これは実に嬉しい。もしかしてゴジラのミュータント、という説明でもくっつけるかもしれないが、ビオランテもスペースゴジラもゴジラ本人ではないのだから、USゴジラは絶対にゴジラではないのである。
 ……でもどうせ出すならやっぱりギドラじゃないかと思うけど、これもGMKのときのテイタラクを見ていると、もうムリかなあという気がしてくるので、出さない方が無難かも。操演できるスタッフがもういないんだろうなあ。
 でも、あえてギドラを出さなかったということは、来年から「モスラ×キングギドラ」シリーズ再開! とか富山さんが言い出すんじゃないかという気がして、そっちのほうがどうにも不安なのである。いや、まさか『ヤマト……』……!?

2003年08月26日(火) サヨナラの季節/『のだめカンタービレ』3〜6巻(二ノ宮知子)/『ホントの話』(呉智英)
2001年08月26日(日) アノ娘にもツバがついていたのね/DVD『2001年宇宙の旅 スペシャルエディションBOX』
2000年08月26日(土) 森の木陰でドンジャラ補遺/『金髪の草原』(大島弓子)


2004年08月25日(水) 美人プラス1

 まる一日出張。と言っても、仕事と言うか、業務研修である。規模だけなら超大企業だから、もうワラワラとあっちこっちの支店から社員が集まってくるわけだが、中には以前、同僚であった人との再会なんかもあったりする。

 朝方しげに車で竹下駅まで送ってもらって、それから電車に乗りこむ。
 電車の中で、ちょっと居眠りこきかけていたら、細身の美人さんがスッと近寄ってきて、「○○さん(私の本名)ですか?」と声をかけてきた。2年ほど前、ウチの職場に出向してたことのあるUさんである。今日もまた別の支社に出向とか。立場がまだ不安定なようで大変である。
 Uさん、何と言うか、鄙にも稀なる美人さんでいらっしゃるのだが、以前はメガネをかけていらして、髪はひっつめ、いささかケンのある雰囲気であった。それが、今日はコンタクトにされているのだろうか、素顔で髪もゆったりと流していて、こちらがちょっとドキッとするくらいに美しい。なんだか真正面からお顔を見るのが憚られるほどである。……これって「萌え」ですか?(^_^;)
 メガネを外すと美人というのはマンガみたいだけど、あれ、度がキツイメガネかけてる人だとホントにそうなることあるのね。眼の大きさがガラリと変わっちゃうのである。以前から、物腰がやわらかく、言葉も今時の若い人には珍しいくらいに丁寧で、なんかちょっと『らんま1/2』のかすみお姉さんと喋っているような感じであったのだが、今もその雰囲気は変わってはいなかった。……いや、一日出張でちとばかし草臥れそうだと憂鬱であったのだが、なんか出掛けに元気の出る出会いがあったことである。

 出張の内容が「研修」であるから、当然、一日一室に閉じ込められるわけであるが、部屋に入って時間待ちをしていたら、ちょっと目立つ感じの美人さんがスッと私の側に寄って来て、「○○さんですか?」と声をかけてきたので、ビックリした。……似たようなことが続くものである。
 その女性、もう6年くらい昔に、一緒に仕事をしていたKさんで、そのころも若くて美人さんであったのだが、お久しぶりでお会いしてみると、なんかもうモノ凄く「磨き」がかかっているのである。確かしげより一つくらい年下だったはずだから、まだ20代、ご結婚は数年前にされていたとハガキを頂いていたから、多分幸せ真っ盛りの新婚さんであろう。にっこり微笑んだ口元のホクロがかわいらしく、こりゃ同じ職場の男どもにはなかなか目の毒であろう、という風情である。同僚であった時もまあまあ私と気が合って、仕事も楽しかったのであるが、6年経っても私のことを忘れずにいてくれていたとは感激であった。……なのに、実を言うと私の方ではKさんの旧姓、とっさに思い出せなかったのだった。ダメじゃん(~_~;)。こういう女性に対する記憶力がない人間って、得てしてモテないので、世の独身男性諸君はこの点、充分注意するように(でも、記憶力がありすぎる人間もまたモテないので、バランスが難しいのよ)。
 いやまあ、仲がよかったとは言っても、Kさん、同僚時代からストレートにモノを言う方だったから、「私、○○さんとだけは絶対結婚しません」とか言われてたんだが。するもしないも、私、その時点で既婚者だったんだけどねえ(~_~;)。こうもハキハキしているといっそ清々しいくらいで、今思い返せば、あれだけ何の屈託もなく会話ができて仕事のしやすかったことは後にも先にもなく、私としては実にありがたい方であった。今のトンガリさんと取り替えたいよ、ホントに(T∇T)。
 もっともそのころは、もう一人同僚でKさんと犬猿の仲の方がいて(♂)、この二人の間に挟まれて仲裁もしなきゃならなかったので、決して全てが順風満帆だったわけではなかった。そのもう一人の人は数年後にとんでもない不祥事を起こして今は依願退職している。そのことを伝えるべきかどうか迷ったが、もうどこかで風のウワサに聞き及んでいるかもしれないし、ことさらイヤな名前を思い出させて不快な思いをさせてしまうのも悪いので、研修の合間は楽しい思い出話だけに終始した。
 Kさんは倉知淳の『猫丸先輩』シリーズのファンであったのだが(てゆ〜か、私が『日曜の夜は出たくない』を貸してファンにした)、偶然にも今日、シリーズ第二作の『幻獣遁走曲』を私は持参していた。これもまた偶然なのであるが、これ、てっきりなくしたと思いこんでもう1冊買い、あとで最初の1冊が見つかって、2冊所有していたのである。「よろしければ差し上げましょうか?」と言ってお渡しすると、凄く喜んでいただけた。「(この作者のファンだったことを)よく覚えていらっしゃいましたね」と言われたが、そういう「出来事」は覚えていても、固有名詞とかはしょっちゅう忘れているので、口には出せなんだが内心ではかなり恐縮していたのである。


