JERRY BEANS!!

2004年08月30日(月)

随分と時間が経ってしまった。

事態が急転するのは、小さな小さなきっかけに過ぎない。
何時だって、「運命の輪」は廻り続けていて、本当にいつも突然、
人に吉凶禍福を放り投げて、その運命を人に強制する。
いつも、事態が急すぎて、そんなふうに、思い込んでしまう。

でも、本当は、幸せも不幸せも、自分が知らない間に選んで、
自らに引き寄せているんだと思う。

私は誰の事も幸せにしない。

…そう思うのは、自分が誰の事も幸せにしたくないからであって、
そしてそれ以前に、自分自身が、自分を幸せだと感じないからだ。

…私は自分を不幸だなんて思わないけれど、やっぱり、
誰かから簡単に与えられる幸せなど、…同じように、他の誰かから、
やはり簡単に奪われてしまうんだろう。

運命の輪の廻る中で、後ろを振り返って立ち止まったら、簡単に、
その車輪に巻き込まれてしまう。だから、どんなに気持ちが後ろに惹かれようと、
決して、立ち止まってはならない。この「時間」より、歩を緩めてはならない。
運命の輪を廻すのは私ではないが、この運命を廻す原動力は、
私自身でしかないから、

その源が枯れ果てるまで、カラカラと虚しい音しかしなくても、この輪を
廻し続けるしかない。そして、自らに轢かれることの無いように注意しながら、
この「運命」に、自発的に従事する。



2004年08月29日(日) 人酔い

友人の結婚に伴い、お祝いに行って、色んな人と会った。

求心力のある人達なので、本当に色んな人がお祝いに来ていて、
改めて彼女たちの魅力の拡がりと柔らかさを感じた。とても
幸せそうで、顔が綺麗だった。目が、良いね。薔薇の花弁が、
光でやんわりと綻ぶように、綺麗な気持ちが目から綻んで零れて来る
ような。彼らの魅力は、それぞれが自らの感覚に対して本当に実直で
ある所だなぁ。と、思う。

誰かと、同じ方向に向かって繋がり合って進んで行く幸せ。
結婚とはつまりそんな気持ちのことかも知れないなぁ、と、想像する。

そんな、幸せの野原のはじっこで、色んな、人を見ていた。
そうして、ザワザワと多様な何かが風や光にざわめくのを見ていた。

一瞬、その全てに「意志」があり、「感情」があり、「虚ろ」である
と考えたら、一気に気持ちが悪くなってしまった。…人に会うと、
心を探られる。胸をどんなに頑丈に閉じても、人間の感情はぐにゃぐにゃ
と軟体だから、それ故に隙間から、覗こうとされる。関わり合おうとする。

普段はあまりそこまで人を見ないし、そこまで長い時間関わる事がないので
平気だけれど、今回はかなり長い時間その場にいたので、久しぶりに
まともにそれをくらってしまった。

つまりは、人酔いだと、簡単に言えるのかも知れないが、
頭蓋骨の裏側が、ざわざわする。胸に響く言葉、意味の無い言葉、
あたり障りのない妙な言葉が、脳に詰め込まれていって、情報過多になる。
またひとつ、前に進んでいく。



2004年08月27日(金) 汚れたスイッチ

昨日は久しぶりに部活の先輩と飲んだ。一応先輩だけど、同年齢なので
楽しい。そして、微妙で、そして、不思議。

あんまり楽しくて、飲みすぎて、全く何年ぶりかに前後不覚に陥った。
一次会の途中で飲みくらべてダウン。トイレでワインを全部吐く。
ワインを飲むと、出てくるのも真っ赤。せっかく食べた美味しい食事も
みんな体内から出て行ってしまった。物を吐くと、涙が出る。…不思議。

一軒目の飲み屋で立てなくなったので、タクシーに一人詰められて
帰されてしまった。面白い。実家が近いので実家までタクシーに乗る。
お金を数えるのも億劫になり、壱万円を差し出し、お釣を受けとる。
それを鞄にぐしゃりと突っ込む。タクシーが帰ったのを確認した後、
道路にしゃがみ込み、脇の側溝にまた物を吐く。本当に、面白い。

自宅はアパートの4階なので、階段を上がる。息もあがる。重たい水色の
ドアの前で、再びしゃがみ込む。鞄の底から鍵を取り出すが、床に座り
込んだ状態からなので鍵がなかなか刺さらない。ガチャガチャと何度も
試すが、酔っていて鍵を鍵穴に入れる事が出来ない。10回ほどトライして、
ようやく鍵が開き、ドアを開ける。親は不在の様子。とりあえず居間に
倒れこんで眠った。…夜中に母が帰宅し、介抱されて布団で眠った。

