JERRY BEANS!!

2002年01月31日(木) 汝の隣人を。

誰か、特定の人を大切に思うことは容易いけれども、

万人を愛する事はなぜにこんなに難しいのだろうか。

私にとって大半の人はどうでもいい類の人物たちなのだけれども、

それはおそらく私という個人の出来が非常に悪いからであって、

きちんと大人になっているような人は、自分だけでなく、また、

自分の固執する特定の個人だけでなく、自らの周りを支えるあらゆる

万人を許し、そして愛する事が出来るのだろうと思う。


そして、そうでなければ誰からも好かれることも無いような気がする。

私は先天的に、関係の薄い他人を自分で勝手に蔑視する傾向がある。

そんな事をしているものだから、万人に好かれた事は当然無い。


汝の隣人を愛せる人は、きっときっと、幸せな人なんだろうと思う。

そういう幸せな人に、なりたいと思う。



2002年01月29日(火) Say “I love U…”

私にとって世界一しゃらくさい言葉。それが「愛」だ。

最近では小学生でも、中学生でも、高校生でも大学生でも簡単に使う言葉。

「愛してるよ」…そう言うとき、心の中でざらざらした感触が広がる。

“違う”んだ。この感情は「愛」じゃない。

世界で一番かなしい言葉。心の縁を腐食する。ただれた愛。壊れた言葉。

だけど、本当に思うことは、どの言葉でも表現できずにいて、

それ以外を使う術が無い。だから使う。世界で一番かなしい言葉を。



2002年01月28日(月) 彼女が言う事には。

母は、言う。
「いい会社に入って」「お金持ちと付き合って」「姑の居ない暮らしをしろ」と。
でも、それは幸せじゃないと、ほとんどの女の子はもう気付いているのだと
私は思う。「いい会社に入って」、「お金持ちと付き合って」、「姑がいな」くても、
幸せにはほど遠い。

彼女はどうして、「好きなことをして」、「好きな人と付き合って」、
「好きなように生きなさい」って私に言ってくれないんだろう。そういう、
一番大切なことは、彼女は決して教えてくれない。

もしその思いが叶ったら、どうなるの?
幸せな家畜として歳をとって、ご主人の遺伝子をもらった子を飼育して、
何が自分を楽しくさせるかとか、何が自分をドキドキさせるかとか、
そういうのをないがしろにしてしまうこと?それが幸せだろうか。

私は好きな人のオモチャにはなっても良いけど、あの人の飼う家畜には
なりたくない。「千と千尋の神隠し」では、千尋の両親が、ご馳走を食すと
家畜に成り果ててしまうけれど、あれが、大人の本当の姿だと、思う。

だから、大人の言うことをあんまり信用したくない。
そして、段々大人になる自分が恐くて、嫌いだ。

She said….
She said….

彼女の言う言葉は、私を段々浸食している。…かも、知れない。



2002年01月27日(日) 滲む月

月が、空に滲む瞬間が好き。

ほんのり青白い、蒼黒い、二つの色が、雲を虹色に滲ませるのが。

なんだって、こんなに空は澄んでるんだろう。

そう思い出すと止まらなくて、何もかもが冷たい空気に溶け出して

しまいそうだ。


昔、高校から帰る道の途中で、坂を下った所に自分の家の屋根が見えて、

そのままトンと脚先を蹴ったら、空気中を跳んで家にすぐにでも

着けるんじゃないかと思った事がある。あの時と同じように、自分の個体が

全てに消え入りそうな、あの瞬間だ。


そんな時は、自分が此処にいても、いなくても、どちらでもいいと、思う。



2002年01月25日(金) 反動

作用反作用の原理で、誰かを押したら、自分も同じだけの力ではね返される。

同じように、一度心が何処かへ偏ったら、次の恋愛で反対の方へ偏って、

バランスを取るような所が私にはある。そんな自分が、他人の目にどう映って

居るんだろう、と考える事も、しばしばあって、自分を客観的に見ようと

努力はするんだけど、本来主体である自分を客観視するのはやはり難しいのだ。


だからこそ、恋人として側に居てくれる人を鏡にして、その人が私を映して

くれたら良いのだけど、私と彼は、背中合わせにくっついているので、

その顔を正面から見る事が出来ない。ただ、背中から伝わる自分の反動を

頼りにして、進む以外ないのである。



2002年01月22日(火) 希薄で満ちるもの

仲の良い人の会話を聞くと、その内容が至極薄いことに気付く。

誰かと話をしたいとき、ついつい話題を探してしまうけど、

既に関係が出来ている人となら、話題などなくても、どうでもいい事で

盛り上がる事が出来るのだ。


仲が良くなればなるほど、会話は希薄になる。


だけど、そこには難しい話の何倍もの何かが満ちていて、それがまた

不思議で不思議で仕方が無いのだ。話したいことはたくさんあるのに、

こんなこと話しても面白くないのか、なんて考えてしまうようなら、

まだそれほどの仲ではないという事かも知れない。



2002年01月18日(金) 翼と腕

昔なにかの本で読んだ。


 鳥には翼がある。人間には腕がある。

 鳥には腕がなくて、人間には翼がない。


世の中には、翼と腕と、両方を欲しがる人がたくさんいるらしいのだが、

そういう存在を、人は神と呼んでいたのではないだろうか。


人の作り出す翼は、しょせんは作り物でしかないし、

鳥は腕を欲しがらない。それでも、翼を欲しがる人がいるので、

きっと世の中は困っているんだろう。そのうち、鳥の翼をねじ切って、

その背に付けようとする人が出てくるかも知れない。そういう人は、

そうする前に、自分の両腕を切り落すくらいの覚悟が居ると、私は思う。


そうすれば、無くなった両腕の大切さも、ねじ切った翼が決して自分に

そぐわない事も、知るだろうから。



2002年01月16日(水) 即効性

先日から、思いもかけなく風邪を引いた。

最初は風邪をひいたとは思えなくて、ただ、コメカミと目の奥が

ガンガン痛くて、起きていられなくなった。あんまりキツイので、

布で目を覆って、光が当たらないようにして、根性で寝た。


そしたら、夜に彼が帰ってきて、どうしたの?って聞いてくれた。

ボソボソと事情を説明したら、彼は「具合が悪いんだねぇ。」と言って、

氷を詰めた袋をタオルで覆ったものを、私の目の上に置いてくれた。

 …驚いた。だって、とても素早かったから。


私はその時、「こいつは、本当にいいやつだなぁ。」と思った。じんとした。


彼のとてもいい所は、こういう即効性の愛情があるところだ。

本当に具合の悪い時、丁寧な言葉や高級な水枕なんか、役に立たない。

それよりは、一秒でも早く痛みを押えてくれそうな、ビニールに入った氷の方が

ずっと役に立つ。たとえ不恰好でも、それでいいのだ。一番、私に効果があるもの

を知っててくれてる。それがとても嬉しかった。


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