JERRY BEANS!!

2004年10月31日(日) しがらみ

自分だけなら、問題なんてさして無い。

だけど、色んな糸が、細く、太く、短く、長く、
色んな場所に絡まっていて、それを一つずつ解くのに
時間がかかり過ぎる。ああ、色とりどり!!
気付けばいろんな紐に括り付けられてる。

すぐに、簡単に「連れて行って」だなんて、
安易に口にする僕でごめん。

そんな事をひとりだけに頼まなくても、自分で糸を
解いてから、歩いて行けばいいんだ。

…全部解けたら、「さあ、行こう」って、次は言おう。

色とりどりの残骸を後ろに、君の手を取って。



2004年10月30日(土) 規則性

規則正しいものが好きだ。

例えば、毎朝、同じ場所を散歩する犬連れの老婦人。
毎日、同じ時間に、同じ商品を頼む外人さん。
いつも、何か色紙を色んな葉っぱの形に切っている。

毎日、同じ時間に待ち合わせをする若いカップル。

週に1度は必ず来る、壮年夫婦。常に商品はお持ち帰り。

仕事帰り、23時22分のバスには、必ず一緒になる人が3人。

いつも同じサイクルで回る毎日を、規則正しく過ごす、
その人達を見て、安心するのが、今の私の日課だ。



2004年10月29日(金)

言葉が追いつかない。

お喋りすると、頭が真っ白になる。

あんまりにも、思った事が素直に口から出て行き過ぎて、
心に留まる時間も無い。

言葉に触れると、泡のように、消えてしまう。
…詰めた中身が、空気になる。

ああ、そう。

言葉に毒が、無さ過ぎるんだ。

目の前も、真っ白。



2004年10月28日(木) reply

出来れば、こんな小さな画面にはびこる、全ての言葉が
消えてしまえば良いと思う。

どんなに文字を連ねても、貴方は貴方で、私は私。
好きになればなる程、透明なこの薄い膜に、気付く事しか出来ない。

会えないから余計に、…でも、多分会ったら更に余計に、
この膜を取り除けると、幻想を抱くのでしょう?

言葉は幻覚を誘う。

私はまた、言葉に酔い、言葉はまた、貴方を幻想に誘う。

夜の間だけ、こんなにもポロポロとこぼれて来る言葉の力を、
儚く念って、私は。…貴方に、近付きたいと。…。


…文字は全て、抜け殻。
貴方の眼に止まって、胸に響く頃には。

文字に書き写した、言葉の本当の本質は、書いた瞬間に、夜に融けて消える。
それでも、私は書くのを止めない。…1mmでも、貴方に近付ける。
それを、し続けるために。



2004年10月27日(水) 貴方の胸の闇

どんなに心でさよならを繰り返しても、
過去に在った気持ちは消せない。殺す事が出来ない。

それでも、上から塗りこめる事は出来るから、
もっと、強い力で、どうか私を塗りこめてしまって下さい。

他に隙間が出来ないように、この気持ちが消えないように、
この手を取って離さないでいてくれたら。…右手も、左手も。

…音も無く積もる雪のように、真っ白なまま、
積もり行く貴方とこの時間を愛します。

生温かい暗闇や、真っ黒な過去に、私が足を掬われないように。
私が闇に留まらぬよう、この手を引いて連れて行って。

…貴方の、底まで。約束通り、守って下さい。



2004年10月26日(火) gift

貴方の誕生日。

貴方が持って生まれた性質、
神から頂いた貴方のそのgiftに出逢えた事を、美しく思います。

今日、この日に生まれた貴方が、いつか死に至る時も、
依然としてその世界が美しくあることを。

そして貴方が、その時には美しい死体であることを。

神からの最大の祝福が貴方には訪れる事を、世界で一番に願います。

どうか、貴方の生涯が、最後まで美しくあるように。



2004年10月24日(日) 冥想

言葉が浮かばなくなったら、胸が、熱い。
「顔を見て、触れられたら。」…想うばかり。


…貴方を想うのは、気持ちが良い。
躰が融けてしまうようで。心が、精神が染み出してしまうようで。
動かずにじっとしているなら、ずっと、貴方の事を考えよう。
だらしのない、私のボディ。形も無い。


貴方に会って、触れたら、何を話せば良いだろう。
多分、こうして会わない間に想うことは、会った瞬間に消えるでしょう。
会わない間に生まれる言葉は、選んでも消えてしまう。

