無責任賛歌
日記の表紙へ|昨日の日記|明日の日記
| 2002年10月07日(月) |
○まみれ観音様(^_^;)/『ヒカルの碁』19巻(ほったゆみ・小畑健) |
なんだか感覚的には東京から帰って一日が経った気がしない。 日記の更新もしたいのだが、さすがに疲れが澱のように溜まっている。今度の連休でちゃっちゃと片付けないことには、また更新が遅れまくるな。 しかし、昨日までの日記でも、書き忘れたことがいっぱいあって、補遺を書いておきたい衝動に駆られてしまう。 あやめさんのカラヤン批判もすごかったなあ。私はカラヤンと聞いて思い出せることなんて、晩年の指揮してる姿をテレビで見たことがあるくらいで、あとはマンガの『オバQ』に関西人の指揮者で「唐やん」ってのが出て来たなあとか、その程度のものなので、全くついていけなかったのであった。クラシックも嫌いではないのでCDも何10枚かは持っているのだが、どちらかと言えば演奏者や楽団の方に気が行っていて、指揮者の方はあまり気にしていない。そのうち、そういうところもあやめさんにレクチャーしてもらおうかな。 けれど、さすがにこうたろうくんに誘われて『エクセルサーガ』をデュエットさせられたことは恥ずかしくて書けないのであった。って、今書いたら意味ないじゃん(^_^;)。
しげ、またもや朝寝して、車送りしてくれない。 やっぱり一人残して東京に行ったんで怒ってるのかなあ、と思っていたのだが、そのわけは夕方になって判明した。
しげ、迎えに来た車の中で、いきなり「スーパーに寄らねば」と言い出す。 「買い物?」 「うん、ウィスパー買うと」 しげの外見、あまり女々したところがないのでふと忘れがちだが、これでもお赤飯を炊いた経験はあるのである。でもその手の話題を私に振ることは滅多にないので、いったいどうしたのかと思っていると、「いやあ、昨日はびっくりしたよ」と言う。 「何が?」 「仕事してたらね、いきなり血がズルッと流れてきたと」 「……はあ」 「いやあ、すごかった。流れるとかそんなんじゃなくて塊がヌルッと」 「すごいって……今まで血を流したことなかったわけじゃあるまいし」 「いや、あんなのは初めて。もうパンツ血塗れ」 「血塗れってなあ……予兆とかそういうのなかったんかよ」 「だっていつもは全然少ないんだもん」 「パンツ、ちゃんと洗ってるんだろうな……って、ちょっと待て」 「なに?」 「おまえ、誰のパンツはいてる?」 「あんたの」 「なんで人のパンツ履くんだよ! あれだけ履くなって言ったろ?!」 「だって男もののパンツって、前が分厚くてちょうどいいんだもん」 「だからって血塗れにするなあ!」 「大丈夫だよ、洗って返すから」 「洗えばいいってんじゃないんだよ! 乾いたあとゴワゴワになるんだよ! ……って、まさか今もおれのパンツはいてるのか?」 「ふふん」 「ふふんじゃねー! またオレのパンツ汚す気かっ!」 「笑わかさんでよ、また出るやん」 「出すなよ! ふざけたことやってると日記に書くぞ!」 「いやん」 「なんだ、おまえでもやっぱり恥ずかしいか?」 「だってオレが女だってバレるやん」 「女じゃねーのかおまえはっ!」 台本が上がってないのにあまり怒ったような素振りがなかったのは、こういうわけがあったからなのだな。 ……ともかく、「書いていいよ」と許可が貰えたので、こうして書く。全く、恥があるんだかないんだかわからんやっちゃ。
そのまましーじゃっくでスシを食って帰宅。 しげの働いてるリンガーハットに、先輩で横溝正史のファンの方がいらっしゃるそうだ。金田一はなんと言っても古谷一行、と仰っているそうで、そこが私と趣味の違うところなのだが、横溝正史作品は殆ど読破されているとかで、結構筋金入りらしい。なんだか私に興味を持っているとのことなので、じゃあ、お客さんが少なそうな12時過ぎにお邪魔しようか、となんとなく相談していた。 早めに寝たのはつまり夜更かしするためなんだが、ちょうどそろそろ出かけようかと起き出してきた時、電話が鳴った。 東京のこうたろうくんからである。 「今、ヨナさんとこのチャットがすごいことになってんだよ」 すごいというのが何なんだか分らないが、ともかく慌てて覗いてみると、こうたろうくんのほかにヨナさん、BobyZさん、GUINさんが集っておられる。 某サイトで知り合った方々なのだが、とある事情でここしばらく疎遠になっていたのである。別に疎遠にしたいわけではなかったのだが(^_^;)。 なんだかよく分らないうちに姿を消してしまっていたので、顔を出すのもちょっと憚られたのだが、みなさん、なんの屈託もなく言葉を交わしてくださったので、ちょっとホッとする。東京でお会いできなかったのは残念なのだが(もっともGUINさんはアメリカ在住なのでお会いできるはずもないのだが)、BobyZさんなどは前日、光文社の前まで行かれたそうである。なぜ前日なのかはよく解らない(^o^)。 12時を回っていたので、あまり長くは話せなかったが、どなたも「とある事情」について詰問されなかったのには助かった。話せないわけでもないのだが、話したあとのトラブルを思うと、まことに頭が重い問題なのである。みなさんオトナであることだよなあ。私も数年経てば、ここに書いたとある事情がなんだったのか、すっかり忘れてしまっていることだろう。 チャットのあと、すぐにこうたろうくんから電話がある。 腹をコワしていたので、子機を使ってずっと便所に座って会話。尾篭なことである。
マンガ、ほったゆみ原作・小畑健漫画『ヒカルの碁』19巻(集英社/ジャンプ・コミックス・410円)。 第2部開始記念、ということでか、折りこみでロングポスターつき。 メインのヒカルはどうでもいいが(^^)、あかりちゃん、すっかりオトナになったなあ。これならそろそろ私にも守備範囲……って、何のだ(^_^;)。それにしても越智が異様にかわいいな、このイラスト。越智って、記録上はヒカルの遥か上を行ってるのに、どんなに頑張っても現実的にはナンバー2って立場がすごくかわいそうで、ついヒイキにしたくなるのである。雑誌連載の方ではもっとかわいそうなことになってるしなあ。 本編の方は、対韓国戦を睨みつつ、かつて登場して来たキャラが次々とヒカルに立ちはだかって行く展開。あの卑劣な御器曽プロが意外にいい顔したりするあたり、小畑さんの作画に対する自信も伺える。門脇さんとの対決とを、伊角×桑原本因坊戦と平行して見せるのもいい演出だ。 第2部に入っても、その勢いはいささかも衰えがなさそうだ。
2001年10月07日(日) 新番紹介お休み・有朋自遠方来/映画『陰陽師』ほか 2000年10月07日(土) V2/ムック『本多猪四郎全仕事』ほか
| 2002年10月06日(日) |
