JERRY BEANS!!

2003年02月26日(水) 彼女の幸せ

自分がのうのうとお楽しみの間に、誰かが犠牲になっている事など
考えもしなかった。…自分が幸せである事が最優先だった頃は、
人の事など考えもしなかった。自分の幸せが、誰かの犠牲で成り立って
いたとしたって、だ。

だけど、そうして周りに守られていたから、自分に余裕がある時は
誰かを助けたいと思うようになった。こんな時、本当に自分は幸せに
育ったものだ、と思う。


自分の過去の、嫌だったり辛かったりする思い出のかさぶたを、独りで
剥ぎ続けている間、私は自分を幸せだ、などと思う事が無かった。
ただ、自分がつらい事を、他人のせいにしていた。そんな自分と重なるから、
自分を苦しめる事ばかり考える妹を助けたいと思った。


自分自身のかさぶたを剥ぎ続ける人を目の前にして、他人には何が出来るだろう。
本人でなければ見えない傷と、本人にしか解らない痛みと、本人にしか
知りえない真実の前で、私が出来る事は一体なんなんだろう。そんな事を考える。

自分が幸せである事に気付くには、自分の力で幸せにならなければならない。
それに気付くまで、私に出来る事はなんだろう。…彼女を目の前にすると、
そんな事ばかり考える。目の前に居ない時には、自分自身の幸せしか考えない
くせに。…と、彼女に会う度、私は自分を嫌いになる。だからと言って
諦める事など決してないけれど。



2003年02月24日(月) 淋しい日記

私は登録型のこのウェブ日記を結構長く使っているけれど、
その間に色んな人の日記を読んではそれを楽しみにしていた。

だけど、何かに苦しんでて大変だった人ほど、ある一定の時期
が過ぎると日記を付けることを辞めてしまう。

自分の中で、日記を付けることでしか吐き出せない事があって、
今はその心の中身が落ち着いたから、もう書くことが無いから、
…今まで、ありがとう、なんて言葉でしめくくって、日記は終わる。

読者としては淋しいけれど、ウェブ日記なんて、そんなものなのかも知れない。

精神科のお医者さんは、患者に日記を書くことを薦めると、何かの
本で読んだ。その日記の書かれ方で、患者の精神状態を知る事が
出来るのと、患者さん自身の精神状態を落ち着かせる効果があるから
らしい。前述した人達は、無意識に自分を助けたくて、日記を
書いたのかも知れない。誰かが、読んでくれたら、と思ってか。

…人は文字を使って、思う事を昔から書き続けてきたけど、それは
みんな淋しいからなんだと、思う。私がこうして何かを書いているのも、
きっとそうなんだろう。普通に生きてるつもりでも、淋しいと思う
ことは多くて、そんな自分を慰めたり励ましたりする為に書いているのかも。

こんな淋しい日記を、読む人はどう思いながら読むんだろう。
淋しくなくなったら、私も書くことをやめるんだろうか。

…そんな事を考えている間にも、夜はどんどん更けていくというのに、だ。



2003年02月21日(金) 賢くない男

何度も言うが、妹の彼は好きじゃない。

先日、妹が私と電話で話したあと、彼は彼女にこう言ったらしい。

「電話越しに聞いてしまって悪いけど、君の家族ってやっぱり
オカシイよ。普通じゃない。はたから聞いてて、気分悪い」と。

この話を後で妹から聞いて、私はやっぱりこの人好きじゃないな、と
思った。そして、思ったとおり、とても、賢くない人なんだなぁと
思った。

私の家族は、今の段階で、この状態でしか存在しない。
今のこの形以外の形では、ありえないものなのに、それを今更
オカシイなどと、他人に言われる筋合いがないのだ。

この形以外にありえないものに、文句を言っても仕方が無い。

それはまるで、キリンの首が長いのがオカシイとか、象の鼻が長いのは
オカシイとか、そういう類の発言と全く同じレベルなのだと私は思う。

私たちが変えられるのはいつでもこれから起こる未来だけ。
過去はただ顧みる事しか出来ない。こんな単純なことすら判らないほど、
賢くない人とは、私だったら一緒に居たくないな。…そう思った。



