JERRY BEANS!!

2004年06月26日(土) 無視

あれからずっと、あの人には無視されている。
多分、避けられているんだろう。それは大人だから?…

けれど、反応が無いことが、かえって私を苦しめて
そして余計に胸を募らせてしまう事を、あの人は知らない。
当然、仮に知っていたとしても、それを承知で関知しないだろう。

無視されるという事は、私が、あの人の世界から居なくなるという事。
最初から、無理やりこちらの都合で入り込んだだけだから、
それは別に良いのだけれど、

私はまだ、一度も、断わられても居ない。…ただ、あの人の世界で
居ない人間になっただけなんだろうか。どうせなら、その世界で
私を殺してくれさえするなら。…それだけの意志的なものすら
ないのは。ただ、消えるだけの。

…あの人の手でなら、きっと喜んで殺されるというのに。



2004年06月21日(月)

彼の笑顔は、本当に、神と同様に私を救ってくれる。

勿論それは一時的で、私はその光さえ無ければ、再びこの
毒々しい闇まで軽々と堕ちて行けるのだが。

どれだけ下層部まで堕ちても、光が届かない闇はここに無い。

あるのは、ぬるく体に纏わり付く暗闇。私自身、それだけ。



2004年06月20日(日) フラッシュバック

時間がとくとくと過ぎて行くのを、ただただ、やり過ごして、

その濁流に全て流してしまっている途中で、自分の犯した事柄が
何度もフラッシュバックする。

けれど、それは、回想するたびに違う影像で、だんだんと
過去なのか幻想なのか解らなくなってくる。

実際にそこに在った事実は、少しずつ変化して、私に都合よく消化され、
繰り返し繰り返し頭の中を流される。少しずつ変わりながら。

そして、

時間が経って少しだけ冷えた私の頭は、あることに気付いたのです。

それは、あの人の乾いた鋭さ。…私が泥臭く、重いのに対して、
あの人は本当に鋭い。柔らかく薄張りの風船の中に、幾万もの鋭利な針が
刃を剥くような。…触れもしなかったから、気付かなかったのだけれど、

私は、少し離れた所でそれを見つけて、全身に寒気が走ったのです。
そして、とても、恐ろしいと思うと同時に、やはり、その恐怖から
目をそむける事ができずに、そしてやはり魅了されてしまうのです。

もしかしたら、マゾヒストかも知れない。それとも、そうやってギリギリを
体感する事で、自分を試しているのかしら?生きている事を?

それとも、死んでいる事を。



2004年06月19日(土) こ え

胸の中に、誰かが住んでいる。

少女のような。少年のような。

…それは形を曖昧にしながら、「私」に言う。

ここから出して。何処かへ連れて行って。
でも、本当は、『何処にも行きたくない』。

泣いてるのは誰?

「わたし」では、無い。



2004年06月14日(月) 植物

植物は、良い。

彼等はとても素直だから。水が無ければ枯れてしまうし、
あげ過ぎたら根を腐らせる。

光を当てればそちらを向くし、光がなければ葉がくすむ。

その葉は、光を求めて伸びる。ただひたむきに、毎日少しずつ。
だから好きだ。何も言わないし、こちらも見つめない。
私を探らない。

ただそこに居てくれるだけ。話も聞いてくれないけれど、だからこそ
好き。ただ、彼等は良いように在る。その単純さが、嬉しくて。

救われたいと思う。



2004年06月12日(土) ああ、どうしよう

何もしていないと、呼吸するのと同じように、あの人の事を考えてしまう。

到底、相手にもされない恋なのに。寧ろ、気持ちを伝えてしまってからは、
避けられているような感じかも知れないのに。そして、絶対に、その人から
愛される事は無いのに。私では何も、創りだせないのに。

それなのに、どうしてあの人のことばかり私は考えるんだろう。

私をあんなに愛してくれる人がいるのに。
彼を傷つけてまで。彼を泣かせてまで。
不幸せにしかしないのに、なぜか側にいてくれるという彼を、私は
こんなに好きなのに、どうして、私はあの人のことを想ってしまうんだろう。

あの人が、自分が救われないと言うのを聞いて、私にできるのなら助けて
あげたいと思った。…でも、私では絶対的に無理なのだ。彼が助けて欲しいのは、
私じゃないから。そして、彼は、きっと、本心では助かりたくないと
思っているんじゃないだろうか。きっと、好んであの闇の淵にいるんだろう。

私も助からない。彼も助からない。彼は救われない。

ああ、どうしよう。どうしよう。

毎日、そればっかり。



2004年06月11日(金) あの日のキス

あの人と、二度目のキスをした時、苦い煙草の味がした。

それだけしかしなかった。甘いものは何も、吐息も、何も。
あの人の、細い舌の感触を、私は忘れるのかしら?

意味も無く抱きしめてくれた事も。三度だけ、腕に力を入れてくれた事も。
言えばなんでもしてくれるけれど、あの人が自発的にしてくれることは
何ひとつ無い。あの人の乾いたキスを、私は忘れるのかしら?


私を醒ますために言う冷たい言葉。まるで執着のない、無責任な言葉。
未だに私の心を抉る、鈍い刃物のような言葉も。

きっとあの人は、覚えても居ないのでしょう。



2004年06月07日(月)

私の魂は汚れているから、私は天国には行けない。

私は、私を愛してくれる優しいあの人を傷つけ、
胸が痛むほど心奪われるあの人を、困らせる。

自分のその稚拙さと配慮の無さが、今は一番、嫌い。嫌い。

あの人は、「自分はもう助からないから」と言う。
閉じていて、孤高で繊細な、蠱惑な世界。それが私はとても好き。

閉じた世界。無理にでも、覗きたくなるような。

そしてまた、私は自分の好奇心に負けて、人を傷つける。その花蓋を開くように。
同じループ。同じ過ち。同じ痛み。紅く剥けた、人の心。

私は救われない。この体は、何をしても、何をされても穢れることはないけれど、
私の魂も、心も、既に胸の内から穢れているから、きっと地獄に堕ちるでしょう。

私は勿論赦されない。

この魂はこんなに穢れているのに、未だこの世に私を縛り付けるのは、やはり
この無意味な肉体という現実の生臭さだ。きっと、魂だけになったら
すぐにその穢れが露見するだろうというのに。何故未だに。何故、未だに。

この胸の暗い闇から救われない。


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nana [HOMEPAGE]

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