 なんだか今日一日で「美人責め」にばかり合っているようだが(他にも2、3人、旧知の美人さんから声をかけられたのである。……なんか、美人の知り合いって多かったんだな、私)、残念ながら、楽しい出会いばかりがあったわけではなかった。
 席に座っていると、後ろの方で、昔どこかで聞いたことのあるような声が聞こえてくる。独り言をブツブツ言っているのだが、振り返って確認するまでもなく誰かはすぐに分かった。以前、日記にも書いたことのあるホモでオタクなストーカー氏である。クビにもならずにまだ職を続けていたのか! とちょっと驚きであった。まさか私がこの研修に参加すると知って追いかけてきたわけでもあるまいが、何も私のすぐ背後に陣取る必要もなかろうに、ワザとその存在をアピールするあたり、「意図」は見え見えなのである。
 その時は完全に無視をしたが、あとでチラッとその風貌を見たら、なんだか凄いことになっていた。だらしなく太って弛んだスタイル、髪は薄くザンバラで、顔色は蒼白で皮膚も鶏皮のように荒れているところにもって来て、目の下に何重ものクマができている。目つきは頗る悪く、一目見て「コイツ逝ってるな」というのが分かる雰囲気なのだ。……いや、ホントにどうしてコレが病院に入ってないのか。衆人監視のもとだから、別に私に何かすることもできはしないのだが、帰りは後を付けられていないかどうか、気になって仕方がなかった。……これでまた、なんか誹謗中傷のハガキとか送りまくるのかなあ、この人。誰もアンタの中傷なんか相手にしてないから、ハガキ代がムダなだけだってのにねえ。


 夕方、鴉丸嬢としげと博多駅で待ち合せ。ホントは映画『誰も知らない』を見る予定だったのだが、30分前で既に満席。客はみんなうら若き女性たちである。……カンヌ効果っていうより、これ絶対、柳樂くん効果だよなあ。そんなに美少年が好きか。
 来て何もせずに帰るのも何なので、紀伊國屋で時間を潰す。歩き回って、すっかり草臥れて帰宅。公演のチラシ案をよしひと嬢に送るが、転送がうまく行かず悪戦苦闘する。……なんかいろいろと疲れることの多い一日でありました。


 先週公開の『NARUTO<ナルト>大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!!』が好スタート、公開2日間の成績が、およそ32万6000人の動員、興収では約3億5000万円と、ゴールデンウィークの『名探偵コナン』と比べても87%という快調さで、このままの勢いなら、興収15億円以上も確実とか。
 あいたた、これがそこまでヒットするとは思いもよらなんだ。できるだけ劇場アニメは見に行こうと思ってはいたんだけど、さすがにジャンプ系はノーチェックだった。ある程度トシの行ったオタクにとっては、この夏のイチオシアニメは『スチームボーイ』ってことになるんだろうけれど、本当の意味でのヒット作品は、『ポケモン』『ナルト』『ガッシュ』の3本なのだよなあ。これだけのヒットとなると、子供や腐女子向けだから普通のアニメオタクには関係ないなんてことは言ってられない。つか、今やそれがマットウなアニメファンということになってるのだ、世間では。
 初日には徹夜組も出たと言うから、確実に中高生、大学生あたりまで、『ナルト』や『ガッシュ』のファンは浸透している。かつての『ヤマト』『ガンダム』のブームを支えていたのがこの世代だったことを考えると、世代の格差とかいう言い訳は通用しない。明らかにアニメオタクの主流はこれらの作品に流れているのだ。本当にアニメーションというジャンルそのものを愛しているなら、いいトシしたオトナであろうと、やっぱこれらの作品は見に行かなくちゃならんだろう。「見たい気が起こらない」のなら、もうアニメオタクだとか名乗っちゃいかんね。……そう考えて行くと、「見たい気」だけはある私は、やっぱりアニメオタクなんだなあ。カネが続かねえから現実にはムリなんだが。
 『ナルト』の監督、ずっと気付いてなかったけど、岡村天斎さんであった。それなら子供たちの中にオヤジが混じってても言い訳は立つな。……って行く気マンマンじゃん。でもしげはやっぱり興味持ってくれないんだろうなあ(+_;)。