再見、東京/『ガンダムSEED』第1話ほか |
5日の日記の続き。
ヨナさんご案内で、いよいよペルシャ料理店「ZAKURO」に侵入。 いや、ホント、「侵入」と言ったほうがいいような雰囲気なのだな、これが。 ビルの奥の狭い階段を降りて行くのだが、これで重くて厚いドアでもあれば秘密クラブと言っても通りそうだ。 入るなり、狭い入口で靴を脱ぐ。横の棚には安孫子素雄が見たら変コレクションに入れたくなるような、民俗衣装を着た占い師のようなオバサン人形が、ドデンと置いてある。背丈は50センチ以上はあり、目の高さよりも上にあるので、なんだか威圧されてるみたいだ。 ペルシャ人だかトルコ人だかの店員さんが、流暢だがいかにも怪しい外国人、といった口調で「イラサイマセー♪」と案内してくれる。 床は絨毯敷きでこれもいかにも雰囲気は魔法の絨毯。そこに2メートル四方ほどの板が置いてあって、ここで胡座をかいたまま食事をせよ、ということのようだ。 いつもなら、どんなメニューが出たのかこと細かく書くところだが、何しろ謎の料理が多すぎて、品名が全く解らない。ナンくらいはわかるのだが、あの肉は鶏か羊か牛肉か、いったいなんだったのだ。美味かったけど。 ともかく、次から次へと料理が出る。そのたびに喉が乾いてお茶を飲む。別に注文しなくても、怪しいペルシャ人がわんこそばのごとくお茶を注ぎに来るのだ。なんだかさっきから「怪しいペルシャ人」とヒドイことを書いてるが、本人が「私、怪しいペルシャ人ねー」と言ってるのだからいいのである。なんか時々「オーマイゴッド!」とか言ってるし。イスラムじゃねーのか、お前。
あぐさん、4月にお会いしたときには『クレヨンしんちゃん』話が存分にはできなかったので、今回は肝に銘ずるところがあったらしい。なんと差し上げた同人誌『オトナ帝国の興亡』を持参してこられた。 こうたろうくんが冷やかして、「サインしたら」とか言うが、作家でもないのにそんな恥ずかしいことができるか。既にこうたろうくん、そうとう酔っているのである。 小説を書いた時の裏話などをご披露するが、そんなことより、もっと『オトナ帝国』や『戦国大合戦』について熱く語ればよかった、と、あとになって反省。 それにしてもあぐさんのオタク精進ぶりはすごい。 いくら私やこうたろうくんが「『クレヨンしんちゃん』はすごいよ!」と口角泡を飛ばして語っても、実際に映画館まで足を運ぶ人間はごく稀なのだ。 それをあぐさんは、『戦国大合戦』を堂々と見に行ったばかりでなく、更にもう一度、今度は大学の仲間も総勢8名引きつれて、見事に全員を感涙させ、それどころか「クレしん映画」全作をビデオで借りて制覇しちゃったのである。 あまつさえ(もう接続詞も思い付かんな)黒澤明の『隠し砦の三悪人』まで見たというのだから、果たしてこれは夢か幻か。オタクに偏見がなくって、しかも優しくて美人で、あぐさんをして「オタクの天使」の称号を与えることに異存のあるものはなかろう。 独身オタクなら、この話を聞いて、思わずストーカーしたくなるかもしれないが(おいおい)、こんなスバラシイ人がほっとかれてるはずがない。残念ながら既に彼氏持ちなのである。その彼氏さん、今日は「濃い話についていけないかも」とご出席を辞退されたようだが、もし来られていたら「こんなステキな人をヒトリジメしやがって」とフクロにされていたであろう。 つくづく残念なことだ(^o^)。
あやめさん、7時を回ってやっと合流。 なんだかこの間お会いしたときよりお若くなってる気がするなあ。いやもう、かように凛々しく美しいヤマトナデシコを奥さんに持てているとはヨナさんもやっぱりフクロにせねば(^o^)。 髪をミツアミにされていて、印象は早乙女乱馬である。もちろん女のほう(^^*) 。この方も見た目は楚々たる美人なのだが、やっぱり今まで戦っていたらしい。巴御前か。 「走ってきたら7分でついた!」 元気だなあ(^o^)。 あやめさんの職場、この店から近いそうだが、実際、電車を利用するよりも足で来た方が早いようだ。東京は路線が縦横無尽に張り巡らされているが、ひと駅ひと駅の区間は短いので、こういうこともよくあるのである。何かミステリーのトリックに使えんかなあ、と漠然と考える。いや、応募するわけではないけど(^_^;)。 食事も相当食べていたので、あやめさんの食べる分はあるだろうかと考えていたが、それからもまだまだピラフだのなんだのと食事は出て来るのであった。
博多のお土産で、あやめさんには「明太子くん」のペン(おみくじつき)を差し上げる。このキャラ、今、某明太子会社が密かに博多で流行させようとしているのだが、全然知名度が低い。なんたって、明太子だからって、赤いだけのキャラである。こんなもん貰っても嬉しくもなんともなかろうが、私のプレゼントのコンセプトは、「ウケ狙い」、もとい、「相手が捨てても構わないようなものをやる」(「粗品」ならそうあるべきだよな)ことなので、これでいいのだ。 なのに、あやめさん、「職場で使う」とのたまう。ヘンな人に見られなければいいけれど(^_^;)。
無知な話で申し訳ないのだが、店の名前の「ZAKURO」、これはもちろん「柘榴」の実のことだが、原産地がペルシャであることを初めて知った。イスラムとかペルシャについては全くと言っていいほど解らない。 だから、ヨナさんたちの語るイスラムの話が、聞いていて実に面白い。 ヨナさんご夫婦は20世紀の終わりにご旅行でエルサレムまで行かれたそうだが、あちらには日本人の観光客は殆どいないそうだ。「外国に行って“Japanese?”と聞かれない唯一の土地です」とは、言い得て妙。たいてい中国人か韓国人か、と聞かれるらしい。日本人の海外旅行というのは結局はただの「買い物」で、アチラの文化に本気で触れたいなんて気はサラサラないのだなあ、と実感。その点、ヨナさんたちはすごいものである。「20世紀のうちに行かないと危ないと思ったから」という情勢判断も的確である。 ペルシャやトルコのほうは、イスラムでも結構アバウトな方だそうだ。戒律だの風習だの文化だの、そのあたりを厳密に気にしてたら、確かに国際交流なんてできるものではあるまい。この店の怪しさはアバウトな怪しさでもあり、だから落ちつくのだろうな、と思う。