来月、貴方に会った時、一番最初に口をつく「リアル」が何か、
私自身が、一番知りたい。



2004年10月23日(土) 電話

地震があって、本当に怖くて。
しばらく、胸も頭もひっきりなしにまわって、
とても不安で、動揺し、気持ちがうわずっていた。

一番最初に安否を考えたのは祖父母。
次に妹。若いから、突発的な事故にさえ巻き込まれなければ
多分無事か。…兄は、東京なので多分大丈夫。
家族の無事を思った。生きているかどうか。

でも、不謹慎にも、一番、自分自身が安心したいと思って
どうしても会いたかったのは、声を聞きたかったのは、
ひとりでした。

こんなに不謹慎な人間で、本当にごめんなさい。

それでも、私自身は、どうしても、貴方の声を聞きたかった。
無事だと分かったら、他人への心配も消し飛んでしまった。
ただ、自分自身の為だけに、貴方の声を、聞きたかった。

よく考えたら、私は貴方の安否も考えずに、電話が繋がった時も
貴方に「そっちは大丈夫?」の一言すら出なかった。

こんなに自分勝手な私でごめんなさい。
それでも、貴方の声を、聞いていたかったのです。
あんなに遅い時間まで、たった一本の電話でも。

繋がって居られたらと。



2004年10月20日(水) 泡沫

頭の中で考える事の全てを、此処に吐き出す訳じゃない。
胸に想う事の全てを文字に変える訳じゃない。
此処に書く事だけが全てじゃない。

どんなに文字を読んでも、私の全てを知ることは出来ません。
だけどそういう所も含めて、許して欲しいと思います。

私の裏側にある何かを知ったら、貴方は私を見捨てるかも知れない。
それが何かは解らない。私が本当に、貴方に想われる価値の
ある人間かどうか。私は自分に自信はありません。

それでも、…貴方にどうしても逢いたいと、思って、しまう。

ふたりで逢える時には、いつでも全力で、どうか、ぶつかって来て下さい。
文字でも、言葉でも、私が決して伝えない何かが、生身の貴方なら、
感じる事が出来るかも知れない。…生身の私が、受け止められる、と。
そうであったら、嬉しいと思う。

どんなに側で掴んでも、私の全てを知ることは出来ません。

そう。でも、もっと近くに行ける。貴方の所まで。もっとこっちに。
心でも、体でも。誰よりも一番近くで、どうかずっと、側に居て下さい。



2004年10月19日(火) refrain

甘く痺れた。

繋がる声に感応する。

波紋が拡がる。

冷たい銀の水面が揺れる。

波紋が拡がる。拡がる。拡がる。

逆立つ、脳が痺れた。



2004年10月18日(月) 愛なんて

私は「愛」と言う安易な言葉が好きではない。

何故か?…それは。何故なのかは自分でも良く解らないのだが、
とにかくその単語があまり好きではないのだ。多分、メディアの
影響が強いような気はする。

「愛している」という言葉の意味など、まるで実感しないのが当然な
小、中学生の頃は、「好き」という言葉が嫌いだった。

その、異様に爽やかさを演出する語感の内側に、異様なほどの、
独占欲にも似たエゴイズムを感じるのが、とにかく我慢出来なかった。
今は「好き」という言葉を純粋な気もちで、そのエゴを含んだ純粋な欲として
使う事ができるから、「好き」はとても好きな言葉なんだけど、

「愛している」は、未だに難しい。

この言葉は、…私の中では、世の中で死ぬほど軽薄な使われ方をしている
悲しい言葉だから。だから私は、それを好きな人に使いたくないんだと思う。

映画の中、ドラマの中、小説の中、どこでも、陳腐な男女が軽薄に使う。
ただの「台詞」に見えるのが我慢出来ない。…愛って、そんなふうにメディアが
軽く扱うほど、陳腐な言葉では、本当は決してないんだと思う。

愛って、素敵なだけで、心地よいだけで、綺麗なものだけで出来てない。
貪欲なだけでも、哀しみだけでも、グロイだけでも、それだけでもない。
純粋な欲望だけでも無い。じゃあ、お前は一体なんなんだよ?と、思う。

愛なんて気持ちが内側にある時、私はどんな言葉も、その対象に向ける事が
出来ない。愛という気持ちが胸に奮えている時、言葉は何の役にも立たない。
だから、その対象に「愛しています」と口に出した瞬間に、それが嘘になる
気がして、…口に出して聞かせた瞬間に、その気持ちが「作為」に汚される
気がして、怖いと思う。