…私がここまで酔うには条件がある。

私の胸の一番奥には、汚れた人間のスイッチがあって、それを押さない限り、
私は胸を開かない。昨日は、ある人の一言で、何年かぶりにそのスイッチが
入った。「君はどす黒い。そしてそれを知った上で、隠そうとしているね。
…でも、見れば解るよ。」…その場に居た、全てがとても真っ直ぐで綺麗な人と
比べられて、見れば解るとそう言われた。…私はとてもどす黒い。
…私はそれが、とても、嬉しかった。人間の闇を肯定する言葉をかけられた事。
スイッチが入る。私は、私の闇を肯定する。その人に対応する「私」が、
「外側用」と入れ替わった。



2004年08月25日(水) 咀嚼

断片的でも、私は、貴方の欠片を知ってとても美しいと思う。

集めているのは単なる欠片。

声。匂い。触感。食感。味。視覚。脳。…何でも良い。

…美しいのは、貴方のその精神的な潔癖さ。
混じりけが無く、率直で刺々しいその感性。
それをくるむ、真綿のような、絹のような。
湿度の高い布のような、皮膚にも似た柔らかい殻。


貴方に会えば、またひとつ欠片は増えるでしょう。
それを得たら、私はまた何かを失うんだろう。

できる事なら、私のこの指であの殻を剥ぎ取りたい。
爪でその殻に傷をつけたい。

でも、本当に知りたいのは、あの人が壊れて行く美しさ。
私がこうして壊れて行くように、あの人の美しさも、誰かの前で
崩れ去っていくのなら。

私はいつも、その最期の美を想像しながら、少しずつ欠片を齧る。



2004年08月23日(月) コギト

私は、想像する事しか出来ない。

私が誰の事も理解する事が出来ないなら、
それは、誰も私を理解出来ないという事と同じだ。

そう。

人は人である限り、自分以外の他人の事は、想像する事しか出来ない。
だけど、だから。なのに。

私はあの人の事を、何も知らない。考えても考えても、理解は出来ない。
それは、どれだけ近くまで行っても、彼をどれだけ「知る」としても、
側にいて触れたとしても、そこで何かが伝わっても、彼が私で無い限り
理解する事は無い。…それどころか、近付けば近付く程、触れれば触れる程、
貴方を知れば知る程、私は貴方が私とは全く違う存在だと知るのでしょう。
決して、そこに「触れる」事は無いと知るでしょう。

だけど、だから。余計に、

私の想像する世界に、私の抱くこの世界にあの人が居るだけで、
こんなに魂が揺さぶられてしまう。制止しない。

彼が私で無いからこそ。…ただ、「知りたい」という欲求だけが、
私に何もかもを想像させる。それ故に。…私は、貴方を想像する。

それが私に出来る事の最大限。ただ、貴方の事を想う。それしか、出来ない。



2004年08月21日(土) 取捨択一

何かを得るたびに何かを失わなければならないとしたら、
私はこの身体に何を詰めて、夜を越えて行けば良いんだろう。

 喜び。

 …哀しみ。

私が持てる物の中で、何をどれだけ手放したら、あの人の心に
この手が届くんだろう。夜は明けない。

けど、あの人には薄紫の、蒼白い朝焼けが似合うと思う。

その輪郭を境にして、山が逆光に因って陰に支配される瞬間。
…闇を内包しながら、縁を滲ませるように融ける朝焼けの、あの白さが、
あの人には似合うと思う。


 喜び。

 …哀しみ。

そのどちらを、どれだけ、…取るのか捨てるのか、それすらも
選び取れない程に、胸は絡まって、床に転がり落ちている。

その紐を解くふりをして、余計に絡ませてしまっている。解こうと思えば
、強くそう思う程、その絡まった対極の美しさに毒されて、どちらかを
選ぶことすら出来ずに、朝焼けを想い浮かべるだけで、この手はどちらも
選ばない。



2004年08月18日(水) 酔い醒め

あの人は、あたしのことを、状況に酔っているんじゃないかと
そう言った。…そうなのか。そうなのかな?

今は分からない。最初は、始まりは、何時だってそんな感じの
軽いコトからなのかも知れない。…確かに、

「あの人を好きだけど…」なんて言う、軽軽しい自らの気持ちに酔って
居たのかも知れない。だからこそ自分の立場も考えずに、勢いで
あの人に触れてしまったんだろう。

でも。

それが酔いだとするのなら、今、この酔い覚めた私の中にあるものは
一体なんだろう?

胸が蒼い。

仄かに熱い。

確かに胸に生まれている。前とは違う、色と形と温度のものが。
これを知ってくれるのなら、この胸を切開いても良い。

貴方に触れる。貴方が触れる。それだけで、こんなにたくさんの
新しい何かが、手の皮膚の裏でぐるぐると渦巻いている。



2004年08月16日(月) あなたが、

私は、貴方が思うよりずっと情熱家で、
貴方が思っているより、ずっと強い。

あなたが、私を見くびって思うよりもずっと。



2004年08月15日(日) 水の音

水の音が聞こえる。
さらさら。

大丈夫?

