月の夜のつぶやき

2012年11月09日(金) おだやかに しかし はっきりと・・・とは

自分の気持ちをきちんと相手に伝える。
こんなことが実はすご〜く難しい。

自分が我慢することしか知らなくて、
いつも相手が自分の意見を押し通すのが当たり前で。
私の希望なんか、いうだけ無駄で。

そんな風に過ごし続けた日々の中で
私は自分の価値を限りなく低く評価し、
相手のために自分を滅することが普通になって、
それで苦しいと思い続けていた。

振り返るとそんな感じ。

自分の気持ちを伝えること。
これがすごくエネルギーを必要として、
そして相手の気分を害するのではないか、と
すごくびくびくしてしまう。

そんなある日の母との会話。
母は変な人である。
そのことには気がついて数年になる。
母も知る私の友人が結婚したよ、と伝えた。
本当に言いたかったのは、その後に続く情報で、
結婚したら、結婚相手の飼っていた老犬もついてきて、
かわいい顔の白いおじいちゃん犬も一緒なんだよ、
ということだったんだけれど、

よかったね、とかおめでとうだね、とか
そういう言葉は皆無なまま、
しかも「結婚してね、それで・・」と続ける前に

しかめっ面で

「お母さんは無理に結婚なんてしないでいいと思う」

なんていいはじめた。

ああ、またかよ、と思う。
面倒くさいと思ったけれど、一応の区切りまで聞いて、
反論せずにただ聞き続けて、
最後にこう言ってみた。

「でもさ、結婚したくてしたんだから、
 別にそれでいいんじゃないの?」と。

ごく穏やかに、当然のこととして。

母の返事は「そうだね」と拍子抜けな素直な言葉。
こちらが穏やかなら、こんな風に展開するのか、と
大きな発見。

話を最後まで聞かないことも、
勝手に否定的なことを並べ立てることも、
あえて注目しないでいた私の態度もいつもと違うけど。


アサーティブに言葉を発することとは
こういうことなのだろうか。


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