2004年10月16日(土) リフレクト

貴方を反射している。

ただ、そのまま繰り返しているだけなのです。

貴方の眼に、私が柔らかく映るとしたら、それは貴方が
私を柔らかいように扱うからで、私が元々、柔らかい訳じゃない。

私を見る眼が優しいから、私を考える、貴方の脳が柔らかいから、
それがそう見えるだけなんです。

暗い部分も、明るい部分も、私は貴方を映しましょう。
これから先、ずっと、…淋しさも、哀しみも。

…貴方が生きていて嬉しい。

黄金色に、澄んだ空気に融ける、貴方の声も、眼も
真っ黒なこの目にずっと、映してあげられたら良い。



2004年10月15日(金) 偶然

君との偶然が嬉しい。

小さな、タイミングが連続すること。

魚を見る。ちょうど今、…という、小さなことが嬉しい。
考えている内容が、触れない部分で繋がる感触。

実態のない繋がりと関係性も、お互いに知らない素性も、
どうだって良い。

情報は、集めれば集めるほど自分を表す記号になるから、
君が僕を表現するとしたら、もっと別の感覚的なものであると
嬉しい。

君と出会ったのが、年をとった今の僕で良かった。
狂っていない、ただ弱いだけの僕で良かった。

そんないろんな偶然が繋がる事が嬉しい。



2004年10月14日(木) 同じ車

もう二度と、会う事など無いのでしょう。
街で見かけることも。

偶然出会うことも無いし、意図的に出会うことも無いでしょう。

そう、理解しているのに、

…同じ型の車を見るだけで、一瞬、脳が留まる。
どうしてこんなに、罪の意識がするの?

そう、本当に、私にとっては手が届かなくて、目に映るだけで。
指が震える程、怖かった。言葉を失う程。躰が硬直する程。

「もう電話もしないしメールもしない」
そんな簡単な言葉と、「ありがとう」や「ごめんなさい」という
ありふれた小さな文句で、納得するしかない気持ちを
言葉に押し込めた。

あの人はもう居ない。もう、会わない。

だけど、同じ車、同じ版画、同じ香水、そんなありふれた亡霊に、
一瞬だけ、私はとり憑かれる。すれ違う、瞬間的なもの。

神様。…私という愚かな民の創りだした、偽りの神。

一瞬、私は後ろを振り返る。そして、胸をなでおろす。



2004年10月13日(水)

ネガティブな言葉は、吐けば吐くほど、不幸になる。
不満な言葉が、更に憂鬱を呼び寄せているのでしょう。

言葉は人を象る、小さな殻。
ひとつひとつは、ただの欠片かもしれないけれど、
吐き出せば吐き出すほど、自分の周りを固める、重たい石の壁になる。


だから、大事な言葉をたくさん言いたい。選んで言いたい。


本当は自分自身、不満だらけで、人に当り散らしてでも吐き出したい
嫌な言葉もたくさん浮かぶけど、いつも、それを書いたり、思い浮かべたり
してからすごく反省する。

哀しみも、愉しみも、私は愛するけど、怒りと憂鬱は、愛すことが出来ない。
抱きしめてあげられない感情。他人を不幸にする力しか持たない言葉を、
私は恐ろしいと思う。

だから私は選びたい。柔らかい言葉を。
激しくても、重たくても、人を、決して拘束しない言葉を。



2004年10月12日(火) 最短ルート

夢は素敵。理想も素敵。

でも、今出来る最大限の努力をするのが、一番素敵だと思う。

いつも同じ悩みを繰り返す彼女は、それをしないから、
何時まで経っても先へ進む事が出来ない。

心に巣食う迷いや不安を、そこに巣食わせているのが自分自身だと
気付かないと、それ以上物事が解決する事は無い。

「本当にやりたいことがある」と、声高に宣言するのであれば、
それに向かって、今、自分が出来ることからやり始めるしかない。
自分に出来る範囲で、実現可能な範囲からだ。

それが他人から見てどんなに遠回りであっても、他人には他の道が
あって、それを羨んだとしても、その遠い路が自分にとっての
最短ルートである限り、そこを進むしかないんだ。

もっと、もっと、笑って欲しいんだ。幸せになって欲しいんだ。貴方に。
自分の力で、進める力で。



2004年10月11日(月) 夜の縁

貴方には、深く冷たい夜が似合うでしょう。

人が人で無くなり掛けた丑三つ時。しっとりとした湿度が
肌を濡らす時間。小さな鏡が割れる。月の無い、闇。
濡れたベルベット。夜の柔らかさが、優しい不快で、不安を包むでしょう。

夜が一番深まる縁に、貴方が立っている。

夜は不安ですか?