 さて、またまた来ましたヘンなメール。
 差出人はsato_natsukoさん。
「初めまして。浮気相手を探している主婦です。」だそうな。

〉いきなりのメール失礼致します。
〉どうも初めまして。奈津子といいます。
〉結婚して4年、目下26歳です。
〉受付やってたんですが、何故か26歳年上の社長に目をつけられて
〉結婚しました。でも、えーとですね、主人の年齢が年齢なので
〉私、セックス面でとても満たされない日々を送っています。。
〉もとから人並み以上にエッチが好きってのもあるんですけど、
〉いますっごくしたくてしょうがないんです。。
〉どうしても我慢ができなくて、ネットで相手を探していたところ、
〉近い場所に住んでるらしい貴方を見つけて
〉こうしてメールしている次第です。
〉主婦という立場上、秘密厳守での関係を持ちたいと思っているのですが、
〉そちらとしては何か希望する条件はありますか?
〉私、仕事はしてないんですが、お金とか全然平気です。
〉絶対にお互いの生活には立ち入らない約束を守れる人メールください

 本文の一部をGoogle検索かけてみたら、391件、ヒットした。名前は必ずしも奈津子さんじゃなくて、美紀さんになってたり千夏さんだったり多恵子さんだったりなぎささんだったりするようだけれど、文面は同じ。受け取った人も、全国各地にお住まいのようで、どうやらこの奈津子(代表)さんは北海道にいても九州を「近所」と言えるくらい、足が長い人らしい。正体はダイダラボッチだな。とてもじゃないけど、奈津子さんにご満足いただけるようなモノは持ってないので、お相手はご勘弁願いたいところである。
 ここまでロコツだと、受け取った人もすぐにインチキだとわかるようで、返信したらどうなった、というところまで書いてる人はいない。その点、前回の「名前も件名もないメールが来ましたが、一応返信します」というやつに比べると「芸」がない。今回の詐欺メール、いささか効率が悪かったんじゃなかろうか。
 ……しかしねえ、こんなにウソがヘタだとねえ、なんかもっと信憑性のある、マシな文章が書けんのか、という気がしてくるんだよねえ。もちっと設定考えろよって言いたくなるような。もっとも、不特定多数に出すわけだから、どうしても不自然さが出るのは仕方がない。「相手の名前が呼べない」というのがこの手のメールの一番のネックだもんね。さらに、女性にまでこういうのを送っちゃってるから、もう「バレいでか」ってなもんなんだが、よくもまあ、これだけ堂々とばら撒けるもんだとある意味感心はする。だいたい「セックス」をキーワードにすれば騙されて引っかかるやつがいるだろう、と考えているっていうのが、心底人間というものをバカにしているのである。違法サイトにアクセスさせるのが目的だから、たとえ詐欺かもしれないと考えながらもやっぱり興味を引かれてしまうくらいスケベなヤツを想定して送ってんだろうけどねえ。実際、もしもこんなのに引っかかるやつがいたら、そいつはモノホンの変態だと思う。ま、一万人に一人くらいの割合でもいれば成り立つ商売だろうから、それくらいの割合でならいるんだろうね、変態。
 ……変態発見機としては役に立つか、こういうメールも。いっぺんそんなの作って、送ってみようか……って、もしかしたら私と同じこと考えたヤツがいて、イタズラで送られてきてんじゃあるまいな、これ!?

 ともあれ、今日は最後まで「女性」に縁のある日でありました。いい日なのか、コレ。

2003年08月25日(月) 世代の違いってことじゃないと思うけど/『ASTRO BOY 鉄腕アトム』1巻(手塚治虫原作・姫川明)
2001年08月25日(土) 夢は宇宙/『なつのロケット』(あさりよしとお)ほか
2000年08月25日(金) 唐沢本の感想書けなかったけど面白いぞ/『垂里冴子のお見合いと推理』(山口雅也)ほか



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藤原敬之(ふじわら・けいし)