この店のメダマ、水煙草の回し飲み。煙草と言ってもニコチンは全くないとのことなので、私も飲んで見る。 あぐさんのチョイスでパイナップルのスティックを選んで、これを吸い口に差して一口、二口吸う。確かにパインの匂いが口内に広がるが、咽るほどではない。こうたろうくんは奥さんとの約束だとかで吸うのを固辞したが、もし吸っていたらとても気持ちよかったことであろう(^o^)。あぐさんはちょっと咽ておられた。 考えてみたら、「煙草」と名のつくものを飲んだのは生まれて初めてである。副流煙に悩まされて、タバコなんてついぞ美味しいものという認識を持ったことはなかったが、こういう「回し飲み」はいいものだなあ。『ピーターパン』のワンシーンを思いだしたね。 私がタバコ飲みを嫌ってたのは、携帯電話が傍若無人なのと同じで、公共の空間に私的な空間をムリヤリ持ちこむ無神経さがイヤだったのだなあ、と実感する。世間の愛煙家さんたち、若者の携帯に目くじら立てなさんなよ、あんたらのやってる行為もそれと変わらん。
9時を回ったので、今度は御徒町まで山手線で移動、「パセラ」というカラオケボックスに入る。つい「銀座ーのパッセラー♪」と歌いたくなるな(それは「パキラ」)。 ヨナさんお勧めの通り、収録曲数が半端ではない。特撮とアニメだけで別冊があるのである。ここで歌わずして何のために生きて来たというのか。 このときのためにと、『サンバルカン』をかけて『愛国戦隊大日本』を歌うが(本編見たことないのに)、ヨナさんたちはともかく、あぐさんまでしっかり『大日本』を知っていたのは驚いた。『ヤマト』や『ガンダム』はおろか、『Z』にだって間にあってないはずなのに(オレたちが大学生でウダウダしてたときに生まれてんだよ、どう思う? こうたろうくん)、なんでそうマニアな曲を知っているのだ。こんなことなら『共産戦隊ダイロシアン』も歌えばよかった。 こうなるともう、五人で歌の取り合いである。 ヨナさんには『やあ。』を取られた(^_^;)。あ〜るくん好き、山本正之好きのしげがそこにいたら、狂喜したであろう。こうたろうくんも『オレンジのダンシング』を歌えて、生きててよかったと泣いている。 なにがもう感動したかって、あやめさんが『薔薇は美しく散る』を歌ったときである。あやめさん、リキを入れたか、ミツアミの髪を卸して美しさ4.5倍増し(髪を卸す前がよくないということではなく、そういう行為に男は弱いのである)、高く伸びのある声が私の耳を直撃する。それどころかあぐさんも隣で口ずさむものだから、このお二人の気高く凛々しく美しい声がステレオ効果(T∇T)。 ……「至福」とはこういう瞬間を言うのであろう。つくづくヨナさんとあぐさんの彼氏さんを簀巻きにして(以下略)。
河岸を変えて、また歌いとばす。 とてもその過程の全ては書ききれるものではないが、いかに我々がドーパミン大放出であったかは、気がついたら午前○時になっていた、ということでご理解いただけよう。実際、そこまで自分の体が持ったのが不思議なくらいだ。もしかして私、健康体なんじゃないのか(^_^;)。 でもまだまだ歌いたりなかったなあ、と思うことしきり。あの曲もあの曲もまだ歌っていない。更にあの三倍は歌いこますことも可能である。それはヨナさんご夫婦も、こうたろうくんも同じであろう。あぐさんだけは「そろそろネタが尽きました〜」と最後はネをあげていたが、我々、なんとかここで年の功を見せられた格好である。 っつーか、いくら偏見がないとは言え、徹夜カラオケマラソンなどというバカな行為につきあわせてしまって、あぐさんには申し訳ないことをしてしまった。オトナとしての自覚が足りなかったなあ、と反省。これに懲りて、「アニメも特撮ももう見ない」などとあぐさんが言い出さないことを祈るばかりである。
うっすらと空も明るい。 駅前でヨナさん、あぐさんと別れたが、名残惜しいことこの上ない。 土産まで頂いたが、こちらがたいしたものを用意してもいないのに(食事やカラオケだって、殆ど奢られた)、申し訳なくてし方がない。今度上京するときには、もちっとマシなものを土産に持って行かねば、と思う。もちろん、今度は絶対しげも連れて、あの怪しい店にも行くのだ。
タクシーを捜しながら、ふと呟く。 「なんて気持ちのいい連中だろう」 どうやら私も大切なものを盗まれてしまったらしい。
ここから6日の日記。 こうたろうくんの家で数時間の仮眠、9時に起床。 朝食をご馳走になるが、そのときにようやく奥様、二人の子供さんにご挨拶。 録画してあった『ガンダムSEED』の第1話を見せて貰うが、福岡では来週からなのであった。第1話の印象ではファーストガンダムのくどいリメイク、と言った感じ。 息子さん、小学生なのに「なんでガンダムにプラグがついてんだよ」と早くもオタクぶりを発揮している。そんな教育してていいのか、こうたろうくん(^_^;)。
10時にこうたろうくんの家を出る。送ってもらうのも、またこうたろうくんのウチの車。毎度毎度、お世話になりっぱなしで申し訳ない。しかもまた土産もらってるし。 渋滞に巻き込まれることもなく、早めに羽田に到着。そこでこうたろうくんご家族とは別れたが、彼はこれから家族サービスだそうだ。昨日の今日で、体が持つのだろうか。子持ちは大変である。
空港で時間をつぶすため、『ガンダムエース』と『ダ・ヴィンチ』を買う。 『ガンダム・ジ・オリジン』は、ガルマ偏と言うより『再会、母よ』編。 冒頭の水着シーン、乗員たちがいきなり戦闘に駆りたてられたのに、水着を用意してるのはヘンと判断したか、ミライさんもセイラさんも普通のシャツにズボン。露出度低いぞ。でもその分フラウがシュミーズ一枚でがんばってくれてたのであった(何をだ)。
飛行機、雨のために博多湾上空で迂回。結局、帰着が予定をはるかに超えて午後4時を過ぎた。練習から帰ってきたしげと会えはしたが、もう体力が持たず、そのままあとは翌朝まで爆睡。 当然、台本は書けていないが、しげの文句を聞くのも翌日に持ち越しである。 ペルシャのお守りをプレゼントに渡したので、少しは喜んでくれるといいのだが。
2001年10月06日(土) 新番……第何弾だよ/『星のカービィ』第1回/『ヒカルの碁』(ほったゆみ・小畑健)14巻ほか 2000年10月06日(金) 詳しくはコメディフォーラムを見てね
| 2002年10月05日(土) |
東京曼陀羅/「ミステリー文学資料館」ほか |
しげ、とうの昔に仕事は終わってるはずなのに、遅刻の連絡一つない。もう時計は6時を回っている。このままでは飛行機に乗り遅れてしまう。 シビレを切らして、しげに電話を入れたら、職場でお仲間どうし、駄弁っていたのであった。私を焦らせるイヤガラセか、と思って文句を言うと、しげ、冷ややかな声で「台本上がったと?」。 大方の予測通り、もちろん台本は上がっていない。それでも東京行きは決行せねばならない。ここは一番、ウソついてでも誤魔化さねばならない。 「上がったよ……10枚くらい」 「上がっとらんやん!」 小心者なのでウソをつききれないのである。 「話の展開がわかる程度には書いたよ。それでカンベンして」 なんとか拝み倒して、車で空港まで送ってもらえるようにはなったが、やはりしげの機嫌、頗る悪い。 「どこまで送ればいいと? 国際線でいいね」 いいわけない。露骨なイヤガラセである。せめて朝食くらい奢ってやらねばと下手に出たが、ニベもなく断られる。 「ロビーの売店で朝飯くらい食おうよ」 「イヤ」 「いや」の字がひらがなでなく、カタカナである。しかも楳図かずおの描き文字のようにトゲがあるのである。 しげ、空港前で私を落とすと、こちらを見返りもせず、とっとと車を出してしまう。……明日帰宅してからが修羅場だなあ。