ええ。時間の経つのが不安です。

夜が明ける。貴方が消える。私にとっての闇。



2004年10月10日(日)

胸に、どうしても拡がる哀しみ。
その染みのような、痣のような痕を、ずっと、誰と居る時も
忘れようと。…いいえ。…忘れたように見えるようにと。


…どうせ誰にも理解されないなら。と。


未だに、どんなに会う事もなくても、この世界に居ないとしても、
細かい無機物に変わり果てていても、何ひとつ実物として居なくても、

気持ちが消える事も減る事もしないで、ただ、ずっと変わらないままで。
生きている時からずっと、何か言おうと思い続けていたのに、

私は、今も、彼にかける言葉が見付からない。

私は、骨を舐める。土を舐める。

石に触れて、手を繋ぐように。言葉を探る。



2004年10月09日(土) ずっと

話ができたら良いのに

貪るように話し尽くしても、話す言葉に困らないように


言葉が無くなったら、一緒に、本を読んだり星を見上げましょう

水に映る月の話を 温かい砂の話を 柔らかい泥の話を

生温かい半透明のゼリーを胸からすくって渡そう


何処でも良いから 目から零れて 君と泣いて居たい



2004年10月07日(木) 盲目な幸福

貴方は一体、私の何を知っているんだろう。
そして一体、私は貴方の何を知れるだろう。

何も知らない。此処にも居ない。

だけど、何故こんなに心が逸るのですか?
何故そんなに、胸を叩くのですか?

こんなに急にどうして恋に堕ちるのでしょう。
暖かいけれど、ぽっかりと口を開けた深淵に
底もなく堕ちていくよう。

何処にも行けない。

とても怖い。

だけど、とても心が逸るのです。
私と一緒に、どうぞ、堕ちて行って下さい。
笑った顔が、とても好きです。哀しい涙も。

二人なら、暗闇が、こんなに奮える暖かさ。
もっと逢いたい。…そう想う、今が愛しい。



2004年10月06日(水) 君へ

感情に満ちる薄い瞳に屈服して、この手を伸ばすなら
貴方はこの手を取りますか?

この手が貴方に触れるのは、その瞳があまりにも饒舌だったから。

貴方の凛として荒削りの、それでいて恋に請う小さな脆さが
私の胸をふるふると、震えさせるのです。

貴方がもしも泣くのなら、流した涙を一粒ずつ飲み込んであげよう。

だから、どうか、貴方の、貴方だけが持てるものを決して失わないように。
私が居る事で、何が変わっても構わないけれど、私が一番最初に惹かれた
貴方の「芯」を、私のせいで無くさないように気を付けて。

私も、貴方が居る事に慣れて、私が大事にしなきゃならない「私」の種を
無くさないように努力するから。

実際に離れている距離はどうしようも無いけれど、私は手を伸ばします。
多分、貴方の居る方へ。多分、夜の次。朝陽が昇る前に、手が届けば。
…手が、届くように。



2004年10月05日(火) 熱病

…あなたは、荒々しさと、礼儀正しさが交錯している。
厚紙を手でくしゃくしゃにして柔らかくしたものを、
本質に一生懸命貼り付けたような。呪術的な愛しさ。

貴方と居ると、私の中の、素の部分が引きずり出されてしまう。

生々しく、死んだ臓器のような灰色と、どす黒い赤と青。
心臓に張り付くような管がその表面から何本も出ていて、
触った感じはぬらぬらとしている。不気味に脈打つ、私の中身。

普段ならきっと言わない本心が、貴方には、引きずり出される。

貴方も、私も、病気なのでしょう。



2004年10月03日(日)

…言葉はただのツールです。貴方の思うものを、象る道具。
魂の形を伝える、人間の作り出した道具です。

何気なくかける言葉も、投げかけあい、受け取りあうその言葉も、
人によっては全く違うものに変わって吸収される事もある。

だけど私は、貴方の言葉を愛します。

同じ重さで繋がり合える、言葉の奥にある物を。

どれだけ伝えようと願っても、決して届かないその深みを。

絶望を知った上で生み出す、希望を、願う、その気持ちを。


言葉に乗せる事でしか、表現出来ないから。



2004年10月02日(土) 目を開ける時

瞼を閉じる。瞳を閉じるのが、とても好き。

でもね。貴方の茶色の目をみて話すのは、とても心地の良いものだと
知ったから、今はもっと目を開けようと思うようになった。

貴方が居なくなってから、初めて、色んな事を想像して考えるようになった。
貴方が居なくなってから、心はこんなに逸るけど、今はもう、どうしても。


 電車のホームは、乗らない人間にはただのコンクリートです。
 電車に乗った人を見送るのは、辛いから嫌いです。
 
 貴方の笑った顔が好きです。
 少し涙目になるのも好きです。


私は今は、目を開けて、起きている時に、貴方の事を考える。
この短いラブレターも、今はきちんと届くから。
次に瞼を閉じるのは、貴方に会って体に触れた時にしよう。

また次に触れる時に、きっと貴方が体を硬直させる事を想って、
目を開けて、貴方を想像している。


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