2003年02月20日(木) 透明なもの。

髪を洗って、体を洗って、充分に湯船に浸かったあと、
体中の匂いを取ると、私は私に戻った気がする。

髪についた煙草の臭い、体に付いた男の臭い、
服に絡む外の臭いを、全部リセットした時、体が透明になる気がする。

毎日毎日、透明にしては色をつけられて、また元に戻して、
それをくり返し続けると、最後にどうなってしまうんだろう。

おばあちゃんになっても、この感覚が変わらないのならば、
死ぬときも後悔が無い気がする。私の中には、透明な何かが存在する。

透明なものが。



2003年02月12日(水) 彼女の髪の香

昔のバイト仲間に、すこし面白い男が居た。
恋人と、とても仲が良くて、とても愛し合っていたけれど、
同じ家に住むのは絶対に嫌だと言う。

好きな人と、ずっと一緒にいたくないの?と聞いた時に、
彼はこう答えた。

「彼女の、髪の匂いがとても好きなんだ。彼女を抱いた時の
彼女の微かな香りがとても好きだから、それが自分のものと
一緒くたになったことを想像すると、気が狂いそうだから」

もし将来、彼女と一緒に暮らす事になったとしても、一生、
彼女と同じシャンプーは使わない、とも言っていたな。

あの人は、今ごろ何をしているんだろう。一見朴訥な男だったけど、
あの答えを聞いて、私は彼をとても性的な人だと思った。

そんな小さな些細なことまで、気に出来る男はいいな、と思った。



2003年02月09日(日) カスガイ

君を見ていると、時々、本当に僕の事を好きなのかなぁ、と思う。
例えば、僕の嫌がることをしてニヤニヤしたり、厳しい言葉を
平気で投げかけてくる時。もちろん本気ではないにしろ、僕も、
傷つく事だって、ある。

でもまた別の時、君を見ていて、君って本当に僕の事が好きなんだなぁ、
と思う事もある。例えば、コタツで横になっている時、わざわざ
体を捻ってまで僕のすぐ横まで近寄ってきたり、料理の最中でも
後ろから突然腕をまわして来たりする時。ちょっと迷惑だけど、
少し嬉しく思うかもしれない。

どちらの時も、僕はそれなりに幸せだ。

…だなんて、こんな事を考えている私を、彼は知っているんだろうか。

私を一番理解してくれる人がいるとしたら、きっと彼ではないだろう。
でも、私は彼と居る事で、何か一人では得られない物を手にしている
気分がする。

彼は、私の何を知っていて、私の何を好んでいるんだろう。

相手のことを全て知りたい。…そういう欲で、二人が繋がっている訳では、ない。
僕たちの鎹が何であるのか、僕は、まだ、知らない。



2003年02月08日(土) 言葉遊び

先週、NHKのしゃべり場を見てしまった。ものすごく
久々にあの番組を観たが、とても微妙な気持ちになった。

一人だけ、話の輪の中で孤立しているコがいた。
皆がそれなりにとんがっている集団の中でも彼女はまた
特別にとんがっていた。

彼女が、彼女だけの言葉で、彼女だけの心を表現する時、
他者はほとんど観客にしかならない。何故だろう。

私も時々、誰かと話すときには心配になる。
会話というのは、誰かと共有してこそ会話なのであって、
一方的な言葉と感覚の押し付けは、まるでテレビを見せられて
いるようにしか感じられないからだ。自分がそうならないか
どうか、いつもとても心配だ。

…一人だけの世界でこんこんと話を続ける彼女に、唯一の大人
であるマヤマックスさんは言った。
「あなたは、まるで言葉遊びをしているようだ」と。

言葉は、自分の心を、内面を、感情を表現する為にあれば、
それはそれらを誰かに伝える橋渡しをしてくれると思う。

けれど、言葉が自分の心や内面を脚色するだけのものであったら、
それはただの遊び道具にしかならない。

発すればいいというものではなくて、口に出しさえすればいいのでも
なくて。言葉は心を込めて、誰かに伝えるものであって欲しいと、そう思う。



2003年02月01日(土) One of the parts for your sarrow

淋しいだなんて、簡単に人には言えないけれど、私はとても
淋しいと思っていて、それを埋めるのに、ずっと、いつも、
側にいてくれる誰かを利用した。

それを悪い事だとも、良い事だとも、私は思わない。

ただ、そうしていたっていうだけだから。

誰かと付き合う度に、その人の中にも淋しさがあると、気付く事も
あった。でも、その人が私を求めてくれなかったら、私にはその
穴を埋める事は出来ないのでした。

私は、誰かの淋しさを埋めるパーツになりたい。

そんなふうに私を利用してくれる人がいてくれたらいいと思う。
出来ればその人が、私の恋人だったら、いいだろうなぁ、と思う。

彼が、求めてくれたら、少しは埋める事ができるのになぁ、と。
でも、もし彼が求めてくれても、私に埋める事ができなかったら、
それはそれでショックを受けるのかも知れないな。


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