飛行機は日本エアシステム。 と言っても、ちょうど今日から日本航空と合併したので、窓口にはJASとJALの文字が交互に並んでいる。合併記念で何かサービスでもあるかと思ったが、そんな気配は全くない。不況型の合併だってことがモロにわかるな。 特にシーズンではないので、飛行機の中はさほど混んでない。というよりガラ透きである。ゴールデンウィークの時とは雲泥の差だ。背もたれのディスプレイで朝のNHKニュースを録画上映しているが、中身は相変わらず拉致関係。被害者の証言と、家族の把握してる事実が食い違ってる、北朝鮮はやはり情報操作してるんじゃないか、という疑惑だが、この期に及んで北朝鮮、まだ隠したいことがあるんかいな。便秘の時の大便のようにキレの悪いことである。おっと、これじゃエロの冒険者さんのウンコネタのパクリだな(^o^)。 チャンネル変えると、新作映画情報など。北野武監督の新作『DOLL』、映像は美しいが予告編を見る限り雰囲気だけって印象も拭えない。あのうざったい「キタノ・ブルー」とやらはあまり見受けられなかったので、それは好感が持てたが。菅野美穂はマジメな女優さんなので好感持ってるんだが、マジメ過ぎてかえって演技の幅を狭めているように思う。ともかくこれは見に行きたい一本なんだけど、しげの興味を惹くかどうか。 チャンネルを変えてアニメ『ちびまる子ちゃん・町内の運動会の巻』。断言しても言いが、機内のいいトシしたオトナ(しかいないが)で、『まる子ちゃん』を真剣に見てたのは、私だけであろう(威張るなよ)。もう相当後期の作品なので、たいした毒もなく、さほど面白くない。『まる子』の最大の長所は、あの時代と空間から一歩も動けない(『サザエさん』はトシは取らないが時代は動いている)点にあるので、普遍性を持たせようと一般的なギャグを入れてしまうと、かえってつまらなくなってしまう。鈴木の爺さんが競争中に転んで腕の骨を折って、「人間も骨が折れると痛いから、子供たちも木を折っちゃいけないよ」って、これ、ギャグのつもりなんだろうか。
今回は定刻通り8時半に到着。 モノレールで浜松町まで行き、こうたろうくんと改札で待ち合わせ。会うなりこうたろう君「やあ、浅見光彦かと思ったよ」とトバす。四月に東京に行ったときもそうだったが、そんな感じの帽子を被っていたのである。 内田康夫はつまんないので、本気でコスプレするなら明智小五郎か金田一耕助のコスプレでもしたいとこなんだが、さすがに和服で旅ってのは動きにくい(それが理由かい)。 のっけから、オタクな会話。 「山本弘さんの『秘密基地』、またどうでもいい話題で盛り上がってるなあ」 「『ゴジラ』のやつとか?」 「今更『どれがベストかワーストか』なんてなあ」 「所詮、『ゴジラ』は『ゴジラ』なんだしなあ。唐沢さんも『一作目だってB級映画』って言ってんだし」 「あそこに集まってる連中って、なんであんなに世界が狭いの?」 「あれだからSFファンが嫌われるんだよなあ」 どっちがどっちのセリフかは勝手に想像して下さい。結局は同じだし。 セリフだけ読んでると貶してるように見えるだろうが、「若さゆえの過ち」を微笑ましい気持ちで見ているのである。誤解なきように。
駅の地下のレストランでモーニングのサンドイッチ。 こうたろうくん、しげのことを心配して、「怒ってないかい?」と聞いてくる。「怒ってるよ、カンカンだよ」と答える。こうたろうくん、恐縮して、「なにか土産を買って上げないとなあ」と言うが、別にそんな気遣いは無用なんだがなあ。しげは私とくっついてない限り、誰に対しても嫉妬してしまうので、そんなん気にしてたら、とても身が持たないのである。ほっときゃいいのだ。 食事のあと、電車を乗り継いで要町で降りる。東京の路線は、離れて随分経つので、もうなんだかよく解らん。到着は10時20分。 目的の「ミステリー文学資料館」は、光文社の一階にあった。 土曜は玄関のシャッターが閉まっているので、脇から一度地下に降りて、警備員室で名札をもらって一階に上がる。名札をもらう際に記帳をするのだが、前に来館した人が9月28日の日付け。そんなに利用者少ないのか。 中はきれいだが、図書館というよりは図書室、という感じ。ミステリ関係の資料だけなので、そんなに面積は必要ないのだろう。 受付で会員登録をする際、こうたろうくんがねーちゃんに「こいつ(と私を指差して)、わざわざ福岡から来たんですよ」とバラす。「わざわざ言うなよ、恥ずかしい」と怒るが、どうせ会員登録の欄に住所は書いてるのだから意味はないのであった。 横溝正史生誕百年記念展示は、図書室の一角を区切った形で、『八つ墓村』や『仮面舞踏会』の生原稿や、『本陣殺人事件』の掲載された『宝石』の松野一夫のイラスト、遺品の鉛筆や虫眼鏡、各種出版物の表紙や、正史や乱歩をはじめ、探偵作家たちの若き日の写真などを、狭いスペースに押しこんだようにして飾っている。 執筆の道具と言えば当然万年筆、と思っていたのに、正史ははるか昔から鉛筆で原稿を書いていたようだ。改稿癖のある正史ならでは、という気がする。 こうたろうくんが正史の写真と松野一夫描く金田一耕助のイラストを見て、「ああ、金田一ってやっぱり正史自身だな」と言う。確かに、写真と比較すると、和服姿の正史の印象は金田一そのものである。そして正史は常田富士男にクリソツなのである。やっぱり映画『本陣殺人事件』のとき、常田富士男に金田一を演じさせればピッタリだったのだ。なんで世間は石坂だの古谷だのって言うかなあ。原作読んでないんだろうな、やっぱし。