心地が良い。

貴方をとても好きだけど、水を掴むように、貴方を
捕まえることは出来ない。

あまりにも美し過ぎる空の色。
気が遠くなる程複雑なグラデーションの雲の層。
海の波の一瞬の泡立ちのように、

美しく心奪うものは、いつも一瞬の瞬き。

そのどれもが、決してこの手に出来ないように、
私は水を掴めない。

でも大丈夫。
水の、音が聞こえる。
さらさら、さらさら、

心地が良い。

水の、笑う音が聞こえる。



2004年08月12日(木)

街を歩いている。

耳元で激しく鳴る、昆虫の飛ぶ音。羽音がブンブンと五月蝿い。
首の、頭の後ろ側から、ぶくぶくと。脊髄から脳にかけて感覚が泡立つ。

なんだこれは。なんだこれは?

空が虹色に見える?普段はあんなに澄んで青く遠い空が、全て虹色で染まる。
飽和状態。…頭が沸騰しそう。

髪が思考に絡まって取れなくなる。ライトブルーの香りが脳に届くと、
今の私は簡単にトリップする。

それでも、それが今は、死にそうに快感。簡単に、思考する力が死んで行く。
その代わりに、頭の前の方と胸の奥で、プチプチと、あんまりにもたくさんの
イメージが氾濫して、すぐにでも、前に進む力に変わりそうな感じ。



2004年08月11日(水)

失うものさえなければ、こんなに自由で開放的。

大事な物や、失いたくないもの、守りたいものが出来ると
何故そんなに弱くなってしまうんだ。

人の弱さと優しさと、愛だね。臆病者だからさ。
愛すべき、人の弱さと、そして諦める強さ。

果たして傷だらけになっても、得るものがあるから私はこの道を進む。
途中で、あの人のいう壁に、いつかぶち当たったら、
その時初めて、あの人の言葉の本当の意味を知るだろう。

その時に挫折や諦めが降り注ぐことを、私は多分待っているんだな。
進んでみなければ、その先を知る事は、ないからでしょう?

…そんなふうに思える自分の一番いいところを、
そのことを、ずっと、忘れようとしていたけど。君に会って気付いてしまった。

君の光にはっと振り返って、気付かされた。



2004年08月10日(火) 1時間

あんまりにも心が強く在り過ぎて

せっかく時間を割いてもらったのにずっと顔ばかり見てしまった

背中を濡らす汗で、掌が、背中をすべった

本当に、手段など何でも良かった

ただ、貴方がほんの束の間でも、「私」に触れてくれるなら

この中身が伝わるなら

体でも、心でも、どちらでも良かった



2004年08月09日(月) ありがとう

今まで、ただ存在するだけでここまで私を壊滅的に壊してくれたのは、
貴方が初めてでした。そして、理由も解らずに好きになって、
こんなに我慢をしていたのも貴方が初めてでした。

いつの間にか、胸の寂しさからくる諦めと惰性に捕まっていた私を
壊してくれてありがとう。相手にしてくれてありがとう。

その惰性を「それが幸せでもある」と言う貴方のやさしさと、
きっと自分の事なら絶対にそんな状況で納得できる筈も無い貴方の本心の
冷たさも、目の鋭さや指の温かさや、汗と香水の混じった匂いも、
私の思い出せる全ての範囲で、貴方がとても好きでした。

きっと、あの日の数時間さえなければ、こんな思いを知る事もなかったので
しょうけれども、知らずに過ごすはずだった先の未来よりも、私はどれだけ
迷惑だろうが、傷つこうが、人を不幸にするとしても、この苦しさの方を
取った事を後悔しないと思います。

もう二度と会えなかったら、死んだ人と同じですね。

私は、死んだ人を想うことだけは得意です。だからきっと、私が
貴方を忘れる事はないでしょう。いつか私が誰かと惰性の末に安らぎを
求めてしまっても、きっと。

絶対に核心に触れられない貴方がとても好きです。捕まえられない自由さが
好きです。そんなあなたに、ほんの少しでも、相手にされてとても
本当に嬉しかったのです。この、救われない道を、ありがとう。本当に。



2004年08月08日(日) その真意

この肌に沁みついた匂いは、いつか消えてゆくだろう。
けれど、きっとこの躰のどこかに必ず記憶されて、私が死ぬまで
保存される。その時、初めてこの気持ちを解放して、私は消えたい。

初めて会った時から、ずっと我慢し続けていたただひとつの事。
初めて、ちゃんと私が、ただの「私」として相手にしてもらえたのは、
今回が最初で、そして最期だな。

何度も繰り返した妄想の中だけの出来事も、今日でやっと最期にして
やっと、解放される。

私は、あの人の前ではただ、一枚の絵画の前に立つ者で。

その真意を知る事は決してなく、それでも何かに惹き付けられて躰ごと
動けなくなる程に。現在の自分の指が表面に触れる感触を実感するだけだ。
心と体は全く別に働くけれど、その二つが繋がることを望んで無理言って
困らせた。それでもその方がずっといい。過去も真意も理由も知る事はない。

そんなふうに。


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