図書室の方に移り、『新青年』や『宝石』などの、昔懐かしき探偵小説雑誌がズラリと並んでいるのを見てクラクラする。 欠本も多いので必ずしも充実しているとは言いがたいが、それでも現実に戦前戦後期の雑誌にあたれる機会なんて滅多にない。埃に咽ながら、片っ端から目次拾い。 今回の目的の一つに、徳川夢声の小説を渉猟しようということがあった。カツベン師として有名であった氏の小説を、私は今まで『オベタイ・ブルブル事件』と『ポカピカン』の二作しか読んだことがなかったのだが、先日、唐沢俊一さんが『ポカピカン』を朗読したことを知って、他の作品も読みたくなったのである。ところが、雑誌にあたってみると出るわ出るわ、余芸どころの話ではない、優に全集が編めるほどの作品がゴロゴロと出て来るのである。エッセイも含めればその数は膨大な量になる。とてもちょっとコピーして、というわけにはいかない。そうそうに夢声探索は諦めて、気になる記事や、単行本収録が難しい作品などを博捜する。これはとても1時間や2時間で終わる仕事ではない。こうたろうくんに恐る恐る尋ねる。 「なあ、いちんちここにいていいか?」 「俺を誰だと思ってるんだよ」 頼もしいなあ。 しげも本好きではあるが、堪え性がないし、自分がほったらかしにされるのが大嫌いだから、一日図書館で過ごす、なんてこと頼んだら、即座にヒステリーを起こされてしまうだろう。ミステリー資料館でヒステリーだなんてヘタなシャレじゃん(-_-;)。 心置きなく、資料を物色する。残念ながらそれでも時間は足りないので、『探偵趣味』『探偵倶楽部』や『ヒッチコックマガジン』などに手を出すのは断念し、『新青年』と『宝石』のみに絞る。 戦前の横溝正史編集長時代の『新青年』の編集後記など、乱歩の『陰獣』を絶賛しているのだが、戦後、乱歩が編集した『宝石』では正史の『悪魔の手毬唄』を「ライフワーク」と誉めつつも「『獄門島』に比べて地味」とか書いている。全く、この二人のライバルときたら(^_^;)。こういうのもコピーしたかったのだが、これも量が膨大になりすぎるので泣く泣く諦める。同様の理由で、明智小五郎や金田一耕助のイラストも殆どコピーせず。片岡千恵蔵の映画の影響か、ごく初期から金田一が美青年に描かれているのは新発見であった。 乱歩が編集長を務めていたときの連載のラインナップがまたすごい。松本清張の『零の焦点』、高木彬光の『成吉思汗の秘密』、横溝正史の『悪魔の手毬唄』、そして乱歩御大の『探偵小説三十年』である。乱歩は自分が編集長になったのに『宝石』がイマイチ売れなくて憤慨していたと言うが、これでどうして売れなかったのか、謎だ。正史がこのころから探偵小説を書かなくなったのはわかる気がする。ラインナップの三番手、清張の後塵を配するような立場では、内心、煮え湯を飲まされた気持ちになっていたのではないか。 しかし、目次を見ているだけで、時代が見えてくる、当時の雰囲気が伝わってくる。まさにここは探偵小説ファンのメッカであった。
結局、コピーしたのは戯曲を中心として、単行本収録の見込めないものばかり。それもとても全部は紹介しきれないので、一部だけ。
モーリス・ルブラン原作・松野一夫画『アルセーヌ・ルパン 古燈の秘密』(『宝石』昭和21年8月号)。 3ページの絵物語。原作はもちろん『ルパン対ホームズ(ショルムス)』の『ユダヤのランプ』。『新青年』の表紙を飾るモダンなイラストを描いていた松野氏だが、挿絵を描かせると朴訥な絵を多く描いた。そのせいか、フランスはパリを舞台にしていながら、キャラクターは丸っこく、どこかほのぼのとしている。ルパンもショルムスも丸い丸い。もとが四色なので、こういうのはやっぱりカラーでコピーしたかった。
江戸川乱歩原作・樋口十一脚色『二廃人』(『宝石』昭和23年10月号)。 これは原作自体が戯曲的筋立てなので、結構面白くなるんじゃないかと思ったが、まさしく原作どおり。ただし、主人公の述懐を原作では心に思うだけなのを、芝居ではいちいちセリフにせねばならないので、そこがどうしても不自然になる。これは役者の力量が問われるところだろう。新国劇で岡秀夫と磐城吉二郎によって演じられたそうだが、出来はどうだったのだろうか。
横溝正史原作・武田武彦脚色演出『びっくり箱殺人事件』(『宝石』昭和25年4月号)。 探偵役の深山幽谷先生はもちろん江戸川乱歩。ほかにも木々高太郎、城昌幸、香山滋、山田風太郎、水谷準、大下宇陀児、島田一男、高木彬光と、そうそうたる面々がご出演だが、原作が長編のわりには途中、解説がやたらと入って、時間は意外に短い。やはり文士劇のシロウト芝居で長時間は持たせられぬと判断したものだろう。というか、セリフは殆ど幽谷先生こと乱歩の出ずっぱりである。乱歩の芝居好きの趣味に、ほかの探偵作家が付き合わされた格好か。
江戸川乱歩・幸田文対談『幸田露伴と探偵小説』(『宝石』昭和32年8月号)。 乱歩はこの対談のときまで露伴が無類の探偵小説好きであったことを知らなかったようだ。中島河太郎氏の研究によって、今の我々には露伴が『あやしやな』という、黒岩涙香の『無残』に次いで、創作探偵小説を書いていたことも知っているが、当時はまだそういう研究も進んでいなかったのだろう。言っちゃなんだが名作と言われる『五重塔』より『あやしやな』の方がよっぽど面白かった。読んだの随分昔なんで中身は忘れてるが。
途中、一旦外出して、近所のラーメン屋でつけ麺。こうたろうくんはチャーシュー麺。店員さんの一人がアジアの人らしく、「タマコ、アジツキか、×××××か?」と聞いてくるが発音がハッキリせず、聞き取れない。「タマコ」とは多分、女の名前ではなく卵であろう。伏字の部分が気になるが聞き返すのもなんなので、味付きを頼む。でもちょっとだけだが、店の奥から桜たまこがいきなり出てきて『おじさんルンバ』を歌ってくれたらうれしいのになあ、と思った。バカである。 つけ麺、腰のある縮れ麺で美味い。タマコの正体はやはり味付き卵であった。日頃九州じゃクソマズなとんこつ白濁ラーメンしか食ってないから、こういうマトモなラーメンを食うと嬉しくて涙が出そうになる。 つけ麺で食べるとスープはちょうどいい辛さなのだが、それだけを飲むのはちょっと辛くてツラい。蕎麦湯を足してもまだ辛い。けれど、香辛料のそれでなく醤油自体の辛さなので、舌にピリピリ来ることはない。コクのある辛さというヤツである。 この「辛さ」の点でも、胡椒と唐辛子ブチこんどきゃいい式の九州の某ラーメンは完敗である。福岡人、絶対舌バカになってきてるよなあ。
待ち合わせは午後6時だが、もう少し時間がある。 喫茶店でなんだかよく分らない甘いものを飲みながら、こうたろうくんと他人の悪口に興じる。いや、しげのことではありません(^o^)。 5時を回ったので、少し早めではあったが、またなんだかよく分らない電車を乗り継いで、JR日暮里駅に向かう。 実を言うと、電車の中で駄弁っていて、駅を二つ乗り越してしまったのだ。なんだかお互い興奮しているのだなあ。けれど時間に遅刻はしなかった。早めに行動しておいて正解であった。 日暮里駅の北口、既にヨナさん、待ち構えておられた。 わかりやすいように作務衣で来ます、ということだったが、ホントに作務衣だった(^o^)。しまった、それなら私も金田一ルックで来ればよかった(そのうちホントにしてやる)。久闊を叙しながら、全くまたこんなに早くお会いできる日が来ようとは思ってもみず、しばし感動に浸る。 「ミステリー文学館のあとはどこを回られたんですか?」 「いや、そこだけです」 ヨナさん、目を丸くして驚く。そりゃ、半日図書館で本を読むためだけにわざわざ九州から東京まで出てくるようなバカがいようとは思ってもみなかったのだろう。 「てっきりアキハバラでも回ってたのかと」 そう言えば秋葉原は以前住んでたときと違ってすっかりオタク街になってるそうだが、もししげと一緒にきてたなら、神保町よりもこちらのほうが楽しめたかもしれない。 ヨナさんの奥様のあやめさんは、まだ新しい職場で戦っておられるとのことで、遅れて来られるとのこと。あやめさんの日記で、そのあたりの経過の大枠は知っているのだが、果たしてどのような戦いっぷりであるのか。鎧に矢を射られて額に血を流したりしてやってくるんじゃないかとか勝手に妄想。誰にも気付かれないと思って失礼なこと考えるやつである。
6時ちょうどにあぐさんも来られる。一度お会いしただけなので、私の視力で識別できるかどうか心配していたのだが、杞憂であった。改札口を通る一番かわいい子を探せばよかったのだ。 「さっきまで秋葉原で『あずまんが大王』探してたけど見つからなかったんです。やっぱり予約しとかないとダメですね」 全く、オタクの行動というのはどうしてこう似通うのか(^_^;)。けれど、まだ大学生の身で、DVD12800円、消費税抜きを買おうってのは、なかなかの出費のはずだ。これだけでもあぐさんの若年にして既に筋金入りのオタクになりつつある片鱗が見て取れる。 「『戦国大合戦』のDVDはいつ出るんですか?」 「多分『オトナ帝国』が売れたら、ですよ」 「じゃあ、やっぱり買わないと」 訂正。既に筋金入りのオタクです、あぐさん。「(^^; ) すんづれいしました。 あぐさんがしげが来られなかったことを残念がってくださったのは嬉しかった。「一緒に、『幻想水滸伝�掘戮�つまんなかった話、しようと思ってたんですよ」と仰っていたが、人見知りの激しいしげも、あぐさんやあやめさんとなら気が合うように思う。 しげ自身があまり女性的なものを強く主張しないことが関係しているのかもしれないが、いかにも女でござい、みたいな人とではしげは合わないのである。かと言って、ムリに男に伍するような言質を弄する人もしげは敬遠してしまう。要するに「自然体」な人がしげには一番、気の合う仲間となるのだ。ムリにでもしげを連れて来ればよかった、と後悔。
店にはすぐに入らず、少し駅前をブラブラする。 夜の坂道の商店街は、出店もあり、どことなく昔風で懐かしさを感じさせる。 「ここが谷中の墓地ですよ。向こうの方は猫が多いんです」とヨナさんが傍らを指差す。 谷中と言えば、どうしたって思い出すのは漱石の『こころ』である。 市川崑監督の映画では、森雅之演ずる「先生」を、安井昌二の「私」(映画では「日置」と名がつく)が追いかけるシーンを、まさにこの墓地の中で撮影していた。……今ならなかなか許可がおりないだろうなあ。 少し早めに来て、このあたりを散策してみてもよかったかな、と思う。少し離れたところに、明智小五郎最初の事件の舞台ともなった、団子坂もあるのである。 すごく顔の整った、映画の子役かと見紛うような男の子がいたのでびっくりしたが、付き添いの父親を見ると外人さんであった。このあたりは昔から、外人さんも多く暮らしていたのだろう。 しげに土産でも、と思ったが、市場なので、売ってるのは食い物ばかりである。こうたろうくんが冗談で「『ひよこ』でも買ってくか?」と聞く。 「『ひよこサブレ』は売ってるかな?」と返すが、こうたろう君、ひよこサブレのことは知らなかった。 「知らない? テーマソングがあるんだよ」 ついでなんで、全歌詞をご紹介。こういう九州限定のテーマソングというのもちょっと面白いのではなかろうか。
1,セイウチのサブレは牙が難しい タツノオトシゴのサブレは折れやすい コウモリのサブレはなんかイヤだ やっぱりひよこのサブレにしよう
2,ヤマアラシのサブレは痛そうだ スッポンのサブレは噛み付きそうだ ヒトデのサブレは食べたくないよ やっぱりひよこのサブレにしよう
何となく口ずさんでしまう音楽、という点では、九州人には結構頻度が高いと思う。
長くなったので、この続きは明日の日記で。あやめさん、まだ登場してないし(^_^;)
2001年10月05日(金) 新番第4弾/『クレヨンしんちゃんスペシャル』/『化粧した男の冒険』(麻耶雄嵩・風祭壮太)ほか 2000年10月05日(木) ちょっと浮気(?!)とSFJAPANと/『荒野のコーマス屋敷』(シルヴィア・ウォー)ほか
| 2002年10月04日(金) |
前日の嵐/DVD『あずまんが大王【1年生】』/『HUNTER×HUNTER』15巻(冨樫義博) |
ちょっと体力が尽きかけてきたので、仕事を休む。 劇団の台本書きもあったので、今日一日で仕上げられるだけ仕上げようと決意するが、午前中はすっかり眠りこむ。 明日はいよいよ東京行きなので、今のうち休んでるに越したことはないのだが、それにしても自分でも寝過ぎだ。 しげはいつものように朝、夜と送り迎えをしないでいいので、やっぱり昼過ぎまでぐっすりと寝ている。結局、行動し始めたのは昼過ぎから。
しげが、私やよしひと嬢が書いた劇団の脚本をホームページからダウンロードできるようにした。穂稀嬢と昼寝る時間も削ってやってきたのが、どうやらようやく実を結んだ形である。 しかし、昔の脚本(と言っても、せいぜい5年前なのだが。それ以前のやつはお蔵入りである)を読み返すと、「ああ、ここのセリフは無駄だ、ここの展開は不必要」なんてのが露骨に見えてくるのが恥ずかしい。 それだけ今のほうが上達してるってことではあるが、同時にやっぱり作品ってのは書かなきゃ進歩しないってことがはっきり解る。昔の知り合いに「自分の腕はプロ級」と言ってた奴がいたが、結局、口先ばかりで実作をモノにしようとはしなかった。やはり小説であれ戯曲であれ、書いたり小屋にかけたりしてナンボである。コリクツこねてるヒマがあれば書け! なのである。 ……しげごめん、台本の〆切、もちょっと待って。今日中に書けだなんて、ムリだよう(T.T)。(←有言不実行)
とりあえずエネルギーをつけねばと、しげと焼肉を食いに(またかよ)、麦野の「ウエスト」へ。 1年以上来てなかったんで、カードは失効している。あまり食いすぎないようにとメニューを吟味してると、ウェイトレスの子(知り合い)が、3品盛りがいいよ、と勧めてくれる。 カルビやロースやホルモンや鶏や豚バラや、と言ったところから3品をチョイスできてお特、ということだったので、しげと二人で注文する。 「今日はサラダバーも美味しいよ」と勧めてくれたのでそれも頼むが、「今日は」ってことは、あまりよくない日もあるのか。見てみると、サラダはともかく、フルーツは充実していた。みかん、桃、パイン、梨、メロンほか、ゼリーやパンチも何種類もある。まあ、どれも缶詰だろうけど。 「缶詰なら食える」と言って、日頃フルーツを全く食べないしげも桃を食う。「缶詰が食えて、どうして普通の果物が食えないんだ」、と言うと、「だって缶詰のは甘いので包んでるから」とかよく分らない理屈を言う。別に桃の成分が変わったわけじゃあるまいに。
「ウエスト」の通りを挟んだ向かいに、何ヶ月前からか、レンタルビデオ・DVDの「TSUTAYA」が新しくできている。返却期限を過ぎて延滞料金を取られるのがイヤで、レンタルはほとんどしないのだが、ちょっとだけ覗いてみる。 しかし、最近のラインナップを見ていると、やはり見ようと思っててまだまだ見てない映画も多い。週一で新作見てたって、とても追っつかないのである。やはりどれだけ見る時間を捻出するか、ということなんだが、本は仕事の合間にトイレに篭って読めても(くせえな)、ビデオや映画は確実に2時間、時間を取られてしまうのだ。日記の更新や台本書きもあるというのに、これはなかなか厳しい。寝る時間削ると確実にカラダにガタが来るから、そうなるとやはりしげと一緒にいる時間を削って……あ、ばか、殴るなしげ。☆⌒(>。≪)イタタ。 レンタルビデオのコーナーを見ると、『クレヨンしんちゃん』の特集が組んであって、わざわざ店員さんの手書きでキャプションまで付けてある。筆頭に『オトナ帝国の逆襲』が置かれてあって、しかも五本並んでた奴が全てレンタル中、というのは立派なものではないか。さて、『戦国大合戦』の発売はいつになるかな。 セルDVDが1500円と激安だったので、『カサブランカ特別版』『スペースボール』と2本買う。どっちも見てるし、ビデオテープなら持ってるのだけれど、コメンタリーだのメイキングだのが結構多かったので買った。『カサブランカ』は私は世評で言うほどに名画だとは思っていないのだけれども、それでも主題歌『時の過ぎゆくまま(As time goes by)』(「沢田研次の?」なんて言うヤカラは火焙りだ)は名曲中の名曲だし、この映画でのイングリッド・バーグマン以上の美しさを見せてくれた女優を私は知らない。そのうちしげに内緒で一人でこっそり見よう。
しげが仕事に出かけてから、ようやく台本に取りかかるが、あとから思いついた設定が増えてしまって、なかなかまとまらない。しげは「台本できてなかったら東京に行かさんからね」と捨て台詞を残していたので、生汗がダラダラ流れる。とりあえず汗を流そうと風呂に入ったら、また眠くなってちょっと寝る。気がついたらもう真夜中。やばい、マジで時間がない(・・;)。 気晴らしにDVD『あずまんが大王』をかけるが、こちらに見入ってしまって、やっぱり台本が進まない。何をやってんだ、私。 これはもう、しげに叱られるしかないかと覚悟を決める。ノルときはホントにノルんだがなあ。
DVD『あずまんが大王【1年生】』。 第1話「入学式」から、第9話「ちよちゃんの誕生日」までを収録。解説によればテレビ版とは違うビデオ仕様で収録、とあるが、このへんの話はテレビ版を見てないし、見てたって私ゃ色弱だから多分違いなんで分らないのであった。見て違いが解る人がいたら教えてください(-_-;)。 考えてみたら第一話で入学式で、ちよちゃんとおーさかが転入生ってどーゆーことなんだろう。微妙に転入日が違うってことかもしれないけど、そういうことってほとんどないと思うんだけどなあ。 しかし、第一話でちよちゃんの頭だけが見えるってギャグ、私も劇団HPに載っけた4コママンガのネタで使ったな(^_^;)。 けど、初期のころはまだ男子学生が結構出演してたのな。なのに、主役の女の子たちには、浮いた話が全くない(^_^;)。この『あずまんが大王』が稀有なのは、まさしくその恋愛ネタが全くないという点にある(ここでかおりんの榊さんへの思いは? とか突っ込まないよーに)。これは当然、原作者の確信犯であろう。 おかげで後半はほとんど女子高かって感じになっちゃったけど、案外現実でも男の子との恋愛なんて考えてもいないって女の子、多いのかもしれない。彼女たちはそれぞれに一所懸命なものを持っていて、恋愛なんかに気を回してるヒマなんかなかったりするのだ、多分。 それにちよちゃんに男の子問題が起こったら大変だしね(^_^;)。それは置いといても、彼女たちに彼氏が全くいないというのは、必ずしも不自然ではないように思う。そういうところが本作にそこはかとなく「現実感」をもたらしていると思う。 現実感と言えば、おーさかの声優の松岡由貴さん、ホントに大阪出身だったんだね。とゆーか、『どれみ』のあいこちゃんだし『アベノ橋』のあるみだし『コメットさん☆』のネネちゃんだし『ハレのちグゥ』のマリィじゃん。大阪弁がスムーズなのも当たり前か。ポッと出の新人さんにしちゃ演技が上手いなあ、とか思ってたが、これだけ松岡さんが出演してるアニメを見てて、今の今まで気付かなかったとはな私はバカか。全くオタクの風上にも置けないとはこのことだ。 これはもう、遠慮なしにファンになれるな。どんどんアニメの中に大阪弁キャラを登場させて、松岡さんに演じてもらいたい。 ほんならやー(はあと)。 ああ、それからおーさかちゃん、カタツムリは昆虫じゃないけど虫です。「かたつむり」って、漢字で書くと「蝸牛」って書いて、虫偏が付いてるでしょ?
マンガ、冨樫義博『HUNTER×HUNTER ハンター×ハンター』15巻(集英社/ジャンプコミックス・410円)。 面白いんだか面白くないんだかよくわかんないけどともかく自分の世界は作ってるみたいだから何となく読むのをやめられないまま15巻まで来ました、「ハンターハンター」。いい加減「×」はどう読むのか教えてくれ。 カバー折り返しの写真がいしかわじゅんにそっくりだけど何かあったのか、冨樫さん。キャラの線も背景もどんどん雑になってきましたねー。いろいろオリジナルな設定を作るのはいいけれど、もう私は全部覚えようなんてめんどくさいことはしません。自分が参加できもしないゲームの設定を細かく説明されたって、読者は退屈なだけだと思うんだけど、冨樫さん、そのこと自覚してるのかな。もっとも、一所懸命覚えてるファンもいるんだろうなあ。そういう人たちにこのマンガは支えられているのである。なんのために支えてるのかわからんけど、ご苦労様です。
……と、現実逃避が終わったところで、再びパソコンに向かい、台本を書く……って、もう朝の6時じゃん! 台本は上がらない。 しげはまだ仕事から帰ってきてない(車で空港まで送ってもらう予定なのである)。 飛行機の出発時刻は7時10分だ。 さあ、私は明日、東京に行けるのか! 明日の日記を刮目して待て!
2001年10月04日(木) 新番第3弾……いつまで続くのよ/『おとぎストーリー 天使のしっぽ』第1話ほか 2000年10月04日(水) 止まる息とふらつく自転車とドロドロと/『本気のしるし』1巻(星里もちる)ほか
| 2002年10月03日(木) |
何が最悪?/アニメ『NARUTO ナルト』第1話/『愛人(あいするひと)』2巻(吉原由起)/『番外社員』(藤子不二雄A) |
一週間で仕事が一番忙しい日である。 先週から毎週木曜日にやらなきゃならない仕事が一気に二つも増えたので、休憩時間がほぼなくなったのだ。 ハッキリ言ってカラダが持たんのだが、そこはそれ、このトシになると仕事の手の抜き方も少しは覚えてくる(昔からだろう、という意見は却下)。 丸一日仕事があると思うから草臥れるのだ。昼休みにともかく1時間でもいいから寝る。午前を一日、午後を一日、休みをはさんで日が変わったと考えれば仕事量は半分。気持ちの上ではとりあえずがんばれる。なぜか疲れは取れてないけど(^_^;)。
マルキョウで買い物などして帰宅すると、ちょうど新番アニメ『NARUTO ナルト』に間に合う。 第1話「参上!うずまきナルト」って、『ナルト』ってタイトル、ホントになルトから取ったのか(^o^)。 実はマンガの方、今まで全く読んでない。別に嫌ってるわけじゃなくて、単に読み飛ばしてただけ。若いころほど全マンガ雑誌(と言っても月刊誌合わせたって10誌に満たなかったが)を丹念に読むエネルギー、なくなってるからなあ。 だから、これが忍者マンガだってことも今日まで気がつかなかった。もちろん今っぽくアレンジされた忍者もので、時代も世界も別に日本に拘ってるわけじゃなさそうだ。けれど、それでも多少はリアルにしないと、わざわざ「忍者」と銘打つ意味がないのではないかと見ていて思うことしきり。やはりあれは、日本の風土と切り離しては考えられないので、『ザ・ニンジャ』にしちまっちゃあ、つまんないと思うんだが。 キャラデザインにもそれほど魅力は感じないが、いかにもアニメ化を想定した絵柄だなあ、とは思う。まあ、これで若い人に受けてるんならそれはそれでいいのかな、と思うしかない。アニメ化のウワサが絶えなかったのもそのせいなんだろう。 ちょっとおもしろかったのは「ハッ」とか「ソイヤッ」と掛け声のかかるBGM。普通のアニメにはしたくないっていう監督の気概は感じられる。何話か見てみて面白くなりそうだったら続けて見るかも。
夜、こうたろう君から東京行きの確認の電話。 「奥さん、(置いてきぼりで)怒ってないかい?」 「怒ってるよ」 「やっぱり」 しげに関して言えば、もうこれはブチブチ文句を言われるのは覚悟の上である。ヤキモチ妬かないと夫との接点も作れない不器用な人間なんだからしゃあないわな。しげと付き合ってると自分が「海よりも広い心で許したるでー」(byおーさか)という気分にならないと、やってらんないのである。 待ち合わせ場所、その他の確認は済んでたのだが、こうたろうくん、ほかにもまだいろいろと心配事があるらしい(^o^)。 私はもう全然、心配なんかしてやしないのだが、O型のくせにどうして「何かあるんじゃないか」とか思っちゃうかな。 「最悪の事態を想定しといた方がいいよ」とか言ってるけど、私ゃ最悪の事態なんて、「飛行機が落ちて死ぬ」くらいしか想定できんなあ。今回、日にちの指定はこうたろうくんの希望だから、これで私がマジで事故死でもした日には、彼は奥さんにすがりついて「お、おれが有久を殺しちゃったよう」とか言って泣きじゃくるに決まっているのだ。この善人め。 あとはまたいつものごとくオタク話。もうすぐたっぷりできると言うのに電話代使って何やってんだか。15日放送予定の火サス版『鬼畜』について、まだ見てもいないのに、二人してコキおろす。 「今度の『鬼畜』、ビートたけしだってな」 「意外性がないんだよな、たけしじゃ」 「相手も奥さんが黒木瞳で愛人が室井滋じゃあなあ。逆だろうにって」 でもやっぱり見ちゃうんだろうなあ。何しろ『鬼畜』は松本清張作品の中でも、しげが一番好きな作品なのである。親が子を殺す話なのになあ(^_^;)。
マンガ、吉原由起『愛人(あいするひと)』2巻(小学館/プチコミフラワーコミックス・410円)。 また、しげが勝手にこんなのを買ってきやがって(^_^;)。もちろん言うまでもなく、この作品はしげの大好きな「スケベギャグ」であります。 はい、主人公の大学生・咲子さんが、妻子のいる千冬先生の押しかけ愛人になったものの、お堅い先生はチュー以上のことはしてくれない。その間、なんと先生の弟の夏生くんと関係を持ってしまい、でも、そのテクニックに堪能して(するなよ)、「センセとHできるまで練習しましょ」と弟くんとの関係を続けることにした、というのが第1巻の内容でしたねー。 で、今巻はというと、ついに咲子さんと夏生くんとの関係が千冬先生にバレました。怒った先生はいままで抱こうとしなかった咲子さんに無理やりナニをしようとします。「プライドを傷つけられたのが許せないだけでしょ!」と抵抗する咲子さん。そこで先生は告白します。「許せないさ! 私は君を愛しているのだからな!」 ついにお互いの気持ちを確かめあった二人。これで二人もハッピーエンド(なんか勝手にやってなさい的な終わりだけど)か……と思いきや。 「先生、ヘタだから、夏生くん、これからも練習台になってね」 ……あ〜、のけぞっちゃいましたね。Hのことしか考えないキャラ描かせたら吉原さんが天下一品だということは、前作『ダーリンは生モノにつき』読んでてわかってたつもりだけど、ここまで男を翻弄するキャラを描かれるとは思ってもみなかったなあ。 女が男に言ってはいけないセリフの第1番に挙げられるのが「ヘタクソ」であることは自明である(そうか?)。創作の中でそのセリフを吐く者は概して、男を弄ぶ悪女として描かれることが常であった。ところが吉原さんはその常識をいとも簡単に覆してしまったのだ。 最愛の人と最高のHをするために、他の人と練習する(しかも相手はその人の弟)、こんなのが「かわいい女」として成立させられるなどとはねー、十年前だったら考えられなかったねー、これも時代かねー。 いや、それが可能だったのは、ひとえにこのヒロインの咲子が「バカ」だったからだろう(^o^)。無自覚に二人の男を手玉に取るナチュラルさというか野性というか、もうこの話の根幹を流れている「思想」は、全くもって「バカには勝てない」なんである。ご大層なイデオロギーも、胸を打つ熱い涙も、未来に向けたメッセージもくそ食らえ、男と女はナニじゃあ! という身もフタもない真実を、山上たつひこかどおくまんが描くならばともかくも、繊細な少女マンガのタッチで、吉原さんが描いちゃうのである。この威力には勝てないよ(^_^;)。 ホントの兄弟をホントの「兄弟」にしてしまう強引な展開が、まさしく吉原コメディの真骨頂なのだろう。 ……でもまさか次の3巻じゃ、千冬先生の奥さんが出て来て四角関係になるとか、ありがちな展開になっちゃうんじゃないかと、それがちょっと心配。
マンガ、藤子不二雄A『ブラックユーモア短編集 番外社員』(中央公論新社/コミック・スーリ・ChukoコミックLite・300円)。 愛蔵版にはなぜか収録されなかった『番外社員』シリーズ。初出は1973年の『劇画ポスト』というから、もう三十年も前なのだけれど、Aさんも脂がノリにノリきっていたころの作品である。 会社をユスってきたヤクザの応対をして麻雀勝負をするとか、結婚間近な社長の息子の愛人に、手を切らせる交渉とか、ライバル会社と、ある原材料を巡っての権利をゴルフ勝負でケリをつけるとか、要するに「表ではできない」ウラを専門に引きうけるのが主人公の仕事なのである。 「黒イせえるすまん」こと喪黒福造もこの系列のキャラクターではあるけれども、セールスマンと言いつつも、どこかの組織に所属しているようにも見えず、ただひたすら不気味な喪黒に比べると、本編の主人公、番外大五郎は番外とは言えやはり組織に所属する人間なのである。任務に失敗すれば即お払い箱という厳しい立場にある以上、いくら彼が完全勝利をし続けていても、なにか手放しでは喜べない、今一つカタルシスを感じ切れない恨みがあるのだ。彼がもう少し自分を陰で使う専務に対して、その知力で反旗を翻すようなところを見せてくれていたら、藤子A版「蘇える金狼」みたいに面白くなったかもなあ、と思うのだが。
2001年10月03日(水) 新番2弾!/『X』第1話/『女刑事音道貴子 花散る頃の殺人』(乃南アサ)ほか 2000年10月03日(火) 博多はよか、よかァ/映画『博多ムービー ちんちろまい』ほか
日記の表紙へ|昨日の日記|明日の日記
☆劇団メンバー日記リンク☆
藤原敬之(ふじわら・けいし)
|